指導・育成・普及

ハンドボール アスリート育成パスウェイモデル


アスリート育成パスウェイ

 日本ハンドボール協会では日本スポーツ振興センター(JSC)ハイパフォーマンススポーツセンターと協働で、「日本版FTEM」を活用して、ハンドボール版のパスウェイモデルの構築を行いました。本パスウェイモデルを活用して、“育成マインド”(長期的、多角的なアスリートの成長)と“アスリートマインド”(国際競技力の向上と世界規模での活躍)の醸成を目指します。


「日本版FTEM」とは

 「日本版FTEM」は、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が、オーストラリアで開発された「FTEMフレームワーク」を基に、日本の競技スポーツの基盤を踏まえて開発したアスリート育成パスウェイの枠組みです。
 このフレームワークは、F(ファウンデーション)、T(タレント)、E(エリート)、M(マスタリー)の各段階に分かれており、アスリートの育成過程を11のステージで構成しています。これにより、スポーツに関わる多様な関係者が統一された言語を用いて、長期的な視点からアスリート育成を考えることが可能となります。また、スポーツを「する」者だけでなく、「ささえる」者の視点も取り入れている点が特徴です。
 「日本版FTEM」は、アスリート、保護者、コーチ・指導者、都道府県競技団体関係者、中央競技団体関係者など、幅広い関係者が活用できます。
 この枠組みを活用することで、アスリート育成パスウェイの全体像を多角的に捉え、より良いスポーツ環境の整備やアスリートの育成・強化に役立てることが期待されています。

 出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター「アスリート育成パスウェイ」ウェブサイト https://pathway.jpnsport.go.jp/ftem/index.html


「ハンドボールにおけるアスリート育成パスウェイモデル」の特徴

 今回作成したのは、パスウェイモデルの根幹をなすアスリート向けのパスウェイモデルです。ハンドボールに触れ、その楽しさを感じる“出会い”の時期から、アスリートとして成長し、代表チームでの活動を経験しながら、世界で活躍するプロセスを示しています。
 今後は、アントラージュ(アスリートを取り巻くすべての関係者)や、コーチングスタッフ、レフェリー向けのパスウェイモデルの構築も検討していきます。


今後の活用方法

選手の視点から

アスリートとして成長するためには、自分の現在位置と理想の姿との関係性を長期的に捉えることが重要です。また、自分の生活の中でのハンドボールの位置づけや、多くのサポートを受けながらハンドボールに取り組んでいることを理解しましょう。


指導者の視点から

アスリートの育成には、多くの指導者の尽力が必要です。現在のベストパフォーマンスを引き出すだけでなく、国際競技力の向上を見据えた長期的・多角的な視点を持つことが求められます。“アスリートの10年後に責任を持つ”という“育成マインド”を意識しながら、指導にあたりましょう。


アスリートを支えるすべての人(アントラージュ)の視点から

アスリートの成長の可能性は無限に広がっていますが、環境の影響を大きく受けることも事実です。アスリートが関わるさまざまな活動を、アスリートの成長を中心に据えて考え、彼らが手ごたえを感じられるような支援を心がけましょう。また、アントラージュ自身も充実した日々を送れるよう、環境づくりに努めることが大切です。