<マッチバイザーの任務に関するガイドライン 平成12年度版>


                         (財)日本ハンドボール協会競技運営部


1.総論

2.マッチバイザーの資格

3.代表者会議

4.競技開始前と競技中の任務

5.一般的な任務

6.競技終了後の任務

7.特別な状況下における任務

8.マッチバイザー報告書

9.記録席

10.交代地域


1.総論


(1) マッチバイザーの責任 

 日本ハンドボール協会は(以下、本協会とする。)、本協会が主催・共催す
る大会(以下、大会とする。)が競技規則に基づき、秩序正しい方法で運営さ
れるよう、すべての責任を負う。本協会は円滑な競技運営のために、マッチバ
イザー制度を設ける。本協会は各大会のマッチバイザーを指名する。マッチバ
イザーの代表者(マッチスーパーバイザー)は、このマッチバイザー制度が定
着する当分の間、大会委員長とする。

 大会は、大会委員長(マッチスーパーバイザー)のもと、数名のマッチバイ
ザー(テクニカルデレゲート)で競技を管理する。さらに、記録席には、大会
主管者が任命したタイムキーパー・スコアラー、及び、若干名の補助員が着席
し、競技規則で定められた任務を遂行する。大会時の各競技は、各大会の決勝
戦を例にとれば、原則として記録席後方の一段高い席に1名のマッチスーパー
バイザー(大会委員長)が着席し、記録席に2名のテクニカルデレゲート(競
技委員長、審判長)が着席する。

 本協会の主催大会である全日本総合選手権大会、国民体育大会の決勝戦のマ
ッチバイザーは原則として大会委員長とし、競技委員長・審判長がテクニカル
デレゲートとして記録席に着席する。準決勝は競技委員長、審判長1名がマッ
チバイザーとなる。他のマッチバイザーには本協会常務理事、主管ブロック協
会理事長、主管都道府県協会協会理事長等が起用される。

 マッチバイザーの管理・指導のもと、競技の記録、得点表示はタイムキーパ
ー・スコアラー、若干名の補助員が秩序正しい競技運営にあたる。大会の競技
数が多い場合は、1名のマッチバイザーで記録席で管理・指導をすることがで
きる。

 マッチバイザーは、秩序正しい方法で各競技が行われる責任を負う。競技規
則に基づき記録席の仕事を管理、指導し、交代地域規程を遵守するよう交代地
域を適用する。また、突発的な事態(停電、観客の妨害、不可抗力あるいはそ
れに類すること)の発生時に問題の処理に当たる。

 競技開始前、競技中、競技終了後に起こるあらゆる状況を注意深く観察する。
抗議されるような、または、問題となる事態が起こらないよう、あらゆる面で
指導・管理しなければならない。


(2) マッチバイザーと審判員の職務の権限

 マッチバイザーの主な任務と責任は、競技規則に基づき競技が秩序正しい方
法で実施されることである。マッチバイザーはいかなる種類の抗議も極力起こ
らないよう、また抗議があれば即座に対応するよう競技全体を把握し、事故防
止に努めなければならない。

 しかしながら、マッチバイザーは審判員ではない。競技場内の判定に関して
は審判員だけが責任を負う。状況により、マッチバイザーは競技を中断し、審
判員が気が付かないような違反行為に対して、審判員に注意することができる。
このために、マッチバイザーは笛とストップウォッチを持っていなければなら
ない。しかし、このことは審判員の事実観察に基づく判定をマッチバイザーが
して良いということを意味してはいない。マッチバイザーは判定をする権限を
与えられているのではなく、ただ笛を吹き、審判員を呼び、事実を告げ、勧告
をするだけである。

 マッチバイザーに任命された委員は、本協会規則(各種規程及び、競技規則)
が守られるよう努めなければならない。マッチバイザーは競技規則に精通して
いることが望ましい。競技中に起こるいくつかの問題に即座に対処するために、
任務時には交代地域規程を含む競技規則の最新版と、各種規則と規程を携帯す
ることが義務づけられる。

 マッチバイザーの職務には審判指導を含まない。審判指導はあくまでも審判
委員会の職務である。審判関係委員がマッチバイザー業務に従事しているとき
でも、マッチバイザー業務に専念しなければならない。


2.マッチバイザーの資格


 本協会のマッチバイザーとしての資格は特に必要でない。前項にマッチバイ
ザーの主な任務を示したとおり、秩序正しい方法で競技が運営されるすべての
責任を負うとするため、両チーム、審判員、大会役員を指導・管理することの
できる、ハンドボール界にとって責任ある立場の者の起用が求められる。

 マッチバイザーは審判員の資格は必要としない。しかしながら、競技規則に
基づき競技が秩序正しく運営するよう責任を負うことから、競技規則について
は精通していなければならない。また、競技規則上の判断、解釈が紛争につな
がることも考えられるので、マッチバイザーは常日頃、競技規則の研究を怠っ
てはならない。


3.代表者会議


(1) 代表者会議の開催

 大会委員長は代表者会議を開催しなければならない。代表者会議には大会委
員長を始め、競技委員長のもとに配属される競技委員、マッチバイザー、審判
長のもとに配属される審判員、チームを代表するチーム役員が出席して各種の
審議が行われる。


(2) 代表者会議で審議する事項

 1) 登録に関すること

  大会に関するすべての事項は代表者会議で決定される。大会に参加する選
 手、チーム役員、審判員はこの会議で承認され、それ以降の変更は認められ
 ない。

  大会の競技委員会は代表者会議までに、大会参加申込書と本協会登録用紙
 とを照合し、大会参加資格の有無を確認する。審判員の登録も事前に確認す
 る。代表者会議開催までに各チームは本協会登録していることを証明する登
 録証を競技委員会に提出しなければならない。競技委員会は提出された登録
 証で選手、チーム役員を特定し、承認する。登録証を提出しない選手、チー
 ム役員は大会に参加、出場することはできない。登録証は各試合ごとに提示
 し、審判員による個人の特定を行い、承認を受ける。


 2) 競技規則に関すること

  大会競技規則を確認する。競技規則にない事項はこの会議で審議され、決
 定する。

 3) 競技時間、競技場、ボールに関すること

  競技時間、延長戦の有無、競技場の規格、競技終了時間の通知の方法、ボ
 ールの空気圧、その他の事項を確認する。

 4) 身体に身につける装具に関すること 

  国際ハンドボール連盟(IHF)はいかなる種類の素材であってもフェー
 スマスク、金属製が用いられている膝当て類をつけることを禁じている。本
 協会は安全上、競技に影響がないと判断できるフェースマスク、あるいは、
 選手本人や他の選手への保護機能を備えていると判断される用具は、審判員
 の確認により、安全と認められたならば使用を許可する。

 5) 諸連絡 

  競技運営に関する諸連絡をする。

 6) ユニフォームに関すること

  1) ユニフォームの確認
   代表者会議でユニフォームの確認を行う。各チームは代表者会議に実際
  の試合に着用するすべての種類のユニフォームを持参する。参加申し込み
  の番号と、ユニフォームの番号は同一でなくてはならない。原則として、
  この会議の席上で対戦チーム間のユニフォームを決定をする。
   チームは2種類の色の異なる同一のユニフォームを持っていいなければ
  ならない。ユニフォームシャツの背中に縦20cm以上、胸に縦10cm以上の1
  〜20番までのはっきりと識別が出来る数字が表示されていなければならな
  い。サイクリングパンツ(パワーパンツ)の着用は許されるが、その色は
  短パンツと同色でなければならない。
   チームの主将は他の選手とはっきりと区別できるよう、幅約4cmで、ユ
  ニフォームと対照して目立つ腕章を、どちらかの腕につけなければならな
  い。

  2) ゴールキーパー(以下、GKとする。)のユニフォーム
   GKとして出場する選手は、色の異なるユニフォームを着なければなら
  ない。、試合途中に新たにGKとして出場しようとするコートプレイヤー
  (以下、CPとする。)は、以下のことに注意しなければならない。

   a) 本人がつけなければならない番号で、色の異なるユニフォームを
    着ている。
   b) 本人のCPのユニフォームの上に、透けて下の番号が見える薄い
    ユニフォームを着ている。
   c) 番号が見える穴あきシャツを着用する。


4.競技開始前と競技中の任務


(1) 競技前の任務

 大会、あるいは、競技の開始前に競技委員長の管理事項ではあるが、万全を
期すために、各競技を担当するマッチバイザーも以下の事項について注意を払
うべきである。

 1) 競技会場、コート、ゴール、すべてのラインが競技規則に従って設営
  されているかどうかを点検する。

 2) 本協会公認検定ゴールが用意されていることを点検する。

 3) 本協会公認検定ボールが用意されていることを点検する。各競技には
  2個、試合球として用意されていることを確認する。

 4) 本協会記録用紙が用意されていることを点検する。

 5) 予備の時計、タイムキーパー用のストップウォッチ、笛(または他の
  自動終了合図の器具)のような、必要な用具・設備が記録席の上にあるこ
  とを点検する。

 6) 競技開始30分前に各チームはメンバー表を提出しなければならない。
  提出されたメンバー表を正規の登録が確認できるリストで照合した後、記
  録用紙に転記する。

 7) 競技開始前に、チーム責任者に記録用紙にすべての事項が正確に記入
  されていることを確認させた後、署名させなければならない。

 8) 電光計時表示板とチーム名表示パネルの機能を点検する。タイムキー
  パーはその時計を審判員の競技開始の笛に合わせて作動させ、競技の停止
  のための笛が鳴ったときは止める。そして、競技再開を表す審判員の笛で
  時計を再作動させる。
   マッチバイザーは正しく作動するかを確認する。

 9) 対戦するチームは30分前にコイントスを行う。その際、出場選手メン
  バー表を提出する。メンバー表には交代地域に着席するチーム役員リスト
  も記入されていなければならない。ユニフォームの調整は事前に代表者会
  議、もしくは、当該チーム同士で行われているが、この場で最終確認を行
  う。担当審判員がユニフォームの色が識別しにくいと判断した場合は、組
  み合わせ番号の若いチームが交換する。ユニフォームに関することで問題
  が起こったとき、あるいは起こりそうなとき、マッチバイザーが助言する。

 10) マッチバイザーは常に交代地域を監督・指導出来るように、またもし
  必要であれば調整できるように、記録員席になければならない。

 11) 交代地域前のサイドライン沿い、センターラインから約8m、サイド
  ラインから外側1mの範囲には、競技に支障となるいかなる物も置いては
  ならない。特に、松ヤニ入れの缶、スプレー、飲料水、タオルなどはこの
  範囲から後方に置くよう指導し、安全管理に努める。

 12) ベンチ後方に余裕があるときは、交代地域としてのスペースを確保す
  る。

 13) センターラインからサイドラインに沿ってベンチの端までが交代地域
  である。ベンチの外側に荷物を置いてある状態は正さなければならない。

 14) 選手の人数、チーム役員の人数を確認する。チーム役員が本人である
  ことを登録証で確認する。チーム責任者は、本協会制定のチーム責任者マ
  ークによって確認する。


(2) 競技中の任務

 1) 特別な出来事だけでなく、すべての違反行為、警告など、処罰は競技
  終了後に記録用紙に記入できるよう、マッチバイザー報告書、あるいは、
  補助用紙(任意)に書き留めておかなければならない。

 2) 選手が退場となったとき、マッチバイザーはその選手が交代地域ライ
  ンから出るかを注意深く見守らなければならない。違反したときは笛を吹
  き、レフェリーに違反を知らせる。
   また、退場時間の間、退場した選手が交代地域のベンチに座っているこ
  とを監視しなければならない。これに違反するようであれば、その場所に
  行き、選手に注意するとともに、チームの責任者にも注意を促す。

 3) 選手が失格、追放となったとき、その選手は競技に影響を与える場所
  にいてはならない。審判員の指示とともに、マッチバイザーも協力して、
  その選手をコート、交代地域から退出させなければならない。

 4) 競技中、交代地域規定に違反していれば、マッチバイザーは交代地域
  規程を適用する。注意することができる内容であれば、交代地域規程を守
  るように注意を促す。注意したにもかかわらず交代地域規程を守らないよ
  うであれば、審判員に笛で合図をして競技を止めさせ、審判員からチーム
  役員、退場選手、交代選手に罰則を適用させる。競技中、マッチバイザー
  には直接罰則を適用する権限はない。

 5) 競技中、特別な状況が発生したとき、または、問題事態が観客にわか
  りにくいときは、マッチバイザーが放送設備を使用して説明することが望
  ましい。このため放送席は記録席の近くに設営するべきである。会場のア
  ナウンサーに指示し、説明させることは差し支えない。


5.一般的な任務


(1) タイムキーパーの管理と指導

 マッチバイザーは競技開始前から終了まで、競技規則に示されているタイム
キーパーの業務を管理し指導する。

 1) 設備の管理と交代地域の管理(競技規則4の1及び交代地域規定)。

 2) 競技時間の管理、競技時間の中断、退場時間、交代選手の入場と退場
   の管理。

 3) 審判員がプレイの開始の合図をするときに時計を作動させること。及
   び競技時間終了時に出す自動終了合図の管理。

 4) タイムアウト中は自動計時表示板の時計、及び補助時計を止め、競技
   開始合図に伴い時計を作動させる。予備の時計が使用されている場合は
   それを適用する。

 5) 審判員によって告げられた罰則の確認。審判員が示した選手の警告、
   退場を確認する。警告の場合はイエローカードを高く上げる。退場の場
   合は二本の指を高くあげる。失格の場合はレッドカードを高く上げる。
   追放の場合は腕を高く交差させ、それぞれ審判員と確認をとりながら対
   応する。タイムキーパーは競技再開の笛の合図があったなら、片方の手
   を挙げたまま時計を作動させる。

 6) 退場時間は次の手続きによって知らされる。
  a) 電光計時表示板に退場選手表示が連係されている場合はそれに従う。
  b) 退場者カードの両側に再出場の時間が記載してある退場者カードに
    よる。カードはチーム責任者とベンチに座っているものに見えるよう
    にしなければならない。
  c) 選手が3回目の退場となる場合など、競技規則によって選手の出場
    資格を失っている場合、審判員に通知するため立ち上がり1回笛を吹
    く。その後、審判員によって競技時間を止める3回の笛の合図があり、
    タイムキーパーが時計を止める。マッチバイザー、あるいは、記録席
    役員が審判員の合図なしに競技時間を止めることはできない。

 7) ハーフタイムの休憩時間の正確な時間(前半終了時の自動終了合図か
   ら、後半開始までの審判員の笛の合図までの10分間)を管理し、審判員
   を補佐する。

 8) 審判員と特別な取り決めがないならば、競技に使用する2個のボール
   の管理をする。

 9) 競技場内の時計が使用されないならば、観客にもわかりやすく表示す
   る。

 10) タイムキーパーの席にある時計表示が万一誤っている場合、審判員が
   正しい時間を決定する。もし、二人の審判員の意見が一致しない場合は、
   第1レフェリーが決定する。それでも決定できないときはマッチバイザ
   ーが最終判断をしなければならない。

 11) タイムキーパーの仕事に疑義が生じた場合、マッチバイザーが決定す
   る。


(2) スコアラーの管理と指導

 マッチバイザーは競技開始前から終了まで、競技規則に示されているスコア
ラーの業務を管理し指導する。

 1) 記録用紙にある選手の名前と、番号、競技に関する報告の記載事項を
   点検する。

 2) マッチバイザーが記録したマッチバイザー報告書、または、補助用紙
   と競技中の経過について照合する。

  a) ハーフタイムに書かれた得点記録と最終得点を含む得点の集計。
  b) 得点をあげた選手の番号。
  c) 警告された選手の番号
  d) 退場、失格、追放となった選手の番号。
  e) 両チームの7mスローの数

 3) スコアラーの仕事に疑義が生じた場合、マッチバイザーが決定する。


6.競技終了後の任務


 以下の仕事をタイムキーパー、スコアラーと協同して行う。

(1) 記録用紙の完成

 競技中に記入したマッチバイザー報告書、補助用紙を元に、公式記録の最終
記入の仕事を監督する。


(2) 記録用紙への署名

 スコアラーが記録用紙の記入を完成させたら、すぐに、審判員の署名をもら
い、すべてが正しいことを確認して、マッチバイザーが署名する。


(3) 記録用紙の配布

 記録用紙をその用紙に示されたページを関係者に配布する。


(4) 各種の報告書

 競技開始前、競技中、競技終了後に起こった各種の罰則は、マッチバイザー
報告書とは別に担当審判員が報告書を提出する。マッチバイザーは担当審判員
に提出を促す。また、必要があれば競技終了後直ちに、マッチバイザーは大会
裁定委員会に文書で報告しなければならい。


7.特別な状況下における任務


(1) 審判員の違反行為

 審判員の事実観察による判定を除いて、マッチバイザーは競技中に笛を吹き、
審判員に注意を促すことができる。マッチバイザーが注意したにもかかわらず
審判員が規則違反行為に対して行動をとらない場合、マッチバイザーは大会委
員長に書面の報告書を提出しなければならない。報告書に基づき、大会委員長
は適切な処置をとらなければならない。


(2) 審判員の事故

 万一、競技中に担当審判員に異常が発生し、一人、または二人がその競技の
審判員を担当できないと判断した場合は、その競技に任命されたマッチバイザ
ーは審判委員会と協同して、控え審判員として指名されている審判員と交代さ
せることができる。指名されていない場合は当該大会の審判員に指名されてい
る審判員と交代させる。交代させる審判員がいない場合、その競技のマッチバ
イザーは、その職責によって競技の終了方法を決定しなければならない。


(3) 突発的事項

 予期できない状況(停電、観客の妨害、天災、あるいはそれに類すること。)
が起きた場合、その場で対処できることはマッチバイザーが調整しなければな
らない。


(4) 中断された競技

 予期されない状況により中断された競技の残り時間は、出来れば同じ日に実
施されるべきである。

 もし、あらゆる可能性を尽くしてもその日に競技を行うことが不可能であれ
ば、別の日に、下記に示した方法で競技を続行する。この方法を用いない場合
は、各大会の大会要項に示されなければならない。

 1) 競技の中断が前半の途中のとき−前半の最初から競技を開始する。

 2) 競技の中断が後半の途中のとき−後半の最初から競技を開始する。


(5) 大会裁定委員会

 競技中特別な状況が発生した場合は、大会裁定委員会が審議、決定しなけれ
ばならない。


8.マッチバイザー報告書


 別紙のマッチバイザー報告書(エクセル版PDF版)を作成し、競技終了後
直ちに競技委員長に提出する。競技中から報告書に各種事項を記録する。この
報告書の書き方については別紙の要領による。

 特記事項がある場合はこの報告書に記入する。

 競技終了後、裁定委員会を開催しなければならないような特別な事項につい
ては、マッチバイザー報告書とは別に報告書を作成し、大会委員長に提出する。

 この報告書の審判評価は、審判指導としての評価とは異なり、大会、各競技
の審判員としての適正、不適正を評価するものである。


9.記録席


(1) 記録席の設置

 1) 記録席はコートの一方のサイドラインの中間地点に、可能ならばサイ
   ドラインから1.5mの距離の所におかなければならない。

 2)記録席後方に可能であれば一段高くして、マッチバイザーの席を設営す
   る。マッチバイザー1名で運営する場合にはここに着席してもよい。こ
   のマッチバイザー席は可能な限り記録席に近づける。

 3) 記録席には原則として4〜6名の係員(マッチバイザーを含む)が仕
   事をするための座席が用意されなければならない。

 4) 記録席の座席配置は原則として、コートをみて(逆も同じ)左から右
   に、マッチバイザー、タイムキーパー、補助員、スコアラー、マッチバ
   イザーである。

 5) 医療班の席は別に設ける

 6) 会場の放送席は原則として別に設ける。



参考図



(注)本参考図は大会規模、会場の都合により変更することができる。マッチ
バイザーが1名の場合は、会場全体が見えるように中央に着席することが望ま
しい。


10.交代地域


(1) 交代地域規程

 交代地域に関することは、交代地域規程が適用されなければならない。交代
地域規程が守られていないときは、マッチバイザーが交代地域に行き、規程を
遵守するように注意する。それでも守らないときは、審判員に合図して相応の
罰則を適用するよう助言する。


(2) 交代地域におけるチーム役員

 チーム役員はトレーニング用のユニフォーム、または、生活する上でふさわ
しい着衣を着ていなければならない。チーム役員としてふさわしくない着衣は
たださなければならない。裸でいることは許されない。

 原則として交代地域にいるチーム役員と選手はベンチに座っていなければな
らない。

 競技中、そのチームの医師、トレーナーが必要であれば、その医師、トレー
ナーは記録用紙に登録された役員でなければならない。記録用紙に記入されな
い医師、トレーナーは交代地域での権利を行使することは出来ない。

 次のような場合に、チーム役員は交代地域内で立ち動くことができる。

 1) プレイヤーを交代させるとき。

 2) 治療行為をするとき。

 3) チーム責任者が、タイムキーパー、スコアラーと話し合うとき。
   チーム責任者とはあらかじめ記録用紙に記載された者であり、例外的に
  認められたときだけである。


(3)交代地域におけるプレイヤー

 交代選手は交代地域のベンチで競技用のユニフォームを着ていなければなら
ない。プレイヤーは次のことが許される。

 1) 交代地域の後ろの空きスペースでボールを使わずにウォームアップを
   すること。但し十分なスペースがあり、競技関係者の邪魔にならないと
   きに限る。

 プレイヤーは次のことは許されない。

 1) レフェリーやタイムキーパー、スコアラー、プレイヤー、チーム役員、
   観衆を挑発、抗議、その他のスポーツマンシップに反する方法(ことば、
   表情、身振り手振り)で罵ったり侮辱すること。

 2) 競技に影響を及ぼす目的で交代地域を離れること。

 3) ウォーミングアップのとき、サイドラインに沿って立ったり、走った
   りすること。

 4) 審判員が交代地域の違反行為に気がつかなければ、マッチバイザー、
   スコアラー、タイムキーパーは競技の中断時に、その違反行為を審判員
   に知らせなければならない。


(4) ベンチ

 1) チーム役員、選手用のベンチは記録席の左右方向の交代地域におかれ
   る。チームは前半と後半それぞれ交代地域を交代する。


(5) 関係者以外の交代地域への立ち入り

 1) 原則として、関係者以外誰も交代地域にはいることは許されない。必
   要があるときは、通訳はチームベンチの後方に座ることができる。

 2) 必要があるときは、ドーピングコントロール委員はベンチ後方に座る
   ことができる。

 3) 競技委員会が必要と認めたテレビ関係者は、立ち入りを許可すること
   ができる。


                                                      以 上