2017年7月にドイツ・ブンデスリーガの強豪「THWキール」を日本に迎え、日本代表などとの招待試合を開催いたします。
コラム「世界のハンドボール」の第1回として、このTHWキールをドイツにいる小林遼平特派員がご紹介します。
母体クラブ:Turnverein Hassee-Winterbek e.V. von 1904
運営会社:THW Kiel Handball-Bundesliga GmbH & Co.KG.
愛称:Die Zebras(ディー・ツェブラス) ※シマウマの意
クラブカラー:白、黒
ホームアリーナ:
Sparkassen-Arena(シュパーカッセン・アレーナ/10,285人収容)
リーグ戦平均観客数:10,285人(集客率100%)
【獲得タイトル】
ブンデスリーガ 20回(歴代最多)
DHBポカール(国内カップ戦) 9回(歴代最多)
DHBドイツスーパーカップ 9回(歴代最多)
EHFチャンピオンズリーグ 3回(歴代3位)
EHFカップ 3回
IHFスーパーグローブ 1回
【公式SNS登録数】
Facebook 155,240(ドイツ1位、ヨーロッパ5位)
Twitter 48,825(ドイツ1位、ヨーロッパ3位)
Instagram 18,200(ドイツ1位、ヨーロッパ5位)
YouTube 5,883(ドイツ2位、ヨーロッパ4位)
【主要歴代所属選手】
マグナス・ヴィスランデル
(1990〜2002、IHF20世紀最優秀選手賞/スウェーデン)
ヘニング・フリッツ
(2001〜2007、2004IHF世界最優秀選手賞/ドイツ)
ニコラ・カラバティッチ
(2005〜2009、2007,14IHF世界最優秀選手賞/フランス)
ティエリー・オメイエール
(2006〜2013、2008IHF世界最優秀選手賞/フランス)
ダニエル・ナルシス
(2009〜2013、2012IHF世界最優秀選手賞/フランス)
フィリップ・イーヒャ
(2007〜2015、2010IHF世界最優秀選手賞/チェコ)
マルクス・アルム
(2003〜2013/スウェーデン)
ニコライ・ヤコブセン
(1998〜2004、現Rhein-Neckar Löwen監督/デンマーク)
ドミニク・クライン
(2006〜2016、HBCナント(フランス)/ドイツ)
アーロン・パルマーソン
(2009〜2015、Telecomヴェスプレーム(ハンガリー)/アイスランド)
THW Kiel(テーハーヴェー・キール)
ドイツ北部シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州 州都キールに本拠地を構える1904年設立のクラブ。欧州No.1リーグであるブンデスリーガを擁するドイツにおいて国内最多のタイトル保持数を誇り、実力、人気の高さからサッカーの名門バイエルン・ミュンヘンと並び称される。
チームの愛称は、クラブのシンボルカラーである白と黒にちなんだ“Zebras“(ツェブラス=シマウマの意)。THW Kiel(以下THW)はこの色をブランド形成の為に重要視しており、ユニフォームに入るスポンサーロゴの色は全て白もしくは黒となっている。
THWは1970,80年代に栄華を誇っていたVfLグンマースバッハと入れ替わる形で、1994年から現在までの23年間でリーグ優勝17回とドイツの頂点に君臨している。その原動力となったのは、IHF20世紀最優秀選手賞に選ばれたマグナス・ヴィスランデル(スウェーデン)、 2004年IHF世界最優秀選手のヘニング・フリッツ(ドイツ)、ニコラ・カラバティッチ(2007、2014)、ティエリー・オメイエール(2008)、ダニエル・ナルシス(2012)のフランス人トリオ、フィリップ・イーヒャ(チェコ/2010)、そして現キャプテンのドマゴイ・ドゥヴニャク(クロアチア/2013)という世界最高の選手たちである。
また、他の所属選手たちも、セカンドチームから昇格した若手を除き、ほぼ全員が各国代表または元代表選手である。このようなスター選手と彼らによって築かれた栄光の歴史によってドイツ全土にTHWの名は知れ渡った。
ホームアリーナのSparkassen-Arena-Kiel(シュパーカッセン・アレーナ キール)は10,285人を収容出来、リーグ戦の興行が行われるアリーナの中ではRhein-Neckar Löwen(ランネッカー・レーヴェン)のSAP Arena(エスアーペー・アレーナ/13,200人)に次ぐ2番目の大きさである。規模は次点だが、リーグ戦平均集客数10,285人、集客率100%と、共に欧州最高を毎年記録している。
この集客率の高さの背景にはシーズンチケットの占有率がある。年間パスは全10,285席中10,000席(97,2%)が購入者で占められる。そのことから、THWの観戦チケットを入手するのはVELUX EHFチャンピオンズリーグ(以下CL)、DHBポカール(国内カップ戦)を除き困難とされる。
近年は長年のライバルであるFCバルセロナ(スペイン)に加え、パリ・サンジェルマン(フランス)、東欧勢の台頭に押されて2012年以降欧州トップの座からは離れている。しかし、CLにおいてアウェイゲームで行く先々でTHW戦のチケットが平時よりも値上げになるなど、欧州における注目度の高さは衰えていない。
(筆者撮影)
昨季は主軸選手の退団により、リーグ3位、CL4位、DHBポカール準々決勝敗退と、13シーズンぶりに無冠に終わってしまった。
屈辱のシーズンから巻き返しを図るべく、今季は有望株の若手選手を補強するだけでなく、栄光の歴史を知る大ベテラン クリスティアン・ツァイツ(ドイツ)を再獲得した。
現在ブンデスリーガは19試合を終えて3位、CLはグループステージ5位(/8チーム)につけ、DHBポカールはFINAL4まで進出している。