<第3回女子世界学生ハンドボール選手権大会遠征現地情報>
1998年7月5日(日)
場所:ポーランド、Hara A.R.
試合結果(9,10位決定戦)
全日本学生 23 (11−14, 12−11) 25 ポーランド
得点 岡野=2点、橋詰=2点、板谷=4点、村上=2点、村瀬=4点、坂本=4点、早川=2点、山田=3点
前半立ち上がりから10分までは、日本は橋詰の速攻や板谷のシュートで、ポーランドはセンター2番のカットインや
2番のパスによるポストプレーを中心に4−4でスタートした。14分に伊藤の退場があり、DFと攻撃のリズムが崩れ
サイドシュートなどで3連続失点し7−4とリードされた。ここから日本は村瀬の速攻やポストシュート、坂本の速攻で
得点を重ねた。一方ポーランドは2番センターと10番ポストのコンビプレー、そして前に出るDFの裏への走りを中心と
した攻撃で11−14と3点差で前半を終了した。
後半は村瀬のシュートで12−14と2点差につめてからのスタート。しかし、前半同様2番のカットインで2連続失点で
12−16。山田の7mT、早川の速攻で13−14とした。ここで日本は2番にマンツーマンDFをしかけたが、徹底せず
3連続失点する。しかしポーランドのリズムは崩れ始め、15分の16−21の5点差から、25分の10分間でDFからの
速攻を中心に板谷のカットイン、早川の速攻、坂本のサイドで21−22と1点差まで詰め寄った。残り5分の勝負となり
日本は相手リズムを崩しての速攻で何度かのチャンスがあったが、パスミスやキャッチ、シュートミスがこの場面で出て
残念ながら23−25の2点差で敗れた。
この大会を通じて、2,3点差のゲームが4,5試合あり、その中でチャンスはありながら最後の攻撃・防御の詰めの甘さ
から敗れるというゲームが多かった。
1998年7月4日(土)
場所:ポーランド、Hara Ludowa
試合結果(順位決定戦 対B6位チーム)
全日本学生 24 (10−14, 14− 8) 22 ブラジル
得点 岡野=5点、板谷=5点、伊藤=1点、村上=2点、村瀬=1点、坂本=3点、早川=1点、山田=6点
日本は3−2−1,ブラジルは6−0防御でゲームされた。前半両チームとも動きが悪く、パスミスやオーバーステップ
等が目立ち、9分僅かに2−1。15分からブラジル18番がミドル、突破と活躍し、日本は守りが後手になり、退場や
7mTを奪われ、速攻・セットともミスが続出し10−14で前半を終了する。
後半出だしの数的不利をしのいだ日本は14分までに岡野の速攻や山田のステップ坂本のサイド等で9連続得点し、
一気にゲームの主導権を奪い返した。その後ブラジルは18番を中心に必死に追い上げたが、GK田中の好セーブに
阻まれ、同点にすることが出来なかった。結局24−22で日本が逃げ切った。
1998年7月2日(木)
場所:ポーランド、Hara A.R.
試合結果(予選Aグループ4試合目)
全日本学生 18 (11− 8, 7−12) 20 アルジェリア
得点 岡野=4点、板谷=5点、伊藤=4点、早川=3点、山田=2点
前半立ち上がりは、DFでの足がよく動き、伊藤の速攻でスタートした。しかし、アルジェリア10番の
強引なミドルで2−1とされ、その後板谷の7mT、岡野の速攻、伊藤のカットイン、山田の7mTの
4連続得点で5−2とリードした。その後は坂本の速攻やサイド、カットイン、アルジェリアのミドルで進み
27分には10−6、29分に11−7と4点差で相手1人退場という状況となった。しかし、ここでDFの
マークミスにより失点をし11−8で前半を終了。
後半は6:5の優位な状況で、日本の得点からスタートしたかったが、攻撃のリズムが無く、逆に
アルジェリアに4連続得点を許し11−12と後半開始5分間で逆転された。これ以後アルジェリアに
おされ、アルジェリアが2点の間に日本は1点のペースとなる。27分に15−18と3点リードされた
ところで6:5の日本優位な状況になったが、ここで得点が出来ず残り3分追い上げたがシュートミス
などもあり18−20で逆転負けを喫した。
1998年7月1日(水)
場所:ポーランド、Hara A.R.
試合結果(予選Aグループ3試合目)
全日本学生 24 (11−19, 13−17) 36 ルーマニア
得点 岡野=3点、橋詰=1点、板谷=2点、伊藤=7点、村上=3点、村瀬=1点、坂本=1点、山田=5点、早川=1点
全日本は3−2−1,ルーマニアは5−1DFを中心にゲームは展開した。全日本は速攻と
コンビネーションプレーで前半19分まで9−10と善戦したが、20分から連続5失点を含め
9失点し、11−19の8点差で前半を終了。
後半8分前にルーマニア9番イオニーラに3得点され、13−25と試合の大勢が決まる。
10分以後日本は村上、伊藤、岡野らの速攻と突破で得点を重ねるが、体格とポールキープ
力に上回るルーマニアをとらえることが出来ず24−26で終了する。
GKからセンター及び45度までの速攻のつなぎとテンポ、帰陣してからのボールチェック、
ポストプレイヤーへのパスインターセプトとポストの動きの阻止が反省されるゲームであった。
1998年6月30日(火)
場所:ポーランド、Hara A.R.
試合結果(予選Aグループ2試合目)
全日本学生 24 ( 9−10, 15−16) 26 リトアニア
得点 岡野=6点、橋詰=1点、板谷=4点、村上=2点、大石=1点、村瀬=1点、坂本=3点、山田=3点、早川=3点
前半立ち上がりDFの足がよく動いたことで相手のセットオフェンスを守りきり、岡野、
橋詰の速攻で4−2とリードする。その後相手8番のシュートと7mTで4−4となり、
中盤は一進一退で進む。しかし終盤にポストプレイを中心に4連続失点で8−10とリード
され、板谷が1点を加え10−9で前半を終了。
後半は、相手エースの10番が怪我で欠場し、日本は一人退場で5:6の状況からスター
トした。後半はDFの足が止まり、6分、7分と連続退場となり、この間に相手カットインなどで
13分には13−19と6点差となった。その後は6人のリズムも戻り、山田のカットイン、7mT、
村上のカットインで追い上げ19分には21−25と4点差となり、残り3分ここから岡野の速攻、
早川の速攻、坂本のサイドで24−25と1点差とした。しかし、残り1分リトアニアの長い攻撃から
不意をつかれたステップで24−26となり勝敗を決した。
後半の立ち上がりの退場でリズムを崩したことや、セットのリズムの悪さが影響したゲームであった。
1998年6月28日(日)
場所:ポーランド、Hara Ludowa(Peaple’s Hall)
試合結果(予選Aグループ1試合目)
全日本学生 21 (10−11, 11−11) 22 チェコ(Czech Rep.)
得点 岡野=2点、橋詰=3点、板谷=4点、村上=3点、大石=2点、坂本=3点、山田=4点
全日本は3−2−1,チェコは6−0のDFシステムで開始。全日本は9分、10分に連続
退場し、3−5とリードを許す。14分速攻を岡野が得点し5−5の同点とした後村上の
ステップと橋詰のポストで7−5と2点リードする。しかし18分橋詰の退場を機に同点とされ
その後1点差の攻防が続く。残り1秒チェコのシュートが決まり10−11で前半を終了。
後半3分までにチェコ2番の10点目の得点と5番の左サイドの得点で11−14と3点
リードを許す。全日本は4分から板谷、村上、橋詰の3連続得点で同点にするが、9分の
退場を機に再び3連続失点を喫する。終盤18分から、山田、坂本の速攻、山田のミドル、
板谷の突破の4連続得点で25分に21−19と2点リードする。しかし、追いすがるチェコに
26分ポスト、27分7mT、28分突破で3連続得点を許し、終了30秒前に橋詰がノーマーク
シュートを放つがGKに阻まれ21−22の1点差で惜敗する。
反省点として、残り5分2点リード場面での攻撃方法、前半GK田中のリバウンドからの4失点、
7mT5本、退場2回を奪われた両サイドの防御方法である。
文責=コーチ 池田 修
1998年6月25日(木)
場所:ポーランド、Lubin(ヴィロツワフから車で約1時間半)
試合結果(練習試合)
全日本学生 28 (13−10, 15−16) 26 Zaglebie Lubin Club(1部リーグチーム)
得点 岡野=2点、橋詰=5点、板谷=2点、大石=3点、坂本=3点、山田=11点
全日本学生は3−2−1、Lubinは6−0のDFシステムでゲームを開始する。1分に
岡野がインターセプトからドリブルで持ち込み先取点をあげるが、その後パスミスが
連続し9分Lubinに4−2とリードを許す。11分から全日本は板谷、橋詰、山田の3連続
得点で逆転し、試合の主導権を握る。前半終了間際にも坂本、大石の速攻、山田の
ミドルで点差を広げ13−10で前半を終わる。
後半、LubinはTANIAやSTANZAKを中心に速攻や再度攻撃で追い上げ、全日本は
GK田中、倉の攻守からの速攻とセットフォーメーションで得点を重ねる。27分全日本は
1点差に追いつかれるが、大石、板谷の突破と橋詰のポストで逃げ切り28−26で終了。
今回のゲームの成果は、2次速攻やセットフォーメーション攻撃の安定及び長身者に
対する攻撃的・予測的防御による失点の減少であった。課題としては、サイド突破に
対する防御・連携の徹底、ゲーム開始時のパスキャッチミスの減少、後半の競り合い
局面における攻撃フォーメーションの徹底が上げられる。
1998年6月24日(水)
場所:ポーランド、Dzierzoniow(ヴィロツワフから車で約1時間)
試合結果(練習試合)
全日本学生 31 (13−19, 18−10) 29 Diora(2部リーグチーム)
得点 岡野=5点、橋詰=1点、板谷=3点、伊藤=1点、村上=2点、大石=1点、村瀬=1点、
金城=1点、坂本=5点、藤田=2点、早川=2点、山田=4点、中後=2点
前半5分までは中後のロング山田の7mと2:2のイーブンでスタート。5分以降は
ミスからの速攻や防御の甘さからカットインを許し4連続失点で2:6となる。その後
山田のミドル藤田、早川のサイドで得点はするが、防御の甘さが修正できず、また
横のズレに対する防御がことごとく7mを取られ(前半で9つ)その結果13:19と
差をつけられた。
後半はメンバーが変わり、板谷、坂本の連続得点と7mで15:20から、大石の速攻
などで3連続得点し18:20。相手チーム9番の強引なカットインで18:21とされたが、
岡野の速攻で20:22とつめていった。そして中盤16分から村上のカットイン、坂本
岡野のサイドで逆転した。そこからは、両チーム一進一退をくり返し、22分27:27
のところで坂本が退場となった。しかし、5−6の不利な状況から村上のステップ、板谷
のミドルで2点を取り、その後も大石の速攻、山田の7mで計4連続得点し31:27で
ゲームを決めた。
後半にゴールを守った田中の再三に渡る好キープと防御のチェックの強さが目立ち、
合宿の課題の一つがある程度解決されて来ている。また、もう1つの課題のつなぎの
速攻も、短いパス長いパスを使いかなりよくなった。さらにサイドが前後半とも確実に
得点したことも大きな勝因である。
しかし、前後半で11の7mT、8の退場は防御の点でいくつかの課題を残したように思う。
文責=コーチ 笹倉 清則
1998年6月20日(土)
場所:ポーランド、Piotrkow
試合結果(練習試合)
全日本学生 20 ( 6−15, 14−14) 29 Piotrkow (1部リーグチーム)
得点 岡野=2点、橋詰=2点、板谷=4点、村上=4点、大石=2点、坂本=3点、早川=1点、山田=2点
1998年6月19日(金)
場所:ポーランド、ヴィロツワフ Hala AWF
試合結果(練習試合)
全日本学生 30 (13−16, 17−11) 27 AZS−AWF*
得点 岡野=2点、橋詰=5点、板谷=7点、村上=4点、大石=2点、村瀬=1点、
坂本=6点、早川=2点、山田=1点
前半12分まで、全日本学生は坂本の速攻や岡野のサイド攻撃で6−3とリードする。
中盤15分AWFは長身を利してのポストやミドルで7−7の同点に追いつき、20分
橋詰の退場を機に5連続得点し、16−11と5点リードする。全日本学生も前半終了
間際に板谷のカットインと橋詰のポストで13−16とし前半を終了する。
後半10分まで全日本学生はAWFのセット攻撃を守りきれず16−22と6点のリードを
許す。12分頃より全日本学生の守りにリズムが生まれ、早川のインターセプトからの
速攻、坂本の速攻、村上の突破などで22分までの10分間に9得点し、25−23と
2点リードする。AWFは終盤必死の追い上げを試みるがGK田中の攻守に阻まれ、
結局30−27の3点差で全日本学生チームが逃げ切った。
全日本学生チームのセットおよび速攻のフォーメーションプレーはかなりの成功率を示す
ようになった。課題は攻撃的防御(5−1および3−2−1)における内側へのパス
展開の阻止と、1次・2次速攻チャンス場面における、テンポの早い的確なパス
プレーの向上である。
文責=監督 水上 一
1998年6月18日(木)
場所:ポーランド、ヴィロツワフ Hala AR
試合結果(練習試合)
全日本学生 22 ( 9−16, 13−10) 26 AZS−AWF*
得点 橋詰=2点、板谷=1点、伊藤=1点、村上=1点、大石=1点、村瀬=3点、坂本=6点、早川=1点、山田=6点
全日本学生チームは長身者のロングシュートを簡単に打たせないことを狙った積極的な
動きの量で勝る 3−2−1防御をとった。しかし、」前半コンタクトプレー後のパスの
継続でカットインプレーを許した。攻撃ではサイドへのずらしのプレーが効果的であったが、
ラインクロスなどで得点がのびなかった。後半はコンタクトプレー後のパスの継続を
阻止することができ、失点を防いだが、追いつく場面でミスをし、相手に余裕を与えて
しまった。
文責=監督 水上 一
*AZS=Akademicki Zwazek Sportowy 大学スポーツ協会
AWF=the Academiy of Physical Education in Wroctaw 体育大学の学生チーム