東日本大震災復興支援

平成27年度 第67回日本ハンドボール選手権大会

〜 とどけよう スポーツの力を東北へ! 〜

< 男子戦評 >

1日目(12月22日)  2日目(12月23日)  3日目(12月24日)  4日目(12月25日)  5日目(12月26日)  6日目(12月27日) 


最終日:12月27日(日)

決勝戦   トヨタ車体 26 (16-11, 10-14) 25 大同特殊鋼      スコアシート

 
  戦評:   2015年を締めくくる全日本選手権決勝は、地元勢同士の対戦。大同は5年振り、車体は4年振りの優勝を狙う。
会場を埋め尽くす大応援団と、割れんばかりの声援を背に車体のスローオフで試合開始。大同は14番千々波をトップに置いた
アグレッシブなDF。そのDFを切り裂くように、車体10番木切倉のカットイン、速攻と5番高智のミドルで4連取する。前半6分
車体4−0とリードするが、8番藤田が退場してしまう。このチャンスを逃すまいと、大同が反撃に出る。前半11分大同は6番
加藤22番朴のダブルポストに。徐々に攻撃のリズムがかみ合い、4番藤江、5番石橋、22番朴らの活躍で2点差に詰め寄る。
しかし車体は慌てない。セットではコートを広く使い、3番石戸11番津屋、GK甲斐の好セーブから7番藤本の速攻と突き放す。
16−11車体のリードで前半を終了。
 後半車体はタイムアウトを挟み5連取し21−12と引き離すが、大同15番山城のサイド、3番野村4番藤江のミドルで21−16
と4連取し食らいつく。その後車体は約10分間無得点の苦しい時間帯が続く。その間に大同は24番杉本3番野村4番藤江らの
活躍で後半28分26−25の1点差に。ここで車体はタイムアウトを要求。両チーム残り1分10秒のゲームプランを確認。3番石戸
のシュートは枠外に、残り時間40秒大同マイボール、しかし車体の高い壁が立ちふさがる。大同はノータイムスリースローに全て
をかける。このシュートを車体DFは体を張ってブロックし、優勝の喜びを爆発させた。最後まで目が離せない素晴らしい試合であった。
 

 

5日目:12月26日(土)

準決勝1   大同特殊鋼 27 (12- 8, 15-15) 23 琉球コラソン      スコアシート

 
  戦評:   地元大同特殊鋼と昨日第2延長までの熱戦を繰り広げた琉球コラソンとの1戦はひと時も目を離すことの
できない熱い試合となった。
 前半、先取点をあげたのは琉球コラソン。21番連がシュートを決めると、大同も22番朴が決めすぐに追いつく。その
後も地元の大声援を背に大同が一気に流れをつかむ。前半13分7−2となったところでコラソンがタイムアウトを要求。
コラソンがDFをハーフコートマンツーに変えると、大同の得点が止まる。その間に1番棚原、5番村山がディスタンス
シュートを決め、点差を詰めていく。ここで追いつきたいコラソンだったが、1番棚原、21番連が退場してしまい、12−8で
大同4点リードで前半を折り返す。
 後半、退場者が戻るとコラソンのハーフコートマンツーDFが機能し大同が攻め切ることができない。その間にコラソンは
相手のミスからの速攻などで得点を重ね、ついに後半11分に16−16の同点に追いつく。その後はお互い一歩も譲らない
一進一退の攻防が続く。後半23分コラソンがタイムアウトのあと、同点に追いついた時から0−6DFに変えていたDFを
ハーフコートマンツーに変えると試合が動き始める。大同9番武田のフリースローからのディスタンスシュート、12番GK久保
の好セーブなどがつながり、大同がリードを広げていく。このリードを守り切った大同が27−23で勝利をし、決勝に駒を進めた。
 
 

 

準決勝1   トヨタ車体 28 (15-10, 13-13) 23 大崎電気      スコアシート

 
  戦評:   大会3連覇を狙う大崎電気と現在日本リーグ1位のトヨタ車体の1戦はトヨタ車体GK甲斐の好セーブが
光る1戦であった。
 前半、立ち上がりからどちらも1歩も譲らない一進一退の攻防が続く。先に流れをつかんだのは車体。10分相手の
ミスからの速攻を7番藤本が決めると、5番高智もディスタンスシュートで続く。それにGK21番甲斐の好セーブもつながり、
13分に8−4と4点差をつける。一方の大崎も18分にタイムアウトを要求し、その後77番宮崎を投入。その宮崎が自らの
得点や、アシストで攻撃を組み立て流れをつくる。それからはまたどちらも譲らない攻防が続き、15−10と車体5点リード
で前半を折り返す。
 後半は立ち上がりから地元の大声援を得た車体が流れに乗る。5番11番で得点をあげると、DFではGK甲斐が好セーブ
を連発。4連続得点でリードをさらに広げる。大崎も77番宮崎が速攻を決めると流れを取り戻す。8番東長濱などの得点で、
徐々に点差を縮めていくが9点つけられた差はなかなか詰めることができない。一進一退の攻防の中自チームに来た流れ
を逃さなかった車体が28−23で勝利を収め、リーグ戦の雪辱を果たす形となった。
 
 

 

4日目:12月25日(金)

準々決勝1   大同特殊鋼 32 (21-10, 11-16) 26 トヨタ紡織九州レッド      スコアシート
(日本リーグ)              トルネード(日本リーグ)
 
  戦評:   ベスト4をかけた第1試合。大同4番藤江のカットインからの得点でゲームが始まった。紡織がミスから
得点できない間に4連取。6−1となったところで紡織タイムアウト。その後も堅いディフェンスからの速攻などで
得点を重ねる大同。11−3となりたまらず紡織は2度目のタイムアウト。紡織19番鈴木が7mtを決めリズムを
つかみかけるが、連続して退場者を出してしまいリズムを作り切れない。大同の流れは止まらず、21−10で
前半を終える。
 後半、紡織2番中畠のスピードのある1対1から得点。その後、紡織8番荒川の7mtを大同番田中がナイス
セーブ。DF・OFを立て直してきた紡織の粘りもあり、一進一退の攻防が続く。大同が、退場者を出す間に、紡織は
2番中畠の活躍で6点差まで追い上げる。大同このゲーム初めてのタイムアウトを取り、流れを取り戻そうとする。
大同タイムアウト直後の7mtを4番藤江が落ち着いて決める。紡織2番中畠が退場の間に2連取するが、紡織は、
3番田中のスカイプレーなどで粘る。後半は、紡織の積極的なプレーが光ったが、地元大同ファミリーの応援を
受けてベスト4一番乗りを果たした。

 
 

準々決勝2   琉球コラソン 38 ( 7-16, 21-12) 36 トヨタ自動車東日本      スコアシート
(日本リーグ)   (2-3 延一 3-2)   (日本リーグ)
           (2-2 延二 3-1)
  戦評:   トヨタ自動車東日本のスローオフで前半スタート。今ひとつ調子の出ない琉球コラソンに対し、トヨタ
自動車東日本は2番濱口のカットインシュートを皮切りに一気に4連続得点を挙げる。前半10分4−0で琉球
コラソンはタイムアウトをとる。タイムアウト後も流れはかわらない。トヨタ自動車東日本はアグレッシブな3-3DF
で相手のミスを誘い、9番吉田の速攻などで着実に得点を重ね、前半20分11−2と大きくリードする。その後は
琉球コラソンも15番松信のポストシュートなどで4連続得点するが、残り5分過ぎに退場者が相次ぐなど苦戦し、
16−7で前半を終える。
 後半は琉球コラソン15番松信のポストシュートでスタート。トヨタ自動車東日本も5番遠山のポストシュートですぐ
さま得点を返す。ほぼ互角の立ち上がりから、琉球コラソンが1番棚原のミドルシュートなどで少しずつ点差を縮めて
いく。5連続得点もあり、後半12分には20−17と3点差まで迫る。その後は互いに譲らず、一進一退の攻防が続く。
後半17分、トヨタ自動車東日本は退場者を出し、琉球コラソンに流れが傾き始める。琉球コラソンは激しいディフェンス
でトヨタ自動車東日本を苦しめ、スピードをいかしたオフェンスで着々と点差を縮めていく。後半24分には、1番棚原の
7mスローでついに同点に追いつく。その後は両者決定的な連取ができない。後半28分、1点ビハインドの琉球コラソン
は退場者を出す。これで勝負あったかに見えたが、琉球コラソンは粘りのディフェンスで守り切り、88番チャオのミドル
シュートで再び追いつく。そのまま後半を終え、28−28で試合は延長戦へ。
 第一延長前半は互いに得点を取り合い、31−30で第一延長後半へ。トヨタ自動車東日本は開始早々2連続得点をし、
点差を3点に。しかし、4番山田の失格をきっかけに琉球コラソンが再び追い上げる。終了間際に5番村山のサイドシュート
で追いつきここでも勝負は決まらず33−33で第2延長へ。
 第2延長前半は一進一退の攻防が続き、35−35で終える。第2延長後半、琉球コラソンは退場者を出し苦しい立ち上
がり。しかし、GKのセーブもあり、2分間を守り切る。その後は得点を連取し、36−38で琉球コラソンが勝利した。


  

準々決勝3   トヨタ車体 29 (15-12, 14-15) 27 早稲田大学      スコアシート
(日本リーグ)             (学連)
 
  戦評:   準決勝の座をかけた本日の第3試合は、3回戦で湧永製薬を破って勢い乗る早稲田大学、今大会初戦
となるトヨタ車体との対戦。トヨタ車体のスローオフで試合開始。トヨタ車体5番高智の先制点で幕を開けるが、
すかさず早稲田大学2番川島のミドルシュートで同点とする。早稲田大学は、ノーマークシュートをつくるが、トヨタ車体
21番甲斐のビッグセーブによりチャンスをものにできない。前半8分過ぎまで、4対4と両者譲らない。トヨタ車体20番
渡部のペナルティスローが決まり、11番津屋、5番高智の連続得点で点差を広げ7対4とする。早稲田大学は、2番
川島の速攻、4番東江のミドルシュートで食らいついていく。その後、トヨタ車体は、コンビネーションプレーなどで着々と
得点を重ねる。対する早稲田大学は、4番東江、2番川島の個人技で粘りを見せる。前半は、15対12でトヨタ車体の
3点リードで終えた。
 後半戦立ち上がり、両チームとも前半に引き続き一進一退の攻防が繰り広げられた。後半4分過ぎ、トヨタ車体11番
津屋、10番木切倉の連続得点でリードを広げるが、早稲田大学4番東江の強烈なステップシュートで応戦する。後半
19分過ぎ、トヨタ車体が2名の退場者出たところを早稲田大学2番川島、11番小畠などによる連続得点で点差を一気
に点差を縮め一点差とするが、トヨタ車体5番高智が決勝点を決め、粘る早稲田大学を振り切った。


  

準々決勝4   大崎電気 39 (20-15, 19-14) 29 豊田合成      スコアシート
(日本リーグ)             (日本リーグ)
 
  戦評:   大会三連覇を目指す大崎電気の初戦は、8番東長濱の強烈なロングシュートで幕を開けた。しかし、初戦の堅さ
からか、DFの足が思うように動かず、7分間で3枚の警告を受けてしまう。序盤は、大崎電気が東長濱と信太のミドルシュートを
中心に得点を重ねると、対する豊田合成は小塩がミドルシュートを決め、DFが浮いたところで橋本が着実にポストシュートを
決めるなど、一進一退の攻防が続く。前半10分、豊田合成に退場者が出ると、大崎電気が速攻で連取。速攻でスカイプレーを
決めるなど、この日初めて3点差をつける。勢いに乗る大崎電気は東長濱、豊田のカットインシュートなどで5点差をつけ、
20−15大崎電気リードで前半を折り返した。
 後半に入り、宮崎、元木を投入しさらに攻撃力の増した大崎電気は、じわじわと豊田合成を放していく。宮崎、元木の強烈な
ロングシュートを中心に得点を重ねると、得意の速攻も決まり、後半20分、ついに10点差をつける。前半の警告が響き、退場者
を出してしまう場面もあったが、不利な場面でも攻撃力は決して落ちない。対する豊田合成は、素早いパス回しとコートをワイドに
使ってサイドシュートなどで何とか食らいつくが、破壊力の増した大崎電気の攻撃を守り切れず、そのまま39−29で大崎電気が
完勝した。

 

 

3日目:12月24日(木)

3回戦1   トヨタ紡織九州レッド 32 (18- 8, 14-13) 21 北陸電力      スコアシート
トルネード(日本リーグ)             (日本リーグ)
 
  戦評:  日本リーグ勢同士の対戦となった紡織対北電の男子3回戦は、紡織がサイド、カットインで3連取し
幕を開ける。6-0DFで高めに当たる紡織の堅い守り、紡織GK岩下も好セーブを見せる。前半14分10−5
とリードされたところで、北電がタイムを取り、立て直そうとする。北電キャプテンNo.7須坂が奮闘し、ロングを
中心に4得点と気を吐くが、サイド・カットイン・ポスト・速攻とバランス良く得点を重ねる紡織が、徐々に点差を
離し、前半18-8で折り返す。     
 後半、2点ずつ取り合った後半3分に紡織に退場者が出るが、北電はなかなか点差を詰めることができない。
北電は3-2-1の立体的なDFが機能しGK16川添もよく当たり、後半15分まで交互に点を取り合う展開となる。
その後、北電が2連取し、8点差としたところで紡織がタイムを請求し、流れを変えようとする。北電もチャンスは
作るもののシュートを決めきれず、後半23分の北電の退場を機に紡織が3連取する。その後、北電が2得点を
挙げゲームセット。後半は北電が意地を見せたゲーム展開となった。
  

 

3回戦2   トヨタ自動車東日本 33 (21-12, 12-11) 23 HC岩手      スコアシート
(日本リーグ)                  (岩手県)
 
  戦評:  HC岩手のスローオフで試合開始。トヨタ自動車東日本は堅いDFで岩手のミスを誘い、玉井が速攻で
先取点。その後も同じ展開で連取をするも、HC岩手も速攻で点を返す。前半15分まで一進一退の攻防が続く
が、そこから東日本が6連取。たまらず岩手はタイムアウトを要求。しかし、東日本の勢いを止めきれず互いに
点を取り合う展開に。25分過ぎから東日本が4連取し、前半は21-12と東日本リードで折り返した。
 後半岩手はディフェンスを立て直し、東日本を10分まで2点に抑え込む。その間に着実に得点を重ね、23-18
まで持ち込むも、そこから東日本が息を吹き返し、後半25分までの間に6連取を含む9得点。その間岩手は4点
に抑え込まれる。要所で岩手の武蔵が好セーブを見せるも一歩及ばず、33-23で東日本の勝利で幕を閉じた。
  

 

3回戦3   早稲田大学 38 (19-15, 19-16) 31 湧永製薬      スコアシート
(学連)                  (日本リーグ)
 
  戦評:  2試合勝ち抜いてきた早稲田とこの試合が初戦となる湧永との試合は、早稲田2番川島の連続得点
で幕を開ける。流れをつかみたい湧永だったが、早稲田の堅いDFを崩すことができず、3−1となった前半7分
にたまらずタイムアウト。しかし、早稲田の勢いをなかなか止めることができない。前半12分には早稲田14番
伊舎堂の速攻が決まり7−2と5点差がつく。このまま早稲田ペースで進むかと思われたが、早稲田が一人
退場者を出したところから徐々に湧永がペースをつかみ始める。9番佐藤から10番稲毛へのポストプレイ、
17番子安のサイドシュートなどで少しずつ差を詰める。前半27分には9番佐藤のミドルシュートで16-15。とうとう
1点差とする。しかし早稲田がここから3連取。試合の主導権を再び取り戻し前半を終える。前半だけで8得点を
あげた早稲田2番川島の活躍が光った。                              
  後半、流れを変えたい湧永は11番矢田、13番原の二人のルーキーを投入。これが功を奏したかじわじわと
湧永の追い上げペース。6番野村のサイドシュートが冴えわたり、2度の3連取などで、後半11分には1点差に
詰め寄る。ここから湧永は何度か同点チャンスをむかえるも早稲田1番中川のファインセーブにより追いつくこと
ができない。19分に湧永に退場者が出たところから早稲田が4連取。一気に試合の主導権の取り戻す。湧永は
タイムアウトを取り流れを変えようと試みるも早稲田の勢いは止まらず、結局38-31で早稲田が勝利した。
  

 

3回戦4   豊田合成 43 (19-15, 24-18) 33 中部大学      スコアシート
(日本リーグ)            (愛知県)
 
  戦評:  合成のスローオフで試合開始。先制点は合成21番小塩、直後中部大学も5番岡元のロングで応戦。
その後、中部大学が退場者を出し苦しい場面があったが、キーパーを外し、攻撃のきっかけをつくり得点する
など点差を離さなかった。その後、合成は確実に点数を重ねていき流れをつかみかけるが得点の入らない時間
が続き、12分にタイムアウトを要求。タイムアウトあけ、流れをつかんだのは中部大学、3連取一気に差をつめた。
その後、両チームのキーパーの好セーブなど一進一退の攻防が続く。そんな中、合成がジワジワと得点を重ね
少しずつ点差を広げていき最大5点差にした。一方、中部大学はスピードをいかした展開で応戦。19対15、合成
のリードで前半終了。
 後半、合成は退場者を出し数的不利な時間が続き、得点差をつめられた。その後、合成は確実にノーマークを
つりたり、21番小塩が要所でシュートを決めたり得点を重ねる。一方、中部大学はスピードをいかした展開で、
6番菅野を中心にシュートを決め、応戦。前半同様、合成がジワジワ点差を広げ始め、6点差がついたところで
中部大学がタイムアウトを要求。タイムアウトをあけも流れは変わらず、合成が少しずつ点差を広げていった。
中部大学は、再度タイムアウトを要求した。タイムアウトあけ、中部大学は高いDFに変え、流れを変えようとしたが、
合成が冷静に対応をしシュートを決め、流れを変えることができなかった。合成は、要所を押さえてリードを保った
まま逃げ切った。
  

  

2日目:12月23日(水)

2回戦1   北陸電力 27 (13-15, 10- 8) 26 福岡大学      スコアシート
(日本リーグ) (2-3延長2-0)    (福岡県)
 
  戦評:  ほぼ互角の立ち上がり、北電は11番池上の退場があったものの7番須坂がシュートを決め点差を広げ
させない。その後、福大は機動力を使い、カットインや速攻などで得点を重ねる。一方、北電は力強いロングシュート
やコンビからのサイドシュートで応戦。一進一退の攻防が続いた。残り3分、福大が3連取し流れをつかみ、15対13
の2点リードで前半を折り返した。
 後半、北電は開始早々退場者を出し苦しい立ち上がり。福大は、前半同様機動力をいかした展開、キーパーの好
セーブもあり、最大4点差まで広げ、流れをつかんだ。その後、福大が攻めあぐむ間に北電が差を詰めた。福大は
タイムアウトやメンバーチェンジなどし、流れを取り戻そうとしたが、北電が差を詰め流れをつかみ3連取で残り5分で
同点に追いついた。その後、両チーム得点が入らない時間が続いた。残り1分福大がノーマークを作ったが北電の
ファインセーブに阻まれた。ルーズボールは、福大。福大は、タイムアウトをとり、作戦を練ったが攻めきれず苦し紛れ
のシュートで終わった。残り12秒、北電もタイムアウトを取り、攻撃の確認をしたが、シュートまで行けずに後半終了。
23対23で延長に突入。
 延長前半、北電が7mスローを決め先制、福大は、6番中尾が2連取し逆転。その後、両チーム1点ずつ加え、福大
1点リードで折り返した。
 後半、北電が意地を見せ、2連取し逆転。福大は、北電のDFを攻めきれず、北電が逃げ切った。
  

 

2回戦2   HC岩手 32 (15-15, 17-16) 31 日本体育大学      スコアシート
(岩手県)              (学連)
 
  戦評:  HC岩手のスローオフでゲームスタート。HC岩手は、8番西村の豪快なステップで先制点を挙げる。その後
も11番佐々木のサイシュートなどで流れをつかみ、前半13分、8対4とリードする。日体大も20番金丸、11番安平の
速攻で応戦。前半17分9対9の同点とする。その後は一進一退の攻防が続き、15対15で前半を終える。
 後半立ち上がり、日体大は積極的なディフェンスから7番福田の速攻などでリードするも、ミスが重なり主導権が奪え
ない。対するHC岩手は、8番西村のミドルなどで応戦、後半10分過ぎに同点とする。後半15分過ぎには、HC岩手2番
長澤の技ありの逆スピンが決まるも、日体大はクイックスタートで応戦。互角の展開を見せる。後半24分過ぎ、日体大
は退場者を出してしまい、2点リードを奪われる。その後日体大は、オールコートマンツーをしかける。すると流れは日体大
へ。HC岩手のミスもあり、得意の速攻で同点に追いつく。その後、HC岩手は3番斎藤が得点し、勝負あったかに見えたが、
日体大はクイックスタートで応戦。一進一退の攻防が続く。残り30秒、HC岩手9番岩葉のゴールが決まり、粘りを見せる
日体大を振り切りHC岩手が勝利した。
  

 

2回戦3   早稲田大学 34 (18-13, 16-13) 26 FOG      スコアシート
(学連)                 (千葉県)
 
  戦評:  男子2回戦早稲田大学対FOGの試合はFOGのスローオフで始まった。先制したのはFOG、素早いパス回し
から2番小川を使った攻撃や豪快なミドルシュートなどで得点を重ねる。先制を許すものの、早稲田も堅いDFからの
速攻で応戦。個々の高いキープ力を生かし、カットインのチャンスを生み出す。また4番東江、2番川島のミドルシュート
で食らいつく。前半10分を経過したところから、早稲田は立体DFへ移行。運動量の多いフットワークを生かし、走るハンド
ボールを展開していく。これがFOGのミスを誘い、前半18分に逆転に成功。FOGも3番佐藤がミドルシュートを連発し、
前半だけで7得点の活躍を見せる。それぞれの長所が見られた前半は終了時点で、18-13で早稲田がリード、特に力
強いDFからの速攻が見所の前半戦であった。
 後半も早稲田の機動力を生かしたDFは続く。FOGはブロックを絡めた攻撃で応戦するもゴールが遠い。後半立ち上がり
に早稲田は4番東江のミドルシュートを含む5連続得点で試合の主導権を握る。FOGも後半13分、早稲田に退場がでた
のをきっかけに、連続得点で意地を見せる。しかし試合の主導権を握る早稲田は簡単に流れを譲らない。後半になっても
運動量が落ちないDFとスカイプレーを含む4連続得点で試合のリードを確固たるものとする。FOGも意地を見せ、高さの
あるDFやマンツーマンDFを駆使して最後まで粘る。OFでも粘り強いパス回しからサイドの宇田を使った攻撃で最大13点
離れた得点差を縮める。しかし早稲田の強力なDFを最後まで崩し切ることができず、34-26で関東勢対決を制したのは、
早稲田大学であった。
  

 

2回戦4   中部大学 33 (14- 9, 19-11) 20 浦和学院高校      スコアシート
(愛知県)                (埼玉県)
 
  戦評:  浦和学院高校と中部大学の2回戦は浦和学院10番大島の速攻、3番山本のロングシュートの浦和学院の
2連取で幕を開ける。その後も浦和学院の粘り強い6-0DFが機能し前半9分には5対1と浦和学院のペースで試合が
進む。ここで中部大学はたまらずタイムアウト。流れを変えにかかる。ここから中部大学は18番美並のサイドシュート
などでじわじわと追い上げていき、前半22分には5番岡元のポストシュートで同点、19番須崎のサイドシュートでついに
逆転に成功する。対する浦和学院もシュートチャンスは作るも、なかなか押し込めない苦しい状況が続く。その後も
体格、スピードに勝る中部大学が得点を重ね14-9の中部大学リードで前半を終えた。
 後半も流れは変わらず中部大学ペース。6番菅野の速攻、11番竹内のロングシュートなど怒涛の5連取でさらに点差
を広げる。流れを変えたい浦和学院は後半4分にタイムアウト。しかし、ここからも中部大学の得点ラッシュは止まらず、
後半15分には26-11と15点差がつく。浦和学院もシュートチャンスを作るも中部大学GK16番岡本のファインセーブに
阻まれる。後半17分27-13となったところで中部大学がタイムアウト。これを機に浦和学院はDFシステムを6-0DFから
3-2-1DFにチェンジ。このシステムチェンジが功を奏して止まっていた浦和学院の得点が少しずつ動き出す。しかし、
中部大学も体格差を生かしたポストプレーやカットインで簡単には連取を許さない。浦和学院はDFシステムをチェンジ
した後は互角に打ち合うも、最後まで開いた差を埋めるには至らず、33-20の中部大学の勝利で試合終了となった。 


  

1日目:12月22日(火)

  

1回戦1    福岡大学 24 (13- 8, 11-13) 21 香川クラブ     スコアシート
(福岡県)               (香川県) 
 
  戦評:  前半は香川クラブのスローオフでスタート。序盤は両チームのGKの好セーブが続き、ほぼ互角の立ち上がり
となった。その後も両チームなかなか得点を挙げられない。前半15分間4−2で福岡大学の激しいDFに苦しむ香川クラブ
に対し、福岡大学は速攻を駆使して着々と得点を重ねていく。香川クラブも何とか食らいつくが13−8の5点リードで前半
を終える。
 後半追いつきたい香川クラブは、11番大芝のミドルシュートでスタート。その後も得点を重ねて後半10分には14−13と
1点差まで詰め寄る。一進一退の競り合いが続いたが、香川クラブ6番福崎の退場をきっかけに福岡大学が3連続得点をし、
たまらず香川クラブがタイムアウトを取る。後半26分、28分と立て続けに退場者を出した福岡大学だったが、何とか振り切り
24−21で試合を終えた。

  

1回戦2    北陸電力 32 (16-11, 16-15) 26 HC岡山     スコアシート
(日本リーグ)             (岡山県)
  
  戦評:  北陸電力対HC岡山の試合は序盤お互いの乱打戦でほぼ互角の立ち上がりとなった。5−5まで打ち合いは
続いたが、北陸電力の14番瀬戸の機動力を活かした3−2−1DFで守り切り、OFではバックプレーヤーとポストの
コンビネーションプレーで得点を重ね、5連取して10−5までスコアは離れる。対するHC岡山は、15番小西、11番倉藤
を中心とした力強い攻めで得点を重ね、北陸電力の退場を4回作り、流れを変えるチャンスを作るも、数的有利の場面
でも点差を縮めることは出来ずに、北陸電力が要所を粘り、前半のリードを守り切り32−26で北陸電力が逃げ切った。

  

1回戦3    HC岩手 29 (17-11, 12-17) 28 茨城県立藤代紫水高校     スコアシート
(岩手県)              (茨城県)
  
  戦評:  前半はHC岩手のスローオフでスタート。HC岩手が11番佐々木のサイドシュートで先制、藤代紫水は14番青山の
ミドルシュートで応戦。互いに譲らずほぼ互角の立ち上がりとなる。14分過ぎから、HC岩手は、6番高橋のミドルシュート
などで一気に7連続得点を上げ、20分過ぎには13−6と大きくリードする。その後は両チーム共に得点を重ね、17−11
でHC岩手の6点リードで前半を終える。
 後半は、藤代紫水が7番仲永のミドルシュートを皮切りに速攻などで一気に5連続得点で17−16と1点差まで追い上げる。
その後は一進一退の競り合いが続き、20分を過ぎて24−23でHC岩手の1点リードで試合は終盤へ。HC岩手は3連続
得点で3点差まで広げるが、藤代紫水もすぐさま点を返し1点差とする。HC岩手は残り30秒1点差リードでタイムアウト。
藤代紫水はダブルマンツーで勝負に出る。HC岩手のミドルシュートをキーパーが止め速攻まで持って行ったが、キーパーに
阻まれ、一歩及ばず29−28で試合終了となった。

 
  

1回戦4    日本体育大学 36 (14-13, 22-15) 28 HC和歌山     スコアシート
 (学連)                   (和歌山県)
 
  戦評:  日本体育大学のスローオフから始まったこの試合、ほぼ互角の立ち上がりから日本体育大学は一人退場
するもののスピードを活かした攻撃を仕掛ける。前半10分過ぎ、HC和歌山の退場を機に9−5とリードを広げる。
16分過ぎにHC和歌山がセットオフェンスで空いてディフェンスをくずし、着々と得点を重ねて24分に13−12と徐々に
追い詰めていく。27分過ぎHC和歌山の大串がサイドシュートで同点。前半終了間際に比嘉が退場し、14−13と
日本体育大学1点リードで前半を折り返す。
 後半は滑り出しから得点の取り合いになるが、日本体育大学がミスを速攻につなげ、21−18とリードを広げる。
差を詰めたHC和歌山だが、ディフェンスを崩しきれず26−35となる。日本体育大学は、そのまま振り切った。HC
和歌山はミスも重なり主導権を奪えずに終わった。

 
  

1回戦5    早稲田大学 29 (16-13, 13- 9) 22 トヨタ紡織九州レッドインパルス     スコアシート
(学連)                  (佐賀県)
  
  戦評:  ほぼ互角の立ち上がりから、GKの好セーブや速い展開のOF、7番オサンミンの連取などでトヨタ紡織九州
レッドインパルスが立ちあがりリードした。早稲田大学は4番東江・2番川島の個人技で着実に得点を重ね速攻で追い
つくとトヨタ紡織九州レッドインパルスはタイムアウト。悪い流れを断ち切りたかったが20番藤山の負傷交代などもあり、
激しいDFからのFBで勢いに乗った早稲田大学が4点のリードを奪い前半を終えた。
 後半は序盤、両チームミスが多かったが東江のFBでの得点から走って連取した早稲田大学が均衡を破った。トヨタ
紡織九州レッドインパルスも前半に続きテンポの速いOFでポスト・サイド・ミドルシュートなどで得点し食い下がるも途中
出場した早稲田大学11番小畠の連取でさらに勢いに乗り、トヨタ紡織九州レッドインパルスに疲れが見え始めたところを
見逃さず地元愛知高校出身の18番三輪を中心にFBで得点を奪いリードをさらに広げた。11点差になりトヨタ紡織九州
レッドインパルスはタイムアウトでもう一度流れを引き戻したかったが早稲田大学が点差を維持しリードを保ったまま勝利した。

1回戦6    FOG 29 (15-14, 14-10) 24 関西学院大学     スコアシート
(千葉県)            (兵庫県)
  
  戦評:  立ち上がり、FOGがポストシュートやカットインなどエリア際のプレーで一気に4連取し4-0とする。一方、関西学院
大学はディスタンスシュートで対抗しようとするも、FOGのGK田中のダイナミックなキーピングにシュートを阻まれ、なかなか
得点することができない。関西学院大学は8分に9番村田のミドルシュートでようやく1点目を取るが、退場者が出てしまい、
数的有利の状況でしっかりと得点を重ねたFOGがリードを許さない。その後、関西学院大学のディフェンスが徐々に機能し
始め、7番木村が速攻で6連続得点をし、11-11の同点とした。FOGがタイムアウトを要求した後、4連取でリードを守り切り、
15-14で前半を終えた。
 後半、一進一退の競り合いが続いたが、要所で速攻やエリア際のシュートで得点を重ねたFOGがじりじりと点差を広げて
いく。終盤、関西学院大学がディフェンスシステムを3-3ディフェンスに変更して巻き返しを図るも、FOGの勢いを止めることは
できず29-24で試合が終了した。

  

1回戦7    中部大学 36 (15-12, 21-13) 25 氷見クラブ     スコアシート
(愛知県)               (富山県)
  
  戦評:  中部大が先取点を決めると、すかさず氷見クラブも反撃。中部大はポストの5番岡本のサイズを活かしたポスト
プレーで点差を付けるが氷見クラブも3番松原のDSや9番森の連取で喰らいつく。前半13分、タイムアウト後のOFで得点
し主導権を握ろうとした中部大だが氷見クラブが中部大学にペースを握らせまいと取り返した。しかし中盤ミスが続き、
そこを確実に得点につなげた中部大が3点差とする。16番稲積の連取などで再三点差を縮めた氷見クラブだったが、
中部大が点差を守り前半をおえた。
 後半開始直後、15番山崎のBTや16番稲積のPT獲得で勢いに乗る氷見クラブだったが、退場者を出し中部大が再び
リードを広げる。氷見クラブは16番稲積が体を張ったシュートを決めるが中部大も4番田中が確実にシュートを決め続け
リードを保つ。氷見クラブにミスが増えリズムが悪くなったところを中部大が走って得点につなげさらに突き放し勝利した。
  

 

1回戦8    浦和学院高校 44 (24-12, 20- 9) 21 湖陵クラブ     スコアシート
 (埼玉県)                  (北海道)
 
  戦評:  湖陵クラブのスローオフで試合開始、浦和学院5番島田のサイドシュートで先制、湖陵クラブも負けじと
7番稲月のカットインですぐさま同点とする。その後は両チームミスが続き、前半10分で7−6と浦和学院が1点
リードというロースコアな展開に。先に抜けだしたのは浦和学院、15番高野らの速攻で3連続得点。湖陵クラブは
たまらずタイムアウトを取り立て直しを図る。ここから15分間は点数の取り合いになり25分を経過して19−12で
浦和学院のリード。対する湖陵クラブは4番橋本、15番武藤のミドルシュートで応戦するが、勢いづいた浦和学院は
3番山本のミドルシュート、5番島田から4番荒堀へのスカイプレー、2番関根の速攻で突き放し24−12の浦和学院
リードで前半を終えた。
 後半立ち上がり浦和学院1番松澤、湖陵クラブ12番小島両ゴールキーパーの好セーブが光る。両チーム走りあい
の展開に、湖陵クラブのミスを見逃さなかった浦和学院は、速攻とセットOFで確実に加点していく。湖陵クラブも10番
長田の速攻やセットOFで果敢にゴールを狙うが浦和学院GK陣に阻まれるが15番武藤のミドルシュート、13番大和田
のポストシュートで最後まで意地をみせる。浦和学院は交代したメンバーもコート狭しと走り回りまわった。大声援に
後押しされ、ベンチ入りメンバー全員で最後まで足を止めなかった浦和学院が44−21で勝利した。
  

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