<機関誌2008年1・2月合併号巻頭言>


世界を奪い返す



              (財)日本ハンドボール協会専務理事  川上 憲太 

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 皆様明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、新しい年の目標に向か
ってスタートを切られたことと思います。

 さて、昨年暮れに諦めかけていた北京オリンピック出場のチャンスの扉が開かれました。
我々はこのチャンスを最大限に生かす為、財源難の中、開催地立候補をしました。また男
女ナショナルチームを急遽再編成し、男子には酒巻新監督を据え、準備を整えました。後
は戦うのみです。そして「世界を奪い返す」のみです。皆さんの更なる応援を宜しくお願
いします!

 しかし、永年に亘り、日本代表がアジアの大会で悔しい思いを味わい続けてきた状況に
対する日本の提案は、IHF理事会の支持をとりつけました。それは「各大陸・地域の大
会でオリンピックや世界選手権に通ずる試合はすべてIHFの主導のもとで行うべきであ
る」という主張です。まだまだこの戦いは永く厳しい戦いとなると認識しています。日本
協会は地道にこつこつと戦って参ります。私はどうしても「世界を奪い返す」という信念
のもと、「臥薪嘗胆」の思いと「不退転」の決意を持って新春を迎えた次第です。

 今年、心新たに実施する施策の一部をご紹介します。

「NTSセンタートレーニングの実施」
 中期強化計画の中心的活動の中にNTS強化システムがあります。1月の松が明けない
内からセンタートレーニングが実施され、今年は更に内容・ムードが厳しい中、行なわれ
ました。まだまだ今の運用で良いか、改善点が多々あります。本当に発掘・育成が出来て
いるのか、成果が上がっているのかは、活動を展開しながら修正を加えていきます。

「ナショナルアカデミーの設置」
 1月から東京・赤羽にNTC(ナショナルトレーニングセンター)が出来上がり、常設
のハンドボールコート2面が、格安の宿泊費で365日・24時間いつでも使用が出来ま
す。ナショナルチームは勿論、全てのカテゴリー、又、トップにつながる強化活動に全面
的に利用出来る事となりました。ここに「ナショナルアカデミー」を設置し、全国の日本
代表候補を鍛え上げるシステムを開始します。これは選手だけでなく、指導者・指導方法
にも幅を広げたアカデミーにします。

「早くも世界選手権予選」
 2月に男子世界選手権予選(アジア選手権)が開催されます。これには「4年後」を見
据えた候補選手も参加させ、結果も欲しいですが、厳しい国際舞台での「心・技・体」の
あり方を認識してもらいます。少数精鋭で候補選手の入れ替えを激しく行なって厳しさを
打ち出していきます。

「ジャパンカップの実施」
 日本代表の強化の為、又全国のサポーターの皆様に世界のトップチームのプレーを見て
いただく為に、7月には国内で新生日本代表とのゲームを堪能していただく予定です。こ
こから「世界を奪い返す」ヒントを皆様とともに得たいと思います。

 まだまだたくさんありますが、その都度施策を発表してまいります。これを実現するに
は、ひとえに全国の皆様のご理解、ご声援、ご協力なくしては何一つ出来ません。特に日
本リーグ・実業団・学生界・高校・中学の皆様には絶大なるご理解とご支援を頂きたく、
誌面をもってお願い申し上げます。関係者全員の総意を持って「世界を奪い返す」行動を
開始しましょう。宜しくお願いいたします。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2008年1・2月合併号より転載