スペインの積極的な3:3のディフェンスは、相手チームにとって大きな驚きであり挑戦であった。そしてレフ
ェリーも特別な注意を払わなければならなかった。反則やぶつかり合いは広く広がったスペースで起こり、走る
進路も影響を受けた。ひとつ特に問題であったのは、スペインのディフェンスによる絶え間ない”ちょっとした
ホールディング”や”小さなプッシング”で、相手方のパターンや動きを中断してしまうことであった。個々の
ケースでの反則は、直接罰則にするほど深刻ではなかったが、累積されていけば、この不法なアクションは罰せ
られなければならない。さもなければ不公平に有利さを生み出してしまうからである。
新しい規則では、以下のような状況はよく見ておくに値するだろう。もし会場の音が非常にうるさく、タイムキ
ーパーが時計と試合を止めて笛を吹くのがレフェリーにすぐには聞こえない場合、その中断を最終的に気づいた
時には何をするべきか、覚えておくことは重要である。ゴールやフリースロー、スローインというようないかな
るアクションも決定も無効である。試合は、タイムキーパーが笛を吹いた時の状況に応じて再開される。しかし
ながらタイムキーパーの初めの笛と、その状況を発見したときに与えられるイエローカードや2分間退場のよう
な個人的罰則は有効である。もちろん、タイムキーパー(及び委員)は、レフェリーが出来るだけ速やかに理解
するように、可能な全てのアクションを取らなければならない。
最良の意図にもかかわらず、いら立ちも生れる。以下は興味深い問題である。習慣は、スポーツにより異なり非
常にさまざまである。レフェリーが選手に触れることなどいったいあるだろうか。もちろん積極的に触れるとい
う話ではなく、親しみのある触れ方で、決定したことの説明をしているときや、選手が立ち上がるのを助けたり、
ちょっとリラックスして親しみを感じる瞬間などのことである。ハンドボールではそうした触れ方は反対される
傾向にある(おそらく年少の子供達の試合を除いては)。この伝統は、無礼な意図がないことが明らかであるに
もかかわらず、選手は突然触れられると簡単に誤解しやすいことを意味している。また選手は、かかわっている
人がレフェリーであることをすぐには悟らないかもしれない。勧告としては、選手との親しみのあるコンタクト
は口頭のままで、身体的であるべきではない。