<機関誌2001年9月号巻頭言>


「大会に参加しよう」




        (財)日本ハンドボール協会競技本部長   江成 元伸
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 夏の各種全国大会も終わり、次のシーズン、新しい目標に向けて新しいチームの
スタートを切ったところだと思います。夏の全国大会出場、優勝を目指し全国各地
で厳しい予選を戦い、それぞれの栄冠を勝ち取ったチームや、惜しくもその思いを
遂げられなかったチームもあるでしょう。秋のシーズンから来年に向けて、新たな
挑戦に取り組むことを期待しています。
 
 さて、今年は5月に兵庫県を中心に近畿各県でナショナルサーキット、同じく5
月に大阪市で東アジア大会、7月に広島県でヒロシマ国際、8月に秋田県でワール
ドゲームズの種目としてビーチハンドボールを開催するなど、全国各地で国際大会
が目白押しでした。数ヶ月の間にこれだけの国際大会は今までなかったのではない
でしょうか。特に、東アジア大会はアジアハンドボール連盟の主催大会として、ビ
ーチハンドボールは第1回の世界選手権として国際ハンドボール連盟の主催大会と
なりました。これだけの国際大会を短期間のうちに開催、運営することは日本協会
としても地元協会、実行委員会のみなさんとともに大変な労力を割かなければなり
ませんでした。しかしながら、どの大会も多くの観客のみなさんにきていただき、
選手を応援していただいたおかげで、大会は大成功のうちに終わることができまし
た。

 日本協会は登録チーム、登録選手の活動を側面から支援することを普及活動とし、
また一方で、日本代表チーム、選手を支援する強化活動を二本の柱としています。
私たちはそのどちらも重要な役割だと認識して、常に前進できるよう努力したいと
考えています。いわゆる地方大会の充実はハンドボール発展の基盤と考えています。
どの地区の大会も同じ要領でハンドボールができるよう環境を整備しています。そ
の中でチーム、選手はまず大会に出場することが自らの喜びとなります。地域の大
会は自分たちだけの試合であり、観客も応援も少ない中での試合でしょう。大会が
進むにつれ大会役員がいろいろな役割分担をして大会を運営していきます。また、
観客のみなさんも多く応援にきて下さいます。選手や関係者はどの大会でも多くの
人の手によって支えられていることに感謝をしてください。そして自分だけの喜び
だけで終始するのではなく、他の人の大会にも積極的に出かけていき、喜びや感動
を共有できるような観戦をしてほしいと願っています。日本リーグや日本代表選手
の大会を見に行きましょう。試合会場で大きな声援を送って下さい。いいプレーを
学びながら好きなチームを、選手を応援しましょう。

 日本協会主催の大会は新しい試みを模索しています。コート上ではハーフタイム
に別のハンドボールを見ていただいたり、観客のみなさんが参加できるような催し
物を企画したり、コートサイドやロビーで選手と一緒に写真を撮ったりサイン会の
コーナーを設けたり、大会最終日に行われるさよならパーティに参加して選手と交
歓できるような企画も行っています。

 まず大会に出場し自らが楽しみ、そして大きな大会を観戦していいものを吸収し、
そして大会で選手と一体となって喜びや感動をともにする。今後も国際大会をはじ
めとして多くの大会が開催されます。是非機会を作って大会に参加しましょう。


    (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」9月号より転載