<北京オリンピックIHF世界最終予選(女子) 試合結果>



試合結果   第1日(3/28(金))  第2日(3/29(土))  第3日(3/30(日))


星取り表   1グループ  2グループ  3グループ


◆ 第3日(3月30日(日))


<1グループ>

  スウェーデン  24 (11-11, 13-11) 22 クロアチア
  (2勝1敗)                       (1勝2敗)

  ド イ ツ    37 (21-14, 16- 7) 21 キューバ
  (3勝)                         (3敗)

  ※ドイツ,スウェーデンが出場権獲得!


<2グループ>

  ハンガリー   39 (20-14, 19-15) 29 日  本
  (2勝1敗)                       (1勝2敗)

    北京五輪最終予選最終日はハンガリーとの対戦であった.前日までの結
   果でルーマニアが4チーム中2位以上を確実とし五輪出場権を得ている.さ
   らにポーランドが2敗して最下位が確定しているため,残された最後の切
   符は日本とハンガリーのどちらかとなる.
    試合開始後,いつものように先制点でリズムをつかみたい日本であった
   が,この日はハンガリーが先制点であった.さらに2点目もハンガリーが
   とってまずはハンガリーがリズムをつかんだ.日本もすかさず坂元,藤井
   の得点で2対2の同点として一進一退の攻防となった.前半14分までで9対9
   と双方とも一歩の譲らない展開であったが,少しずつハンガリーが自力の
   違いを見せ始めて連続得点し,24分までで10対7とリードを奪った.ここ
   で坂元,東濱が踏ん張って14対20の6点差で前半を折り返した.
    なんとか巻き返しを図りたい後半.出だしからとってはとられる展開と
   なった.6点差,7点差の繰り返しで我慢比べの時間が続いた.ここでスパ
   ートをしたい日本であったが逆にハンガリーに先手を取られてしまった.
   後半10分から日本にとっての空白の時間が続き点差が開いてしまった.後
   半20分過ぎから日本は再度奮起しすばらしいプレイを見せたが時すでに遅
   し.最終スコアは29対39であった.
    この戦評は全日本チームスタッフによって書かれているものである.し
   たがって多少主観的な評価を含んでしまうところがあるがお許しいただき
   たい.全日本チームがオリンピック予選に向けて準備してきた全てをこの
   短い戦評に書き表すことは到底難しい.結果として大差での敗戦であるが,
   この最終予選の試合内容は胸の張れるものであると思う.一人ひとりのプ
   レイヤーが全身全霊でぶつかっていった結果である.現時点でルーマニア,
   ハンガリーには力が及ばなかったが,こういった世界的に高いレベルの国
   に対抗できるようレベルアップしてくことが今後の課題である.

   【日本の得点】藤井10,小松5,東濱4,田中4,坂元4,
          大前1,長野1


  ルーマニア   27 (16-13, 11-13) 26 ポーランド
  (3勝)                         (3敗)

  ※ルーマニア,ハンガリーが出場権獲得!


<3グループ>

  韓  国    38 (15- 9, 23-12) 21 コートジボアール
  (2勝1分)                       (3敗)

  フランス    36 (19- 9, 17-10) 19 コンゴ共和国
  (2勝1分)                       (1勝2敗)

  ※フランス,韓国が出場権獲得!


◆ 第2日(3月29日(土))


<1グループ>

  スウェーデン  31 (17-10, 14-10) 20 キューバ
  (1勝1敗)                       (2敗)

  ド イ ツ    22 ( 7- 5, 15-11) 16 クロアチア
  (2勝)                         (1勝1敗)


<2グループ>

  日  本    29 (14- 8, 15-19) 27 ポーランド
  (1勝1敗)                       (2敗)

    北京五輪最終予選2日目はポーランドとの対戦であった.昨日のルーマ
   ニアに引き続き体格で大きく日本を上回る相手である.日本チームは試合
   前に綿密なミーティングを行い,昨日の敗戦から心を新たにして試合に臨
   んだ.
    試合内容はほぼパーフェクトと言っていいものであった.東濱が得た7m
   スローを藤井が決めて先取点.さらに小松が決めてリズムにのった.その
   後も左右の揺さぶりとクロスを織り交ぜた攻撃で巧くポーランドのディフ
   ェンスを崩して得点を重ねた.守りでは体を張ったコンタクトと相手の先
   を読んだけん制で攻撃を分断した.ポーランドは日本のディフェンスにか
   なりフラストレーションが溜まっていたようである.さらにGK勝田の好セ
   ーブが光ってポーランドの得点を抑えた.前半15分で6対1と日本が5点の
   リードを奪った.ここでポーランドも徐々にリズムをつかみ始めた.長身
   を活かしたディスタンスシュートなどで連取し前半22分までに8対7と1点
   差まで詰め寄った.昨日のルーマニア戦の苦い印象が蘇えってきたが,こ
   こから日本は小松の4得点を含めて6連取し再びリズムを日本に呼び寄せた.
   前半は14対8で終了.
    後半の立ち上がり,すこし息切れ気味の日本に対しポーランドが得点を
   重ねた.しかしながら途中出場の田中が要所で得点し一進一退の攻防とな
   る.途中,日本に2人の退場者が出た場面でリズムが大きくポーランドに
   傾いた.後半19分,21対21の同点まで詰め寄られるが,日本はまったく浮
   き足立たず途中出場の佐久川らが踏ん張ってリードを許さなかった.後半
   27分の時点で27対26の1点差であったが大前のカットイン,藤井のディス
   タンスで連取し勝利を確実なものとした.最終得点は29対27.
    ベルトバウワー監督が目指すハンドボールを1時間を通じて丁寧に実践
   した.理想像にかなり近い試合ができたのではないかと思われる.本日ま
   での結果でルーマニアの2位以上が確定しオリンピックの出場権を得た.
   明日,日本とハンガリーの勝ちチームが最後の切符を手にする.

   【日本の得点】田中9,小松7,藤井4,大前3,佐久川3,
          東濱2,坂元1


  ルーマニア   31 (17-13, 14-16) 29 ハンガリー
  (2勝)                         (1勝1敗)


<3グループ>

  コンゴ共和国  27 (12-13, 15-13) 26 コートジボアール
  (1勝1敗)                       (2敗)

  フランス    25 (13-14, 12-11) 25 韓  国
  (1勝1分)                       (1勝1分)

◆ 第1日(3月28日(金))


<1グループ>

  クロアチア   31 (18-15, 13-10) 25 キューバ
  (1勝)                         (1敗)

  ド イ ツ    27 (15-13, 12-13) 26 スウェーデン
  (1勝)                         (1敗)


<2グループ>

  ハンガリー   39 (17-18, 22-12) 30 ポーランド
  (1勝)                         (1敗)

  ルーマニア   44 (18-12, 26- 9) 21 日  本
  (1勝)                         (1敗)

    北京オリンピックにむけての最終予選が始まった.初戦の相手はルーマ
   ニアであった.ルーマニアは体格的にもハンドボールのレベルも格上であ
   る.しかしながらオリンピックの切符を得るためには避けては通れない道
   である.
    試合開始後,藤井,坂元と2点連取した.その後1点返されるも,すぐさ
   ま田中が取り返して日本がリズムをつかむ.攻守ともにベルトバウワー監
   督が3年間かけて作り上げてきたハンドボールが機能した.大きなルーマ
   ニアを相手に小柄な日本が機動力を活かして得点を重ねた.守りでは要所
   での積極的なコンタクトで相手に有利な状況でシュートを打たせなかった.
   前半15分で日本は11対7と4点のリードを奪った.ルーマニアは浮き足立ち,
   タイムアウトを申請した.さらにベンチスタートであった両45度のエース
   を2人ともコートに送り込み現状打開を図った.前半20分を過ぎたあたり
   で日本に立て続けに2本のミスが出てしまった.ルーマニアはすかさず日
   本側にあった主導権を奪い返した.ルーマニアは日本の攻撃にだんだんと
   適応し,徐々に日本のシュートがゴールに届かなくなる.さらに日本のミ
   スも手伝って前半終了までにルーマニアは11得点を上げ,12対18と逆転し
   た.
    後半,日本はなんとか巻き返しを図るも大きな壁にミスが連続してしま
   い,ルーマニアの速攻を許してしまった.日本としては非常に悔しい試合
   であった.最終得点は21対44.

   【日本の得点】藤井6,坂元4,早船3,田中3,東濱3,
          大前1,小松1


<3グループ>

  韓  国    37 (21- 9, 16-14) 23 コンゴ共和国
  (1勝)                         (1敗)

  フランス    34 (16- 7, 18- 3) 10 コートジボアール
  (1勝)                         (1敗)