<機関誌2006年1・2月号巻頭言>


氷見市から全国への発信
−「春の全国中学生ハンドボール選手権大会」の開催に向けて−



     春の全国中学生ハンドボール選手権大会氷見市実行委員会副会長・実施本部長
                                   金原 至 

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 新年明けましておめでとうございます。今年もハンドボール関係者にとって、飛躍の年
になることを祈念しています。

 さて、私はハンドボールの魅力は、走・跳・投の基礎能力は勿論、身体接触に対応でき
るボディーコントロール能力と相手への配慮、そして集団の特性と個の独自性が綾なす関
係が要求されるスポーツだと考えています。それは、まさに我々が人生を送るに求められ
る諸条件を包括しているのです。

 特に、中学時代は人間の生涯の土台作りに該当する世代です。ハンドボールは人として
の智・情・体・技等、全ての要因に関して将来への可能性を育む鍵を握っていると考えて
います。この視点に立ってみると、「春の全国中学生ハンドボール選手権大会」の新規事
業は、私達関係者にとって大変意義があり、魅力的です。しかも、「十年連続開催」とい
う過去に例のない企画です。このことは、ハンドボール関係者のイベントといった過去の
イメージから脱却し、行政、経済界、教育界等、あらゆる部署が地域総ぐるみで取り組む
ことにより、地域の現活力、未来活力の進展の一翼を担うものでありたいと白負していま
す。年を重ねることにより、十年後には次のような目標が達成されていることを期待して
います。

(1)ハンドボール競技レベルの向上
 中学生強化の成果は、中学世代だけにとどまらず、次代の高校、大学、実業団と将来の
 競技力向上が期待できます。大会時に交流試合や各種の研修会を開催することで、ハン
 ドボール競技の魅力と理解を更に深めてもらいたいと思います。

(2)アグレッシブな小学生の育成
 ハンドボール一種目の強化という観点に立たないで、能動的、活動的、知的で感性豊か
 な人間形成に役立てばと考えています。共に生きる喜びを知る情緒溢れる子どもの成長
 への一貫した取り組みを目指し、小学生の基礎力を開拓していきたいと思います。

(3)地域の活性化
 行政・経済界の指導・協力の下に、ハンドボール関係者・中学関係者に限らず、地域住
 民の連携と支援活動により、市民参加のイベントとして育てていきたいと思います。

(4)氷見市を全国に発信
 氷見市の魅力を、競技関係者、大会参加者、サポーターに理解してもらう。このことに
 より、「またこられ氷見」、「ハンドボールの聖地氷見」の名を全国に発信する。


 このような課題を、世代を越え、しかもハンドボール関係者のイベントから飛び出し、
地域に立脚した企画と位置づけ、一年一年目標を充実させ、意義あるイベントに育ててい
きたいと思います。

 全国の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。


※「またこられ」とは氷見地方の方言で「またいらっしゃい」の意味(機関誌編集委員会)


  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2006年1・2月号より転載