<機関誌2000年4月号巻頭言>


がんばれハンドボール10万人会の充実を



       全国高等学校体育連盟理事長
       (元全国高体連ハンドボール部長) 高田日呂実
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 ハンドボールを心から愛する−人として、今回の「がんばれハンドボール10
万人会」の充実を強く願っています。これまでに、ハンドボールをプレーした
ことのある人、審判や競技役員としての経験のある人、様々な大会で応援して
下さった人、テレビでハンドボールファンになった人など、多くのハンドボー
ルファミリーが団結して大きな力になることが必要です。これからの日本のス
ポーツを支える重要な競技種日として、大きな位置を占めることになるからで
す。

 私は現在、文部省の保健体育審議会・スポーツ振興計画特別委員会の委員と
して、これからの日本のスポーツ振興計画の策定に携わっています。ここでは、
生涯スポーツ社会の実現に向けた地域のスポーツ環境の整備充実と、競技スポ
ーツとしての我が国の国際競技力の向上が課題となっています。そして、もう
一つの大きな柱として、学校体育と生涯スポーツ・競技スポーツとの連携推進
の施策が重要な課題となっています。

 日本のスポーツ発展に、学校体育・スポーツはこれまでに数々の貢献をして
きました。これからも大きな役割を担っていくことは間違いありません。特に、
学校で行われる運動部活動は、学校教育の内容を豊かにする特色ある活動とし
て今後も一層充実していくことが望まれています。全国普通科高等学校長会の
調査によれば、88%の校長が学校週5日制の完全実施後も、部活動を学校の大
切な教育活動として位置付けるとしています。

 学校体育・スポーツとして始まった日本のハンドボールの今後の発展を考え
る時、今こそ、学校と生涯スポーツ・競技スポーツとの連携推進を強力に進め
ることが何より大切です。今回の学習指導要領の改訂で、小学校体育の「ボー
ル運動」の取扱いの中で、ハンドボールの名前が初めて登場しました。今後、
ハンドボールを経験する小学生が増加することが予想されます。このような状
況の中で、教科体育の内容としてのハンドボールと運動部活動としてのハンド
ボールの実践を生涯スポーツとしてのハンドボールと競技スポーツとしての競
技力の向上に結び付けていく新しい視点が必要です。

 そのためには、ハンドボール愛好者が一丸となることが何より大切です。ハ
ンドボールの益々の発展を心から願っています。



    (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」4月号より転載