<機関誌2006年9月号巻頭言>


第31回日本ハンドボールリーグ開幕にあたり



                  日本ハンドボールリーグ機構 GM   田中 茂

kantogen-0609


 第31回日本ハンドボールリーグが、いよいよ9月2日から全国各地で開催されます。昨
年度、第30回記念大会では、全国各地で熱戦が展開され観客動員も過去の実績を大きく上
回る観客(サポーター)の皆様が試合会場に足を運んで頂きました。また日本リーグチャン
ピオンを決定するプレーオフでは、東京駒沢体育館にて超満員の3500名の観客を集め、日
本一決定戦に相応しい大会となりました。各試合とも熱のこもった選手達のプレーに駒沢
体育館が今までにないエキサイティングな、またハンドボールの面白さを多くの観客に伝
えた大会でもありました。これも試合会場に足を運んで頂きました観客(サポーター)の皆
様、リーグ運営を支援していただいておりますスポンサー各社、リーグ開催にご尽力いた
だいております開催地の皆様方のお陰と心より感謝申し上げます。

 近年の日本ハンドボールリーグは、各開催地、各チーム、運営委員会の協力により年々
新しい企画による活性化が図られ、多くの観客(サポーター)を動員できるようになりま
した。日本リーグの未来図をしっかりと描き、その具体化がやがて地域に密着したハンド
ボールの普及と、更なる競技力向上へと結びつくようにと弛まぬ努力を続けております。
更なる発展を期するためにも、普及対策や、経済状況に左右されない財源確保(リーグ運
営・チーム運営)の確立などいくつかの課題をクリアしていかなければなりません。これ
らの課題をクリアしていくために、リーグ運営の事業化等、様々なアイデアを実行に移し、
今までのハンドボール界にある固定概念や既成概念から脱皮して、現代社会の環境に受け
入れられる意識改革をハンドボール界全体で行なっていかなければなりません。将来のハ
ンドボール界を支えていく若い人材確保のためにも、また競技力向上のためにも、我々自
身が意識を変えて益々の発展を目指したいと考えております。

 過去第4回大会から男子は1・2部制にて開催していましたが、第31回大会から新たに
1部制となり10チームによる2回戦総当り、女子は6チームによります3回戦総当りのレ
ギュラーシーズンを戦う事となりました。

 日本のスポーツの多くは企業に支えられた実業団チームを中心に発展し、バブルの崩壊
とともに多くの実業団チームの撤退が続いてまいりました。ハンドボールリーグも社会の
流れと同じくチーム数を減らしてまいりましたが、第31回大会より三重花菖蒲ハンドボー
ルクラブが女子のクラブチームとして日本リーグに参戦いたします。三重花菖蒲ハンドボ
ールクラブの参戦はリーグ理念にもあります、地域に根ざした、また普及と言った観点か
らも新たな第1歩であると思います。

 日本リーグ機構としましても更なるリーグ発展のために、開催地の貢任者にお集まりい
ただき開催地貢任者会議を開催いたしました。リーグ運営を中心に話し合われました会議
では、主に観客動員について今までにない開催地の運営方法などをご披露いただき、観客
動員に対しての意識が更に高まり充実した会議の結果を各地で実践していただければと思
います。

 31回を迎えます日本リーグもチーム・観客(サポーター)・運営が一体となり更なるリ
ーグ発展に向けて協力体制を築き、競技レベルを高め、来年に行なわれます「北京オリン
ピック」予選にて出場権を獲得できるよう全力を上げて協力して行きたいと思っておりま
す。

 日本最高峰の日本リーグ、多くの皆様に会場まで足を運んで頂き、熟戦を展開いたしま
す選手に声援を送って頂きたいと思います。

 最後になりましたが、31回大会を迎えるにあり、ハンドボール関係者、リーグ関係者が
一体となり大会を運営できますよう努力していく次第です。ハンドボールを愛する多くの
方々のご来場をお待ち申し上げます。


  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2006年9月号より転載