<機関誌2005年6・7月号巻頭言>


ハンドボール発展のために 国際競技力向上と登録人口の増加を



                   (財)日本ハンドボール協会専務理事  大西 武三 

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 日本のハンドボールの発展状況を示すものとして、国際大会での成績と日本における普
及状況を上げることができます。

 今年は、世界選手権大会の年です。シニア、ジュニアの男女4種別のうち、ジュニア男
子を除く3種別がアジアの代表権を獲得して世界へのチャレンジとなりました。男子はチ
ュニジアですでに終えています。1997年の熊本世界選手権以来、世界への門戸が閉ざされ
ていたのですが、アジア選手権(カタール)において苦しい状況下で代表権を獲得しての
出場でした。本大会では、24か国中16位でしたが、予選リーグで優勝したクロアチアに対
等の闘いを繰り広げるなど存在感を示し、アジア代表3か国の中で唯一白星2勝をあげて
います。12月にはロシアで女子世界選手権があります。ベルト・バウワー新監督の世界大
会初の采配を期待したいと思います。本年ユース世界大会が新設されましたが、そのアジ
ア予選がタイで6月にあり、男女チームが参加します(男子世界大会本年8月カタール)。
またワールドゲームズ・ビーチハンドボールもドイツで開催され、女子日本代表が出場し
ます。世界の強豪が集まる中で是非とも力を発揮して、日本のハンドボールの意気込みを
示してほしいと思います。北京オリンピック予選まで2年余りとなりました。代表チーム
の強化を充実させるとともに、将来を見据えて、小学生から日本リーグまで競技者や指導
者の強化・育成施策を着実に展開し、プロジェクト21の目標にあるごとく、常に世界大会
に出場し、常に世界大会に出場し、上位の成績をとれる体制を早く実現させなければなり
ません。

 普及状況では、平成5年の約4,700チーム、人口94,000人をピークとして減少を続けて
いましたが、2年前より上昇に転じ、16年度最終の登録数は4,277チームと75,862名(こ
れ以外にマスターズ414人、ビーチ536人)になっています。懸案となっている小学生の登
録では、10年前の96チーム1,823人から増加し続けて今回193チーム、約3,970人であり、
目標としている3,000チームにはほど遠いのですが、確実に登録人口が増加していること
を心強く思います。今後更なる努力を重ねて目標を達成し競技者育成の土台の部分を築い
ていかなければなりません。登録数の上昇に転じたことについて関係の方々に感謝申し上
げます。競技者に加えて、がんばれ10万人会サポート会、都道府県役員、審判、指導者で
現在91,902人の登録ですが、早く10万人の大台にのせたいものです。

 最後になりましたが、今年度は氷見市において中学生年代を対象とした全日本中学生選
手権大会が初めて開催されます。各都道府県から男女各1チームが出場する大会であり、
学校のチームはもちろん、地域で構成されるチームも参加できる大会になります。この大
会によって、各都道府県のジュニア層の普及と競技者の育成が図られることになり、日本
のハンドボールの振興にとって大きな意義のある大会となります。開催地では、あこがれ
の大会にしようと日々準備に尽力していただいております。皆さんとともにこの大会を支
援し、是非成功させたいと願っております。


  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2005年6・7月合併号より転載