<機関誌2004年11月号巻頭言>


輝く日本ハンドボール界、金の卵たちへ



             (財)日本ハンドボール協会 副会長  市原 則之 

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 アテネオリンピックから2ヶ月が過ぎ、秋も深まりを見せてまいりましたが、オリンピ
ックの熟気はいまだ冷めていません。また、9月には同じアテネの地でパラリンピックが
行われました。メダルの力は偉大です。スポーツが社会、人間を元気にする力のあること
を証明しました。ストレスの多い現代社会でスポーツの果たす役割は益々増してくるもの
と思われます。

 8月12日から29日まで、日本オリンピック委員会理事、ゴールドプラン委員長としてア
テネに滞在し、全身でスポーツの素晴らしさを体験してきました。皆さんもテレビ、報道
でご存じのように、アテネオリンピックでは日本選手団は事前の予想をはるかに上回るメ
ダルを獲得することが出来ました。現地で選手達は互いの健闘を讃えながら、相乗効果も
あり大変盛り上がっていました。ただ、そこにハンドボール選手の姿が見られないのが残
念であり、北京には必ずや出場せねばという決意を新たに致しました。

 今回活躍した競技を総括しますと、JISS(国立スポーツ科学センター)を活用した競
技が成果を上げているようです。体操然り、女子レスリング然り、水泳然りです。これか
らの競技力向上には科学的裏付けのあるトレーニングは不可欠。また、選手強化ばかりで
なく国際場面での国際担当役員の発言力も大事な要素です。併せて、コーチング技術、戦
術・情報分析、医・科学サポートなどが課題となり、審判、ドーピング対策等、総合的な
チームとなった取り組みが必要となります。

 しかし、何より重要なのは選手です。如何にして良い選手を発掘し、育てていくか。ハ
ンドボール界にはNTS(ナショナル・トレーニング・システム)があります。小さい頃か
らハンドボールに馴染んでもらい、素質のある金の卵を発掘し、一貫指導のもと育て、ス
ターとしてプレーをしてもらいたいと思います。小学生の皆さん、中学生の皆さん、君達、
あなた方が将来のスターなのです。国際舞台で活躍し、オリンピックのハンドボール会場
に日の丸をたなびかせるのは皆さんです。さあ、チャレンジして下さい。期待しています。

 日本ハンドボール界、当面の目標はオリンピックに是が非でも出場することです。その
悲願の前には常に韓国が立ちはだかり、神戸では夢の直前まで迫りましたが叶いませんで
した。北京オリンピック予選まであと3年、そのためには選手、指導者、審判、役員はも
とより、都道府県協会、市町村協会、各連盟と日本協会が一丸となって立ち向かわなけれ
ばなりません。

 皆様方の、ご理解、ご協力とお力添えをよろしくお願い致します。


    (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2004年11月号より転載