大会

第23回女子世界選手権

試合詳細

2017-12-11
Eighth-Finals
日本 24 - 26 オランダ

  日本にとって2大会ぶりの決勝トーナメント初戦は、先のリオ五輪最終予選で惜しくも敗れたオランダとの対戦となった。日本のスタートは、LW松村、LB原、CB横嶋、RB角南(ゆ)、RW池原、GK亀谷。オランダの中心選手は世界最終予選と大きく変わらず、中央に高い壁を並べた6:0ディフェンス。対して日本は高いラインでプレッシャーをかける攻撃的なディフェンスでスタートした。
  最初の得点はオランダHEIJDEN。フィジカル差を活かした押し込み気味の1対1で強引に得点をもぎ取ると、コントロールタワーのNo6 GROOTがフリースローで日本ディフェンスラインを押し下げ、小気味よいDSで2点目をとる。日本ディフェンスの特徴をよく観察していることが伺えるオランダの出だしである。
  対して日本はセットオフェンスで苦しいシュートを強いられ、リズムが作れない。テクニカルミスからの速攻が重なり、前半4分までに1−4とリードを奪われる。
  ところが日本は、素早いトランジッションからの速攻や、相手ディフェンスが整わない状況でのポストプレイなど、体格で勝負しない戦略が今大会に入り世界水準で安定感を増している。
 堅実なディフェンスでオランダの得点のリズムを止めると、サイド池原の連続得点、ポスト永田の執念のシュートで地道に点を重ね、前半20分には7-7の同点とした。
  20分以降は両チームにとって渋い時間帯が続くが、亀谷の神がかり的キーピングでオランダの連続得点を許さない。セットオフェンスでのリズムを変えるため、ウルリック監督は大山を投入。すかさず角南が大山とのクロスからDSが決め、さらに直後のオランダ7人攻撃では亀谷がナイスキープからのGKシュートを決め、この日初めてのリードを奪う(10-9)が直後に失点し10:10の同点で折り返すも我慢の時間帯からリズムをつかむ展開となった。
  永田しおり退場でスタートした後半早々、原がカットインで得点。オランダは徹底した7人攻撃で日本ディフェンスを下げてDSを狙う戦略をとるが、日本も徹底して素早い横の展開から”ずれ”を生み、機動力と低さを活かした攻撃を展開する。その中でポスト角南、サイド松村、池原が活躍し、一進一退の展開となった。
  ところが後半15分以降、オランダが1失点を挟む5連取で、残り5分で、3点のビハインドとなる。非常に苦しい展開になるも多田、横嶋による3連取で食らいつき、20−20の同点で延長戦へ。
  延長前半、原の7mスロー成功で得点するもののセットでのテクニカルミスが重なり日本にとってリズムがつかみにくい立ち上がりとなった。対してオランダはBROCH のポスト、POLMAN、GROOTのDSで小気味よく得点を重ね、リズムを掴み、2点差とする(21−23)。
  延長後半、日本は粘り強いディフェンスで立ち上がりのオランダの攻撃をしのぐも機動力の低下が否めなかった。池原、佐々木らの得点でオランダに迫るも、オランダもSMEETSやPOLMANの得点で差を詰めさせず、24−26でのタイムアップとなった。
 
 
  今大会、日本代表女子チームは世界の強豪相手に自分たちのハンドボールを展開し、確実な成長を示した。会場全体から感じられる「日本チームなら何かやってくれるかもしれない」という期待感からも、その成長が確かなものであると感じられる。
  ただし、あと1点の差に泣く試合を多く経験したのも事実である。その1点に直結するミスや失点をしっかりと認識し、さらなる成長の糧としたい。
  2019年熊本、2020年東京に向けて次のステップを踏み出す為、女子日本代表チームには胸を張って帰国して欲しい。