ハンドボール普及プログラム(案)
開かれたハンドボール社会を目指して

1、普及事業
・その1
 地域における小学生を中心としたハンドボールクラブの育成
  日本リーグ及び実業団チームや都道府県協会等が設立主体となって
・その2
 ハンドボール競技の小学生教材としての活用について
  ハンドボールを国民的規模で認知を促すとともに、全てのスポーツの基礎的な体力、技術、戦術能力を含むハンドボールを通して小学生の心身の発育に寄与する。
・その3
 公認指導者、J級指導者、がんばれ10万人会、NTS等との連携・連動
 

2,事業1について
(1)目的
 日本のスポーツ環境は、少子化や経済不況、個人の価値観の変化などにより、青少年のスポーツ人口の減少やスポーツ離れが進んでいる。スポーツ社会の構造を見直し改革が求められているところである。日本ハンドボール協会としても青少年の育成に様々な特性を持つハンドボールを通して社会に貢献していく必要がある。いままで青少年のスポーツ活動は主に学校の授業や部活動によってなされてきたが、今後は地域社会で多様な嗜好を持つ人たちをスポーツ活動に誘っていくことが必要である。新たにクラブを設立するためには、活動場所や指導者等が必要であるが、新たに求めることは容易なことではない。そこで、既存のチーム、指導者や関係者が設立母体となり、小学生からマスターズまでを含むファミリーチームを育成することが現存のハンドボール環境を尊重し利用していく上でも望ましい方法であると考えられる。この事業は、既存のハンドボールチームや関係者が、地域社会にファミリーチームを立ち上げ、共存・連携していく方法を見いだすことを目的として行うものである。

(2)日本ハンドボール協会の役割
 これまで述べたような日本ハンドボール界が置かれている現状を、各ブロック協会、都道府県協会が十分把握できるように情報を流すこと。各協会と共に、我が国のハンドボール界の改革のための短期・長期にわたる事業計画の立案と実施に努めることが(財)日本ハンドボール協会の役割である。

(3)都道府県協会の役割
 ハンドボールチームの活動の支援や交流を効率的に進めていくためには、小単位・小地域で行う必要がある。行政組織の最小単位は市区町村であり、都道府県協会も肥大化の傾向があることや行政との連携の上からも、今後はハンドボールも市区町村に単位を切り替えて組織化して行く必要がある。現在、市区町村のハンドボール協会の設置率はかなり低いものである。都道府県協会は潜在化している人材の活用をはかりながら、市区町村ハンドボール協会を創設を支援し、チームの創設による人材の獲得や発掘に努める必要がある。また、ジュニアの普及の観点から、その担当者の設置をする。

(4)日本リーグ及び実業団(企業チーム)の役割について
 人々に感動や夢を与えるナショナルチームのオリンピック等国際大会での活動は、日本ハンドボール協会にとって最重要課題の一つである。そのナショナルチームを人的にも経済的にも支えているのが日本リーグチームであり、ハンドボール関係者のみならず社会の注目を浴びている。しかしながら不況の影響や企業のスポーツに対する考え方の変化もあってここ数年日本リーグチームが撤退しているのが実情である。今後ともこのような状況が続けば、日本政府のスポーツ政策が変更されないかぎり、トップチームを擁立する基盤が脆弱となり国際舞台での活躍は絶望的といって過言でない。それに加え日本リーグに人材を送り続けている多くのすそ野のチームも10年前ころから減少し続けている。ハンドボール協会65年の歴史の中で大きな帰路と考えてよい事態である。普及や競技者の育成から見て既存のチームの確保は重要であるがそれのみでは将来的に期待できるものではない。何としても既存のチームや関係者は、自分のチームだけという閉鎖的なチームづくりから地域に開かれたチームづくりを目指すことが必要である。
日本リーグチームは日本のハンドボール社会が生み出す最頂点のチームである。その影響力は大きいものがある。日本リーグチームが率先して社会に開かれたチームづくりを行い、企業の社会貢献に努めるとともにハンドボールの構造改革の一翼を担う役割を担うべきであると考えられる。

(4)事業計画
・地域ハンドボールクラブの創設;小学生を中心としたチームの創設
1)企業チーム(日本リーグチーム)をバックボーンとした活動
   「企業スポーツチームの企業連携活動」実施案に基づいて実施する。資料
2)各都道府県協会 :大学・高校・中学等のチームOB・OG関係者と連携し、少年ハンド    ボールチームを立ち上げる(めやす=一市町一チーム)
3)市町村協会   :行政と連携し、ハンドボール教室を開設、県協会と連携し少年ハンド    ボールチームを立ち上げる。
4)有力チーム、伝統校のチームが母体となって、小学生を中心としたファミリーチームを立    ち上げる。
5)地域総合クラブの立ち上げ・参入

・趣旨説明会の開催
1)日本ハンドボール協会常務理事会 → 理事会 → 評議員会
  日本リーグ機構 → 日本リーグ委員会
2)日本リーグチーム関係
    オーナーへの趣旨説明会
    部長役員趣旨説明会
3)都道府県協会理事長会への趣旨説明会
  ブロックごとの開催

・少年チーム創設連絡会議の設置
1)ブロックごとの少年チーム担当者連絡会議を開催する
  ・情報交換・設立マニュアル書の作成・スポーツクラブ、少年チームの実態調査
2)指導者実技研修会研修会の開催  ・他競技の実情調査
3)小学生チーム立ち上げネットワークの設立

・地域スポーツ指導者ネットワークの構築
    指導者役員等をネットワークで結ぶ、日本協会ウェブページの活用

・U-15(中学年代)のクラブ大会の開催
1)小学生ブロック大会あるいは東西クラブ選手権大会ブロック大会に併設させることも視    野に入れ、ブロックごとに開催する。
2)県大会についても開催を進める
3)状況を見て、U−18(高校年代)の大会も立ち上げる

3 事業2について
(1)目的
 地域におけるクラブ活動を進めて行く一方で、歴史的にみても我が国のスポーツ活動の基盤は学校教育を中心として普及発展が進められてきた。全ての国民が小中学校の体育の授業を通して、ハンドボールの楽しさと、体育的価値の高さを体験することは、ハンドボールの認知と地域スポーツでの基盤を作り上げのに速くて、確実な方法である。幸い、新しい指導要領には「5,6年のボールゲームの中のその他の項で・・・・ハンドボールを指導してもよい・・・」ということになった。これを、さらに押し進めて、必須の種目とすべく授業実践の積み上げ全国的な研究会を継続等を通して、体育教材としてのハンドボールのよさを実証することが目的である。

(2)日本ハンドボール協会の役割
 普及のために、学校体育必須種目として実施されることの有効性と重要性をアピールするため、学校現場での授業実践をまとめ、全国的な規模での研究・検討を進める。また、その成果を、文部科学省を始めとし、都道府県教育委員会、各学校現場へ届ける等々がその役割である。学校体育検討委員会がその中心として活動する。 

(3)都道府県協会の役割
 都道府県協会は、学校教育の場でのハンドボール指導推進のセクションを設置し、小中学校教員、各県市町教育委員会とも連携を保ちながら普及、指導力の向上を図る。

(4)事業計画
  1)小学校教員のネットワークの構築
    ・教育系大学教官への調査
    ・都道府県協会への調査
    ・名簿の作成
  2)研究指定校の設定
    ・2学年以上にわたってハンドボールを授業の中に取り入れて研究実践を進める学校の選定・・・・・・50校程度を選定
  3)全国研究大会の推進
    ・過去5年間にわたって行われてきた「ハンドボール研究集会」は学校体育におけるハンドボール授業研究の場として確実にその成果をあげてきている。この研究集会を更に拡大発展させることは本事業の目的を達成するために欠くことが出来ないものである。

上記普及プログラムは、地域振興特別プロジェクトとして、実施することになり、その概要は以下の通りである。

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