平成26年度 第66回全日本総合ハンドボール選手権大会 <女子の部>

< 戦 評 >

1日目(12月25日)  2日目(12月26日)  3日目(12月27日)  最終日(12月28日)


最終日:12月28日(日)

 決勝  オムロン
 
  25 (10- 8, 11-13) 23
(2-0 延長 2-2)
  北國銀行
 
    スコアシート                
     戦評:  前回大会決勝と同じ組み合わせの女子決勝。全日本総合4連覇がかかるオムロンと、今
シーズン好調で第45回大会ぶりの優勝を狙う北國銀行との決勝戦。北國銀行のスローオフで試合
開始。先制点を奪ったのは北國銀行3番鰍場のサイドシュート。オムロンも早いパス回しから7番
藤井、17番東濱のロングシュートで反撃をする。対する北國銀行も4番角南(唯)、17番八十島の
得点で応戦。前半15分を経過してDFが機能し始め、お互いにミスが目立つ展開に。北國銀行の
退場をきっかけにオムロンが数的有利をいかしサイドシュート、ポストシュートで連取、前半25分
10−7とオムロンがリードする。前半残り5分北國銀行は3番鰍場のサイドシュートで2点差に詰め
寄る。オムロンがたまらずタイムアウトを請求するが、ねばる北國銀行DFの前に点を奪うことができ
ない。勢いそのままに攻める北國銀行は7MTを獲得するが、このチャンスをオムロン1番藤間に
阻まれタイムアップ。10−8のオムロンリードで前半を終了した。
 後半開始早々にオムロンが連続退場、チャンスを逃さず北國銀行が同点に追いつく。ここで
オムロンがタイムアウト。両チーム互角の展開になり後半20分17ー17の同点に。緊迫した展開を
先に抜け出したのは北國銀行、9番横嶋(か)、13番横嶋(彩)の得点で19−17とリードするが、
オムロンも17番東濱、5番稲葉の連続得点ですぐさま追いつき21−21で延長へ。
 北國銀行は9番横嶋(か)、14番河田で得点を重ねる。しかしオムロン1番藤間の連続セーブ、
13番勝連、7番藤井のシュートが決まりタイムアップ。オムロンは4連覇達成。両チームの意地が
ぶつかり合った、決勝にふさわしい戦いであった 

3日目:12月27日(土)

 準決勝  北國銀行
 
  22 (11-11, 11- 7) 18   広島メイプルレッズ
 
    スコアシート                
     戦評:  北國銀行のスローオフで試合がスタート。広島メイプルレッズが7番宋のステップシュートで先制
するも、先に流れを掴んだのは北國銀行。14番河田、9番横嶋(か)の得点を皮切りに4連取、試合序盤に
4−1と3点リード。ここでメイプルレッズはたまらずタイムアウト。その後メイプルレッズは2番増田のロング
シュート、9番門谷のサイドシュートで得点を重ねるも、北國銀行もクイックスタートからの速い展開で得点を
重ね、なかなか点差が詰まらない。しかし、メイプルレッズGK1番毛利のファインセーブが目立ち始め、前半
20分とうとう同点に追いつく。その後は一進一退の展開が続き、11-11の同点で前半を折り返す。
 後半もお互い譲らない展開が続く。後半先に流れを掴んだのはメイプルレッズ。19番村松の得点で14-13
とし、この日久々のリードを奪う。そして、後半11分メイプルレッズが16-14と2点リードしたところで北國銀行が
タイムアウト。ここから北國銀行が徐々に流れを押し戻し、後半17分13番横嶋(彩)のパスカットからの速攻で
同点に追いつく。その後、北國銀行は9番横嶋(か)、13番横嶋(彩)を中心に得点を重ね、最終スコア22-18で
決勝進出を決めた。 

 準決勝  オムロン
 
  21 (11- 7, 10- 9) 16   ソニーセミコンダクタ
 
    スコアシート                
     戦評:  オムロンのスローオフで試合が始まり、いきなり17番東濱、7番藤井のロングシュートで2点を
連取。その後も2人を中心にソニーのゴールへ迫る。対するソニーもコートをワイドに使い、サイド、ポスト
への巧みなパスさばきで応戦し、喰らいつく。序盤から両チームの猛攻をどちらも積極的なDFで封じて
いたが、それを確実に速攻につなげて得点を重ねたオムロンが、11−7でリードし前半を終える。
 後半に入り、前半に引き続きソニーはワイドにコートを使い、両サイドシュートで得点を重ね、じわじわと
オムロンを追い詰める。後半11分、ソニーがついに同点に追いつく。しかし後半14分、ここまでソニーの
オフェンスを引っ張ってきた15番安倍が3回目の退場で痛恨の失格。これで勢いを取り戻したオムロンは
怒涛の5連続得点。そのままオムロンが逃げ切り、21−16で決勝へとコマを進めた。 

2日目:12月26日(金)

 準々決勝  北國銀行
 
  34 (16- 3, 18- 7) 10   HC名古屋
 
    スコアシート                
     戦評:  女子2回戦、最後のカードはHC名古屋のスローオフで幕を開けた。立ち上がりこそ、HC名古屋・16番
戸塚のナイスセーブもあり、互いに攻めあぐむ展開となったが、徐々に北國銀行が堅い守りからの速攻で得点を
重ねていく。攻め手のないHC名古屋は前半18分に2枚目のタイムカードを使い流れを変えようと試みる。しかし、
流れは変わらず前半は16−3と北國銀行リードで折り返す。
 後半4分に北國銀行に2分間の退場が与えられる。HC名古屋は、このチャンスをきっかけに流れを掴みたいところ
であったが、5人のDFを相手に攻め切ることができない。後半8分には、HC名古屋、最後のタイムカードを使い切る。
その後もHC名古屋はメンバーチェンジやポジションチェンを含めながら様々な攻撃を仕掛けることで、北國銀行に
数度の退場を与えたえるが、得点につなぐことができない。一方、北國銀行はセットオフェンスでも的を絞らせない
攻撃で点差を広げていく。互いにミスの多い試合であったが、すべての局面で上回った北國銀行が34−10と一度も
主導権を渡すことなく、大差で勝利をおさめた。 

 準々決勝  広島メイプルレッズ
 
  25 (13-11, 12-10) 21   大阪体育大学
 
    スコアシート                
     戦評:  女子2回戦は広島メイプルレッズのスローオフで試合が始まった。試合序盤は一進一退の攻防が続く。
広島は巧みなパス回しから15番高山のポストシュートで得点を取る場面が目立った。大学勢で唯一2回戦へ
進んだ大阪体育大学も、粘り強いDFからの速攻とポストを活かした攻撃で喰らいつくも、広島が13−11で2点
リードし前半を終了した。
 後半、攻撃的なDFからチャンスを掴んだのは広島。1番毛利の好セーブや、7番宋の華麗なバックハンドパスが
光り、後半立ち上がりに5連続得点で試合を優勢に進める。大体大も3番北原のミドルシュートで応戦。試合終盤、
広島の退場をきっかけに、大体大が連続得点で詰め寄るも、最大6点に広がった点差をひっくり返すことができず、
25−21で広島が準決勝へ駒を進めた。 

 準々決勝  ソニーセミコンダクタ
 
  19 ( 8-11, 11- 5) 16   三重バイオレットアイリス
 
    スコアシート                
     戦評:  三重バイオレットアイリスとソニーセミコンダクタの一戦は、両者速いパス回しと体を張った
ディフェンスを中心とした激しい攻防の幕開けとなった。開始10分頃までは両者互角の勝負が続く。
その後リードを得たのは三重であった。三重はソニーにパスミスやファールが続いたところを9番村田の
速攻やサイドシュートを中心に加点した。ソニーはタイムアウトを要求し、その後7番藤田から始まる
3連取があったものの、前半を11対8、三重リードで終えた。
 後半も両者譲らずの展開は継続する。その拮抗した戦いの中では三重GK1番山根の2回の7mスロー
阻止が会場を盛り上げた。その後ソニーが反撃を開始する。激しいオフェンスで三重に退場者が相続き、
後半17分にソニーは14対14の同点に追い付いた。GK12番飛田もポストシュートを好セーブしたりと
守りも引き締まった。そのままソニーの勢いは止まらず、結果は19対16でソニーの勝利。大逆転劇であった。 

 準々決勝  オムロン
 
  30 (18- 2, 12- 4) 6   香川銀行T・H
 
    スコアシート                
     戦評:  女子2回戦は香川銀行のスローオフで前半がスタート。立ち上がりからオムロンがフットワークを
生かした激しいディフェンスから速攻につなげ、好スタートを切った。4分、オムロンに退場者が出たところで
流れが変わりかけるも、香川銀行はチャンスを得点につなげられない。落ち着きを取り戻したオムロンは13番
勝連の速攻を軸に怒涛の攻撃を見せ、16分で11−0と大きくリードした。香川銀行は二度目のタイムアウト
後の17分、2番重信のロングが決まりようやく初得点。その後は一進一退の攻防が続くも、オムロンは20分
過ぎから7番藤井を中心とした多彩なオフェンスで再び7連取。18−2とオムロン大量リードで前半が終了した。
 後半はオムロン・5番稲葉の華麗なバックシュートで幕を開けた。香川銀行はディフェンスラインを下げて後半を
スタートするが、オムロンは落ち着いて対応し、25−2とさらに差を広げた。9分、香川銀行は最後のタイム
アウトを取り、再び高いディフェンスに戻す。すると中盤以降は速攻を軸に互角の展開となる。香川銀行の
スピードのあるオフェンスをオムロンが体を張って守る場面が続いた。終盤、GK1番愛久澤の好セーブなどで
香川銀行が盛り返す場面も見られたが、差は埋まらず、30−6の大差でオムロンが準決勝に進んだ。60分間
集中したオムロンの素晴らしいディフェンスが光るゲームであった。 

1日目:12月25日(木)

 1回戦  HC名古屋
 
  20 ( 8-12, 12- 7) 19   HC和歌山
 
    スコアシート                
     戦評:  試合序盤のペースをつかんだのは、名古屋。8番竹内のサイドシュートを皮切りに連続得点で試合開始5分
4−0と試合を優勢に進める。対する和歌山は、立ち上がりこそ遅れたが、ペナルティスローを含めた8番村坂の4連続
得点や、ポストを活かしたプレーが光り、開始15分で逆転に成功。その後も、試合の流れを渡さない和歌山が12−8で
リードをし前半を終えた。
 後半に入り、ポストを使ったパワープレーとサイドを活かした速攻で得点を重ねる和歌山。地元の声援にこたえたい
名古屋も、和歌山の5番中村に対してマンツーマンDFをつけたことで、流れを掴んだ。速攻を含む5連続得点で粘りを見せ、
最大8点の点差を残り1分で同点に追いつき、ラスト5秒で4番福井のシュートが決まり、20−19で名古屋が逆転する劇的な
幕切れとなった。 

 1回戦  大阪体育大学
 
  28 (16- 8, 12- 9) 17   飛騨高山ブラックブルズ岐阜
 
    スコアシート                
     戦評:  大阪体育大学のスローオフで始まり、序盤から8番佐々木の強烈なロングシュートを中心に試合を優位に
進める。対する飛騨高山ブラックブルズ岐阜も、スピード感のある1対1とポストを絡めた攻撃でくらいつく。徐々に
そのスピードにも慣れてきた大体大は、アグレッシブな牽制の利いた堅い守りから速攻でリードを広げ、前半を16−8
で終える。  
 後半に入り、ブラックブルズはDFシステムを変更。高いDFで両45のロングシュートを封じ込む。積極的なDFを前に
攻めきれない大体大は徐々に勢いを失い、後半は一進一退の攻防が続く。しかし、最後まで素早く粘り強いフット
ワークでブラックブルズの猛攻を防いだ大体大が28−17で勝利を収めた。

 1回戦  三重バイオレット
 アイリス 
  25 (13- 9, 12- 8) 17   大阪教育大学
 
    スコアシート                
     戦評: 試合は立ち上がりから三重バイオレットアイリスのサイドシュートやミドルシュートなどスピード感あるプレーが決まり、
開始8分40秒までに9点を獲得した。たまらず大阪教育大学はタイムアウトを要求。そこから徐々に大教大のDFが機能し
始めた。追い付きたい大教大は2番千葉のシュートや2回のペナルティースローで好機を得たが、三重の1番山根の好セーブ
もあり13対9、三重のリードで前半を終えた。
 後半は大教大優勢のスタート、速攻やロングシュートが決まる。しかし追い付きたい場面でパスやシュートのミスが続き、
差は広がっていってしまう。後半15分時点で21対12になった。その後は三重が大教大のミスを見逃さず、速攻を主に
得点を重ねていった。大阪も離されまいと運動量を落とさず、サイドシュートなどで広がる差をそれ以上許さない。最終
スコアは25対17。最後まで諦めない大阪教育大学と三重バイオレットアイリスのプライドがぶつかった好ゲームだった。

 1回戦  香川銀行T・H
 
  21 (10-10, 11-10) 20   東京女子体育大学
 
    スコアシート                
     戦評:  女子1回戦は香川銀行のスローオフで始まり、14番太田のサイドシュートで先制。序盤は東女体大の
OFでのミスが続き、香川銀行が速攻でペースを掴む。しかし、香川銀行に退場者が出始め、その間に東女体大17番
三田らで4連取。その後は、両チームGKを中心とした堅いDFからの速攻で得点を重ね、10−10で前半を折り返す。
 後半から香川銀行は5−1DFに変え、東女体大のミスを誘い速攻で3連取。東女体大も粘りのあるDFとスピーディーな
OFで喰らつき同点に追い付くものの、香川銀行はリードを許さない。その後もお互いに点を取り合い、東女体大も最後
まで運動量のあるプレーで粘りを見せるが、香川銀行が21−20で接戦を制した。

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