<機関誌2007年5月号巻頭言>


北京に向かって、明日に向かって、全員のチームワークを!!



                 (財)日本ハンドボール協会専務理事  川上 憲太 

kantogen-0705


 日頃は日本協会の諸事業に対し、深いご理解とご協力を頂き誠にありがとうございます。
先日の評議員会の中で、このたびの専務理事を仰せつかりました。今年の2月に70周年を
迎えた日本ハンドボール協会において永年に亘り沢山の諸先輩によって築き上げられた栄
光の実績をかえり見るとき、改めて職務の重責に身の引き締まる思いであります。力不足
ではありますが、全力を上げてこの大役に取り組む所存であります。どうぞ全国の皆様の
ご理解・ご協力を宜しくお願い申し上げます。

 前任者・大西専務理事には長年に亘り日本協会の仕事に携わられ、6年間は大学の仕事
をなさりながら専務理事として、ご苦労されました。その中にあって日本協会の指針とな
る「プロジェクト21」を立ち上げ、大きな成果を挙げられました。誠にありがとうござい
ました。誌面をお借りして全国の皆様と共に感謝の意を表します。


【北京に向かって】

 いよいよ北京オリンピックアジア予選大会がほぼ日程も決まり、残り4ケ月を切りまし
た。男子ナショナルチームはリマニッチ監督、女子ナショナルチームはバウワー監督のも
と、最後の仕上げに入っていきます。女子の開催はカザフスタンとなりましたが、男子の
オリンピック予選会を3大会連続で「地の利」を生かすべく豊田市での開催を招致するこ
とができました。愛知県のハンドボール協会を始めとして関係各位のご協力を得まして成
果を上げる大会とするべく「北京予選実行委員会」にて準備中であります。全国に広がる
サポーターの皆様からも大会に向けて結集すべく大きな動きが起こっています。昨年から
始めた北京オリンピック出場応援募金箱もだんだん重くなってきています。元ナショナル
選手のOB・OGの皆様も力強い支援を約束して下さっています。「会場をチャンピオンブル
ーで」のスローガンで売り出したTシャツも売れ行き好調です。NHKBS 放送での中継もほ
ぼ決定し、今後国内では、オリンピック予選プレ豊田大会(7月初旬)、熊本世界選手権10
周年記念大会(7月中旬)、ヒロシマ国際大会(7月初旬)とナショナルチームが登場します。
日本リーグ、実業団連盟、全日本学生連盟、高体連、中体連、小学生と各都道府県協会、
地方協会全ての全員のチームワークで代表チームを北京に運んでいきましょう。代表チー
ムの皆さん、国の代表として命を懸けて戦って下さい。日本ハンドボール界の未来はオリ
ンピック出場に懸かっているのですから。


【明日に向かって】

 日本のハンドボール界の目標はオリンピック出場、世界選手権出場を常時果たし、上位
獲得を目指すことにつきるのではないかと思います。当然強化というのはただ選手を集め
て鍛えて送り出すことではありません。〈強化のバロメーターは事業力〉であり、競技力
向上システム・支援体制・応援体制の確立であります。競技力向上の確立の中に「NTS
の更なる前進」・「審判部の充実」・「技術委員会の充実」・「普及部門の充実・底辺拡
大の推進」が挙げられます。そして、支援体制の確立は第一に「財務体質の強化」です。
昨年度は登録金の値上げを行いましたが、協会の事業拡大に伴って慢性的危機状況が続い
ており、これを変えていくのが「マーケティング活動の充実」です。日本リーグでは、プ
レーオフで見られるように他の競技大会以上の運営成果が上がっていますが、チーム数の
減少傾向を抱えています。そこで、地域リーグの立ち上げを開始する一方、収益法人とし
て独立して事業化を進め、日本協会に寄与する動きを始めています。最後に、応援体制の
確立ですが、「がんばれ10万人会」は3月末で10万人を達成することができましたが、サ
ポート体制を進める上で課題はたくさんあり、全員で推進していかなくてはなりません。
又「プロジェクト21」を踏まえ、各課題の業務推進と日本協会の「やらねばならない課題」
の実行に総合企画室を据え、決断力をもって協会業務にあたって参ります。われわれ日本
協会を運営していく者は勿論ですが、全国の皆さん、「協会が何をしてくれるかではなく、
ハンドボール界に何ができるか」を教えていただき、全員でチームワークを持って推進し
ていくという精神で、今後ともご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。


  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2007年5月号より転載