ハンドボール界の総力を挙げてシドニー・オリンピックアジア予選に臨みま
したが、男女ともに韓国、中国に次いで3位という結果に終わり、シドニー・
オリンピック出場は果たせませんでした。ハンドボール関係者並びにファンの
皆様に、強化に携わった一人として深くお詫びを申し上げます。今回の成績を
謙虚に受け止め、敗戦の原因究明と戦力分析を行い、時期対策を練り挑戦して
いく所存です。
ハンドボールのメジャー化には、オリンピックの出場が第一と考え、そのた
めにはまずアジアの王座奪回です。全日本頂点強化は勿論のこと、裾野を広く
する必要もあります。強化の方針として、中長期対策と短期対策を基本路線と
して進めていく必要があります。
中長期対策としてNTS(ナショナルトレーニングシステム)の推進と、が
んばれ10万人会の推進と定着が必要と考えます。恒常的にオリンピック出場を
果たすため、普及と強化を一体とする、見つけ、育て、活かす一貫指導システ
ムを推進し、勝利の方程式を確立させること、指導者不足によるハンドボール
離れを防ぐために若年層の指導者育成にも力を入れなければなりません。もう
一点は、強化普及事業の財源を補う、財政基盤を確立するため、全国的にサポ
ート会員を増加させ、ハンドボール界のパワーアップを図ること、ハンドボー
ルの魅力をアピールするイベントを企画、また協賛企業を大幅に増やして強化
の財源確保も強力に推進していく必要があります。
短期対策としてアテネプラン(アテネ・オリンピック出場)の推進でありま
す。予選まで3年間でのチーム強化は容易ではありません。まず強化システム
作りに重点を置き、国内スケジュールの整備(シーズン制を設け国内外での長
期合宿の実施、U-23、ナショナルの合同合宿の実施)、情報収集(選手、コー
チの海外派遣)、技術戦術分析(個人技の向上、日本独自の技術)、学生レン
タル制度(学生シーズンの終了後)の導入を試み、競技力の向上を図ります。
以上がアテネ・オリンピックを目指したアテネプランと、中長期プランであ
ります。微力ではございますが全力で強化活動にぶつかる所存です。全日本チ
ームはハンドボーラーすべての代表チームであります。総力を結集し、夢の実
現アテネ・オリンピック出場を達成したいものであります。ご協力のほどよろ
しくお願い申し上げます。
(財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」6月号より転載
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