平成24年度 第64回全日本総合ハンドボール選手権大会 <男子の部>
戦評
最終順位
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優勝:湧永製薬 |
2位:トヨタ車体 |
3位:大同特殊鋼・大崎電気 |
決勝
湧永製薬 28 (14-14, 14- 9) 23 トヨタ車体 スコアシート
決勝戦は開始1分トヨタ車体・木切倉がステップシュートで先制。続けて横地のロングシュートが決まるが、次第に湧永製薬のディフェンスが機能し始める。トヨタ車体はGK木下の好セーブを得点に繋げられず、逆にポストを使われて前半20分には湧永が4点のリードをつける。シュートミスが続いた湧永製薬のタイムアウト後、トヨタ車体・木下が好セーブを連発し、石戸の3連続得点などで一気に5点を奪い逆転に成功。湧永製薬もすぐにスカイプレーを志水が止め、14−14で折り返した。
後半は湧永製薬が中浦の連取で2点リードするが、トヨタ車体もすぐに追いつく。その後、トヨタ車体はなかなかチャンスを作れず、シュートも後半から出場したGK松村にはじき出されてしまう。タイムアウト後、落ち着きを取り戻したトヨタ車体は光増のステップシュートなどで追い上げ1点差とするが、湧永製薬は松村の好セーブ、谷村のロングシュートなどで23分またもや4点のリードとする。最後のタイムアウト後、トヨタ車体はディフェンスシステムを変更するが、谷村のロングシュートを止められず、28−23で湧永製薬が8年振り14回目の優勝を手にした。
準決勝
湧永製薬 23 (13-12, 10- 8) 20 大同特殊鋼 スコアシート
大同・野村の連続ミドルシュートで試合が始まる。湧永も新のサイドシュートで得点。大同の高いディフェンスに湧永が攻めきれず、大同のリードで試合が進んだ。湧永も好ディフェンスから速攻が決まり同点に追いつき、カットインシュートも決まり3点リードする。大同も大城のサイドシュートや下村の速攻で点を重ね、GK久保のファインセーブもあり同点に追いついたが、湧永の新のカットインシュート、谷村のロングシュートが決まる。最後に大同も速攻が決まるが、湧永の1点リードで前半終了。
後半早々湧永の連続得点で2点リード。その後両チーム点を重ねる。湧永のすばらしいディフェンスから新の速攻が決まり4点リードとなる。大同GK久保のファインセーブから速攻で点を取り、後半15分湧永の退場で数的優位になり、2点差に詰める。後半23分湧永・古家のミドルシュートで3点差に拡げる。湧永の退場で大同は優位になるが得点できず、3点差で湧永の勝利。
トヨタ車体 28 (13-10, 15-16) 26 大崎電気 スコアシート
昨日第二延長まで闘ったトヨタ車体は、その疲れも見せず、木切倉の功打や鶴谷の速攻などで順調に加点し、10分過ぎまでに6−1と5点差のリードを奪った。17分過ぎにトヨタ車体に退場者が出ると、大崎電気は積極的なDFからボールカットを狙い、たちまち2点差とした。しかし、退場者が戻るとトヨタ車体も落ち着きを取り戻し、逆に大崎電気に退場者が出て、結局3点差でトヨタ車体リードのまま前半を終えた。
後半、大崎電気は宮崎から永島へのポストパスが良く決まり、またトヨタ車体も右サイドから鶴谷が連取するなど、1点を争う好ゲームとなった。速いパスワークから両サイドを広く使うトヨタ車体に対して、中央3人に攻撃が集中する大崎電気はトヨタ車体DFの術中にはまった。トヨタ車体GK木下の好セーブも光り、28−26で勝利した。
準々決勝
大同特殊鋼 31 (15-14, 16-12) 26 大阪体育大学 スコアシート
今大会3試合目の大体大が初戦の大同に挑む一戦。大体大のスローオフで試合開始。
大体大は13番子安のミドルシュートで先制も大同の堅いディフェンスを攻めあぐみ、大同は13番加藤のポストシュートなどで得点を積み重ね、序盤で大同が7−2とリードする。タイムアウトを取った大体大はディフェンスを崩し始め、大同10番岸川の退場を機に、2番植垣のカットイン、さらにディフェンスシステムを変え、速攻で連続得点を挙げ追い上げる。大同は14番千々波のサイドシュートで再び3点差とするが、大体大も5番玉井の速攻などで食らいつき、大同の1点リードで前半を終える。
後半立ち上がり、大体大は1番村上の好セーブからの速攻で2連取し逆転。大同は速攻を中心に得点を重ね再逆転し点差を5点に広げる。大同9番武田が退場すると、大体大は再び点差を縮めるが、12番久保の好セーブから再び点差を広げる。自力に勝る大同が31−26で勝利を収めた。
湧永製薬 32 (18-15, 14-15) 30 トヨタ紡織九州レッドトルネード スコアシート
湧永製薬のスローオフで前半スタート。
湧永製薬はフローター同士の移動からトップスピードで前を狙うスタイル、中浦のステップシュート、谷村のミドルシュートなどで得点する。リードを奪った湧永に対してトヨタ紡織はGK松野を中心にガッチリ守って速攻で追い上げる。11分過ぎに湧永製薬・中浦が退場したところからペースを上げるトヨタ紡織。湧永製薬のオフェンスがポスト今井へパスを入れるのをカットし、連続得点もあって15分過ぎに10−10の同点となる。湧永製薬はタイムアウト後、古家、木村を投入しリズムを変えて再びペースを掴む。トヨタ紡織はセンター石黒から右フローター中畠、左サイドの村上へと左右へずらして追撃し、15−18で折り返す。
後半も前半同様、両チームのスタイル、持ち味を出す展開となる。トヨタ紡織は西端を投入し、ディフェンスの調子を上げて速攻し、19分に25−25と同点に追いつく。しかしその後、湧永製薬GK松村がトヨタ紡織のシュートチャンスを阻み、再び湧永製薬がリードした。トヨタ紡織は粘り強く食い下がるが、力尽き32−30で湧永製薬が勝利した。
トヨタ車体 33 (10-12, 13-11) 31 琉球コラソン スコアシート1、スコアシート2
(3-1 延一 1-3)
(3-2 延二 3-2)
立ち上がりから一進一退の好ゲームで、11分トヨタ車体・高智の退場の間に、琉球コラソン・東長濱の7mT、水野のミドルシュートで2点リードする。トヨタ車体は琉球コラソンの高いディフェンスに攻めあぐね、リズムを掴めないまま琉球コラソン2点リードで前半を終える。
後半に入っても点の取り合いで、13分琉球コラソン二人の退場者が出て、トヨタ車体が3点リードするが、15,16分とトヨタ車体に二人の退場者で琉球コラソンが2点リードする。終了間際に、トヨタ車体が追いつき、延長戦となる。
第一延長でも決着がつかず、第二延長になる。
第二延長で、トヨタ車体・木切倉の4得点で33−31の2点リードで逃げ切る。退場者の多い試合であった。
大崎電気 35 (20-11, 15-20) 31 豊田合成 スコアシート
大崎電気・東長濱のロングシュートによる先制から始まった試合は、高い位置での豊富な運動量によるディフェンスをする大崎電気のペースで進む。大崎電気はロングシュートやサイド、ポストを使った多彩な攻めを見せる。豊田合成は序盤は今村のカットイン、終盤は野田のステップシュートなどで食らいつくも、堅いディフェンスに阻まれ、次第に点差が開いてゆく。大崎電気GK浦和がシュートリバウンドをキャッチしサイドに直接パス。小澤がサイドシュートを決める場面もあり、前半を終わって20−11と大崎電気リードで折り返す。
後半、豊田合成は粘りを見せる。早い展開からのポストシュートや今村の連続得点に大崎電気のシュートミスが重なり、点差が縮まってゆく。大崎電気は石川のミドルシュート、岩永のポストシュートなどで応戦。大崎電気・猪妻の退場、豊田合成・榊原のシュートブロックなどもあり、後半25分には4点差となる。最後は走り合いの展開となったが、35−31で大崎電気が勝利した。
2回戦
大阪体育大学 35 (21-10, 14-19) 29 北陸電力 スコアシート
大体大のスローオフによって開始された前半は、速攻により先取点を奪った大体大が、その後も堅守からの速攻と、多彩なセットオフェンスから着実に加点し、前半21点を奪った。一方リズムに乗りきれなかった北電は、セットオフェンスを中心に加点するが10点にとどまり、大体大の11点リードで前半を終えた。
後半開始後、攻めあぐねている大体大のミスに乗じるなどして北電が猛迫し、後半10分を過ぎたところで25−20と5点までその差を縮めた。その後GKの好守などでリズムを取り戻した大体大が北電との一進一退の攻防を展開し、最後は35−29で勝利を収めた。
トヨタ紡織九州 35 (18-14, 17-19) 33 早稲田大学 スコアシート
早稲田のスローオフで試合開始。
トヨタ紡織は積極的な一線ディフェンス、早稲田は1-2-3ディフェンス。両チームともスピーディな展開でゲームが進むが、開始15分で7−4とトヨタ紡織リード。サイド村上、鈴木の速攻、藤山のミドルシュートで着実に得点するトヨタ紡織に対して、牧山の速攻、東江のロングシュートで対抗する早稲田、前半15分11−9とトヨタ紡織2点リードの互角の展開。ポストに対するファウルでトヨタ紡織栗崎、西端の連続退場の間に点差を詰めたい早稲田であったが、GK松野の好セーブ、藤山のミドルシュートにより18−14のトヨタ紡織リードで前半を終える。
後半、東江のトップディフェンスが機能し、早稲田のペースで試合が展開される。途中出場した石黒のミドルシュート、中畠のカットインでディフェンスを崩すトヨタ紡織に対し、GK半澤の好セーブ、東江、山田のロングシュート、牧山の速攻で追いすがる早稲田、後半28分トヨタ紡織・西端の退場により33−33の同点となるが、直後に早稲田・大久保が退場し34−33。最後まで懸命にプレーする早稲田をトヨタ紡織が守りきり2点差でゲームが終了した。早稲田の健闘が光ったすばらしいゲームであった。
琉球コラソン 31 (17-15, 14-11) 26 日本体育大学 スコアシート
琉球コラソンのスローオフで前半が始まる。
序盤は静かなゲーム展開になった。開始10分が過ぎた時点で6−4琉球コラソン2点リードとなる。その後、琉球コラソンは5番村山、6番東長濱、11番榎本が得点を重ねると、日体大は10番元木、11番藤江、20番平子らが得点を取り、前半は一進一退のゲームとなり17−15琉球コラソン2点リードで終了した。
後半開始直後、琉球コラソン11番榎本が得点を決めると日体大20番平子がシュートを決めるといった前半と同じようなゲーム展開で20分過ぎまで進んでいった。その後、日体大が琉球コラソン6番東長濱にマンツーマンディフェンスを行ったが、力及ばず琉球コラソン31−26の勝利でタイムアップとなった。
豊田合成 33 (14-12, 19-16) 28 中京大学 スコアシート
豊田合成・中島、中京大・岡山のミドルシュート2得点で2−2となったが、お互いパス・シュートミスが多く、ペースを握れないまま14−12豊田合成2点リードで前半を終わる。
後半に入り中京大にシュートミスが続き5分頃から豊田合成が4点リードする。しかし10分2番の退場の間に2点リードとなり、一進一退の展開で進む。21分豊田合成・今村の連続得点でペースを握り、33−25の5点差で豊田合成が逃げ切った。
1回戦
大阪体育大学 36 (16-10, 20-15) 25 トヨタ自動車東日本 スコアシート
大体大のスローオフで試合開始。
大体大が2番植垣のシュートで先制し、その後速攻などで得点を重ね3−0と好スタート。トヨタ自動車東日本は9番吉田のロングシュートや3番遠山のロングシュートで追い上げを図るが、大体大も13番子安の速攻、2番植垣のスカイプレーや5番玉井のミドルシュートなどで得点を重ね、16−10と6点リードで前半を終える。
後半が始まり、トヨタ自動車東日本が13番桑名の速攻で1点を返すが、大体大が5連取し点差を拡げる。トヨタ自動車東日本は17番先前の7mTや、13番桑名のサイドシュートなどで得点するも点差を縮める事ができず、逆に再び速攻などで連取される。粘り強いディフェンスから点数を重ねた大体大が36−25で勝利を収めた。
早稲田大学 21 (10- 8, 11- 9) 17 Honda スコアシート
早稲田のスローオフで前半開始。
早稲田10番のステップシュートで1点目を決め立ち上がる。2番のステップシュートで2点目。Hondaも11番がポストシュートを決める。その後、Hondaに負傷退場者が出て、リズムに乗る早稲田の個人技が勝り、確実に得点を重ねる。Hondaも徐々に早稲田の1・2・3ディフェンスに攻めるリズムを取り戻し、得点を重ねて前半早稲田10−8の2点差で互角の戦いをする。
後半、Hondaの攻撃に対して早稲田が13番にマンツーマンディフェンスをかける。早稲田がこの試合初めての速攻を決め波に乗っていくように見えたが、Hondaも得点し、なかなか差が広がらない。Hondaのディフェンスの動きも良くなり、早稲田もなかなか点差を広げられないで一進一退のゲームとなる。早稲田のベンチが堪らずタイムアウトを取る。タイムアウト後、両チームともノーマークを外し膠着した試合運びとなり、Hondaが15点目を取るが、直後10番が退場となってすぐに、早稲田は同点に追いつく。さらに早稲田は速攻で1点をリードし、Hondaがノーマークシュートを外し、残り3分で早稲田は3点差になるシュートを決める。Hondaが17点目のシュートで応戦するが、4点差で早稲田が勝利する。
日本体育大学 38 (20-13, 18-14) 27 長崎社中 スコアシート
長崎社中のスローオフで試合開始。
日体大が元木の速攻で先取点を挙げるが、長崎社中もエース三宅の連続得点ですぐに逆転。序盤は、リードする長崎社中を日体大が追いかける展開になるが、中盤より日体大の速攻が出始め、一気に3点リードをする。長崎社中もタイムアウトを取り流れを引き戻そうとするが、日体大のスピードある攻撃が冴え、20−13の7点リードで前半を終える。
後半も左腕相川のサイドや三宅のミドル、カットインで応戦する長崎社中だが、日体大のスピードは衰えず、点差は縮まらなかった。メンバーを変える余裕を見せ、日体大が勝利した。
中京大学 25 ( 7-12, 18-12) 24 HC岐阜 スコアシート
前半はHC岐阜のスローオフでスタート。
HC岐阜と中京大の1回戦、お互いのチームのプレー、戦術を知っているのか手の内を探り合うような静かな立ち上がりとなった。中京大・岡山がステップシュートを決めれば、HC岐阜・伊藤もステップシュートを決め返す。HG岐阜GK田平が好セーブを見せれば、負けじと中京大GK田村も好セーブ。一進一退の展開からHG岐阜・宮崎のシュートが決まりだし、16分過ぎにHG岐阜が3点リードの6−3になったところで、中京大がタイムアウト。その後もHC岐阜・宮崎の7mTなどで前半はHC岐阜12−7リードで終了。
後半も序盤は中京大・中野がミドルシュートを決めれば、HC岐阜・宮崎も決める。中京大・野村のサイドディフェンスからの素早い速攻が徐々に機能し、16分過ぎに12−15と追い上げたところでHC岐阜はタイムアウト。これで流れを止めようとするが、少し足が止まりだしたHC岐阜のオフェンスを守りきり、速攻に持ち込む。HC岐阜・下川のカットから速攻で近藤がシュートを決める。またHC岐阜・名嘉の技ありシュートなど最後まで粘りを見せたが、中京大の速攻が光った後半、最終的に25−24で中京大の逆転勝利であった。
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