車いすハンドボール日本代表は、9月16日(水)から20日(日)までスペイン・グラノリェースで行われた
第4回IHF車いすハンドボール世界選手権で、
銀メダルを獲得しました。
日本が車いすハンドボールの世界選手権でメダルを手にするのは、これが初めてです。
そして国際ハンドボール連盟(IHF)が主催する世界選手権で見ても、
男子・女子、年代別、ビーチ、車いすのすべてのカテゴリーを通じて、
日本初のメダルとなりました。
12チームが集ったグラノリェース
会場は、Palau d'Esports de Granollers。
12チームが3チームずつ4グループに分かれて予選ラウンドを戦い、
各グループの上位2チームが準々決勝に進みます。
試合は1セット10分で、2セットを先に取ったチームの勝ち。
第3セットにもつれた場合は、5分間で決着をつけます。
360度回転してのシュートや7mスロー、ゴールキーパーのロングスローによるシュートは
「スペクタクルシュート」と呼ばれ、決まると2点が入ります。
世界選手権は2022年に始まり、第1回はブラジル、2024年の前回大会はエジプトが優勝しました。
初出場だった前回大会の日本は、予選ラウンドでアメリカに、決勝トーナメントでエジプトに敗れて5位。
今大会は、日本にとって2回目の世界選手権です。
日本代表の大会結果
◇予選ラウンド・グループB9月16日(水) 日本 2(15-3、10-2)0 アメリカ
9月17日(木) 日本 2(15-5、12-1)0 オーストラリア
◇準々決勝9月19日(土) 日本 2(6-10、11-9、5-4)1 エジプト
◇準決勝9月19日(土) 日本 2(10-9、11-9)0 ポルトガル
◇決勝9月20日(日) 日本 1(9-13、17-5、5-6)2 スペイン
◇最終順位| 優勝:スペイン | 2位:日本 | 3位:ポルトガル |
| 4位:チリ | 5位:ブラジル | 6位:エジプト |
| 7位:フランス | 8位:アメリカ | 9位:リトアニア |
| 10位:インド | 11位:リビア | 12位:オーストラリア |
予選ラウンドから準々決勝へ 前回王者との再戦
初戦の相手は、前回大会2位のアメリカでした。
日本は開始4分で7-2とリードすると、そのまま第1セットを15-3で先取。
第2セットも10-2で取り、2-0で勝ちました。
この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)には、
森谷幸生選手が選ばれています。
続く9月17日(木)のオーストラリア戦は、スペクタクルシュートを積極的に狙う展開になりました。
第1セットを15-5で取ると、第2セットは相手の得点を1点に抑えて12-1。
2-0で連勝し、グループBを1位で通過しました。POMは
小貫怜央選手です。
9月19日(土)の準々決勝で待っていたのは、前回優勝のエジプト。
前回大会の決勝トーナメントで日本が敗れたチームです。
日本は第1セットを6-10で落とし、今大会で初めてセットを失いました。
それでも第2セットを11-9で取り返し、勝負は5分間の第3セットへ。
0-2と先行されましたが、森谷選手がスペクタクルシュートを続けて決めて4-2と逆転し、
永田裕幸選手のゴールで5-2としました。エジプトの反撃を2点に抑え、5-4でこのセットを締めています。
日本が世界選手権で準決勝に進んだのは、これが初めてのことでした。
準決勝から決勝へ メダル確定、そして開催国との一戦
準々決勝と同じ9月19日(土)に行われた準決勝の相手は、ポルトガルでした。
第1セットを10-9で先取した日本は、第2セットも小貫選手の7mスロー2本と森谷選手の回転シュート、
スペクタクルシュートを3本続けて決めて6-0と走り、
ポルトガルの追い上げをかわして11-9で取りました。
2-0の勝利で決勝進出が決まり、この時点で
メダル獲得が確定。POMには
諸岡晋之助選手が選ばれました。
決勝は9月20日(日)20時(日本時間21日(月)午前3時)。
相手は、初出場で勝ち上がった開催国スペインです。
第1セットはスペインが序盤から先行し、日本は諸岡選手の9得点で追いましたが、9-13で落としました。
しかし第2セットは、諸岡選手が14得点を挙げて日本が17-5。セットカウントを1-1に戻します。
第3セットは、森谷選手の先制ゴールと諸岡選手のスペクタクルシュートで日本が3-0とリードしました。
ところが2分過ぎ、スペインが6連続得点で3-6と逆転。
日本は森谷選手のスペクタクルシュートで5-6と1点差に迫りましたが、ここで試合終了となりました。
セットカウント1-2。日本の
銀メダルが決まりました。

銀メダルの位置づけ
初出場で5位だった前回大会から2年。今大会の銀メダルは、車いすハンドボールにとどまらず、
日本のハンドボール全体にとって、IHF世界選手権で初めてのメダルとなりました。
数字も、この大会の日本を物語っています。
5試合で挙げた126得点は、出場12チームの中で最多でした。
得点ランキングでは諸岡選手が59得点で1位、森谷選手が31得点で9位、小貫選手が19得点で16位でした。
小貫選手はシュート成功率65%(20本中13本)で大会3位、
ゴールキーパーとしてもセーブ率64%(11本中7本)で大会1位でした。
森谷選手が獲得した7mスロー8本も、大会で最も多い数字です。
得点王と男子MVP 諸岡選手の大会
大会後に発表された個人賞では、諸岡選手が
得点王と
男子最優秀選手(MVP)に選ばれました。
諸岡選手が決勝で挙げた25得点は、日本の31得点の8割にあたります。
大会通算は59得点で、決勝前は3位だった順位を最終日に1位へ。
2位のエジプトの選手に4点差をつけての得点王でした。
シュート成功率は64%(56本中36本)で、36ゴールのうち
2点のスペクタクルシュートは23本。こちらも大会最多です。
チームの主軸として得点を重ねた諸岡選手の活躍は、今大会の日本代表の戦いを象徴しています。
得点王と男子最優秀選手に選ばれた諸岡選手(左)日本代表メンバー
◇選手(9名)● クラス4:森谷幸生(キャプテン)、諸岡晋之助、小貫怜央
● クラス3:伊藤優也、木村正也、平井楓花
● クラス2:永田裕幸、古矢千尋
● クラス1:村上慶太
◇スタッフ(5名)● 団長:安藤裕一
● 監督:大西満
● コーチ:松本賢
● トレーナー:安田孝志
● 通訳・総務:岡田美優
記録として
初出場の5位から、2回目の出場で世界2位へ。
今大会の銀メダルは、日本のハンドボールがIHF世界選手権で手にした
初めてのメダルとして記録に残ります。
グラノリェースでの5試合は、大会公式の配信アーカイブで見ることができます。
車いすハンドボールという競技に、引き続きご注目ください。
今大会の各試合のレポートは、以下の記事でご覧いただけます。
・予選ラウンド第1戦 アメリカ戦・予選ラウンド第2戦 オーストラリア戦・準々決勝 エジプト戦、準決勝 ポルトガル戦・決勝 スペイン戦スタッツ:IHF公式(大会終了時点)/写真:IHF / Kolektiff / Sasa Pahic Szabo