<機関誌2005年4月号巻頭言>


2005年度始動  普及、育成、強化、そして北京へ



                     (財)日本ハンドボール協会会長  渡邊 佳英 

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 北京オリンピックへの挑戦は、すでに始まっています。アテネ出場を逃した悔しさをバ
ネに、謙虚に反省すべきところは反省し、新たな道筋をつけていかなければいけません。
協会としても20年ぶりのオリンピック出場を果たすため、日本ハンドボール界の至宝であ
る蒲生晴明氏を強化本部長に就け、大いに腕をふるっていただくため、協会も強力にバッ
クアップしていきます。もちろん協会だけでは目標を達成することはできませんので、日
本リーグ企業、JOCをはじめ、「がんばれハンドボール10万人会」の皆様にも幅広くご
支援いただくことが不可欠です。

 オリンピック出場は、長年の課題であるハンドボール界全体の底上げに、最も早くつな
がると考えています。オリンピックの舞台で活躍することができれば、日本国民に感動を
与え、多くの少年少女が、明日のオリンピック選手を目指すことでしょう。また、選手以
外についてもハンドボール競技のスピード、激しさ、戦略性といったものに魅了された観
衆が増えれば、実際に競技会場へ足を運んでいただけると思います。

 そこで、2005年度の活動については次のように考えています。

  1.現在進めているプロジェクト21構造改革を強力に推進し、将来に渡って強化と普
    及の土台を築きます。

  2.協会の諸事業を三つの事業*に連動し、効率的に予算化します。また、マーケテ
    ィング事業による収入の増大や協賛金の獲得、登録制度の見直しによってその財
    源を確保します。

  3.ハンドボールをする人や見る人を育成するとともに、ハンドボール競技そのもの
    を支え、運営していく時代を背負う人材の育成をします。

 また、長期的な強化策はNTS(ナショナル・トレーニング・システム)を中心として
活動していきます。小さな頃から学校教育やクラブを通じてハンドボールに親しんでもら
い、小学生・中学生・高校生と成長していくそれぞれの段階で、いかに有望な選手を探し
出し、効果的な指導を行うかが重要です。そして、目標は常に世界です。それぞれ若い頃
より世界の舞台を経験して、世界のレベルを肌で感じることができれば、世界の一流選手
を相手にしても気おくれすることもなく、自分の本来の力を発揮することができるでしょ
う。

 実際、ジュニアはもとより、小学生も韓国との交流試合を行っています。世界を意識し
ながら育った子供たちが、どんなプレーを見せてくれるか大変楽しみです。

  * 三つの事業とは、オリンピックプロジェクト、NTS、ジュニア3000プロジェクト


  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2005年4月号より転載