< 5th Asian Men's Youth Handball Championship >

(Qualification for Men's Youth World Championship , Hungary 2013)

<<第5回男子ユースアジア選手権 戦評>>

予選ラウンド : 9月6日   9月7日   9月8日   9月10日   9月11日

決勝ラウンド : 9月13日   9月15日


9月15日(土)

決 勝 戦
日本  24 (13-14, 11-14) 28  カタール
B2位                    B1位
    戦評
  世界選手権への出場権を獲得し,未来への1ページという次なる目標に向けて臨んだ決勝戦。相手は
予選リーグで苦杯をなめたカタール。午前,午後の2回のミーティングで相手に対する戦い方と,今まで積み
上げてきたことの確認をし試合に臨んだ日本チーム。
 キャプテン助安,玉川をDF中央に配置し,今野をサイドに置く準決勝までとは違ったスターティングメンバー
でスローオフ。立ち上がり先取点を許すも,徳田のミドル,今野のサイド,助安の2連続ポストで4連取。4−1
と好スタートを切る。その後,高さのある相手5−1DFを攻めあぐみ4−7とリードを許す。ここで日本はタイム
アウト。ここから6−7,7−9など常に退場者を出し,一人少ない状況ながらも食らいついていく。ここで斉藤が
3回目の退場でレッドカード。苦しい戦いを強いられる。その後は一進一退の攻防が続く。田中の7m,徳田の
ミドルシュートで粘り強く戦い,前半を13−14の1点ビハインドで折り返す。
 ハーフタイムでクロスアタックDF,3−2−1DFで仕掛けることをゲームプランとして持つことを確認。後半戦に
臨む。立ち上がりはお互い守り合いの展開から金内の闘志溢れるDFから徳田,玉川らがよく走り17−16と後
半10分で逆転。ここで相手チームのタイムアウト。18−17からノーマークシュートミスが出始め,体格のある
選手に打ち込まれるなど試合の流れをつかめず18−23と5点のビハインド。タイムアウト後3−2−1や変則
5−1などDFシステムを変え,藤,徳田,田中らの速攻で得点を重ねるものの,相手大型BPに最後は打ち込ま
れ24−28で試合終了。2位で全日程を終了した。
 試合前から多くの在留日本人の方々が手作りで選手1人1人の名前の入ったプラカードを掲げ,小さな子供達が
日の丸の国旗を手に「ニッポン!ニッポン!」と力強く応援して下さった。試合後は「準優勝おめでとう」「感動をあり
がとう」など手作りの横断幕が掲げられ,選手はあらためて感謝の気持ちと,世界選手権に向けてさらなる精進を
心に刻み込んだはずである。閉会式後も応援にかけつけて下さった方々と記念撮影をし,全員で整列し,御礼の
言葉を述べるなどたくさんの思いを胸にこの大会を終えた。「ハンガリーにも応援に行きます」そういって下さった
方々や,未来を夢見る子供達の前で,最後まで諦めず,食らいついた選手は立派であった。この大会で体験できた
ことを糧に世界選手権に向けさらなる精進をしたい。

 
個人得点: 徳田:9点、田中:5点、助安:4点、藤・今野:2点、相澤・玉川:1点

9月13日(木)

準決勝
日本  34 (15-16, 14-13) 33  バーレーン
B2位     (2-1 延長 3-3)    A1位
    戦評
   「歴史を変えよう」「世界への扉をこじ開けよう」とミーティングで話し,この場に立てること,親,恩師,仲間,
たくさんの支えて下さった方々への感謝の気持ちを胸に戦うことを誓い合い準決勝バーレーン戦に臨んだ日本。
相手はホームチームのバーレーン。
 試合前から警備員が配置され,会場は地元の人で埋め尽くされるなど異様な雰囲気が漂う中,在留日本人の
方々が50人も国旗を振りながら応援にかけつけて下さり試合前から会場は異常な盛り上がりを見せる。
 立ち上がり,バーレーンに2点を先取されるも田中,徳田で同点とし落ち着きを取り戻した日本。ポスト,カットイン
での失点は最小限に抑えるもコンタクトしながらのミドルシュートに苦しめられ,玉川,徳田の速攻,田中のクイックス
タートからの得点で点数は取れるもののなかなかリードが奪えず一進一退の攻防が続き1点ビハインドで前半を終了。
 ハーフタイムでハードに守ってシンプルに攻めること,残り30分思いを胸に魂を込めて戦うことを確認し後半に突入。
田中の7m,玉川のポストで対抗するも,攻撃でイージーなミスを相手に拾われ速攻で3連取されるなど試合の流れは
一気にバーレーンに。相手退場時に徳田の個人技,相澤のカットインで3点差まで詰め寄るもなかなか点差が縮まらず
残り15分,20−25と,この試合最大の5点差がついてしまう。ここで日本は田中をトップに置く変則5−1DFを仕掛ける
相手攻撃の足が止まった時間帯,徳田の速攻,玉川のポスト,西出の7m阻止,GK友兼の好セーブで一気に流れを
引き寄せ田中の7mで27−27の同点に。ここから27−28とリードされるも徳田のミドルで28−28,残り90秒玉川の
ポストで29−28。相手の気迫のこもったミドルで29−29。
 試合は延長戦に突入。盛り上がる試合に会場のボルテージは最高潮に。一人一人が思いを胸に倒れるぐらいの気持ち
で臨もうとコートに立った日本。延長前半,田中の5−1DFが冴えを見せ,得意の速攻で徳田,藤らがよく走り,31−30と
リードを奪う。
 延長後半,日本は一気に徳田,玉川,藤の速攻で突き放し34−31ととリードを奪うも,相手も粘りを見せ残り15秒1点
リードで相手ボール。必死に相手攻撃をしのぎノータイムフリースローへ。相手のシュートをGK友兼が阻止し,1点差で試合
終了。
 選手・スタッフは皆抱き合いながら大粒の涙を流し,コート中央で歓喜のスクラム。応援にかけつけて下さった方々,小さな
子供達まで涙を流して下さっている目の前で監督の胴上げ。その後も近森団長はじめスタッフが高々と宙を舞い,まるで会
場はホームのような雰囲気。最高の舞台で,最高の勝ち方ができる選手達の笑顔と涙が印象的であった。応援にかけつけて
下さった日本人の方々と試合後笑顔で握手を交わす選手・スタッフ。「ニッポン!ニッポン!!」の大声援が選手の背中を強く
押して下さった。
 これで日本は世界選手権大会への切符を獲得。明日は準決勝で韓国を下したカタール。予選リーグのリベンジを果たし
「アジアチャンピオン」を目標によい準備がしたい。


 
個人得点: 徳田:13点、田中:7点、藤・玉川:5点、斉藤:3点、相澤:1点

9月11日(火)

日本  35 (19- 7, 16- 8) 15  クウェート
4勝1敗                  1勝4敗
    戦評
  カタールに敗れたものの,ミーティングと午前中のトレーニングで,今まで積み重ねてきたことを確認し,
勢いをつけて準決勝に進出することを目的に,予選ラウンド最終戦に臨む。
 立ち上がりから6−0DFが機能し,守って走る「らしさ」を取り戻した日本は徳田,田中,藤,玉川らで一気に7−2と
リードする。斉藤,岡松の闘志溢れるDFもさらにチームを勢いづけ,中盤以降も簡単に失点を許さず前半を19−7で
折り返す。
 ハーフタイムでDFの再チェックとゲームの流れを確認し後半に突入。田中の得点からさらにリードを広げ,途中から
メンバーを入れ替える。その後も変わった今野,安倍,助安,相澤が次々に得点を重ね,屋比久のスカイプレーも
決まるなどいいムードで試合終了を迎えた。
 1試合を通して大型選手に強い気持ちでコンタクトできたDF,ボールを奪ってから一気に相手コートに攻め込む速攻,
ミスの少ない狙い通りのセットオフェンス,チームの団結力が準決勝への大きな弾みをつけた。いよいよバーレーンとの
準決勝。日々応援にかけつけて下さる現地日本人の方々,日本で応援して下さる方々,支えて下さっている方々への
感謝の気持ちを込め,世界選手権の切符獲得に向けチーム一丸となって臨みたい。


 
個人得点: 徳田:10点、田中:7点、藤:6点・玉川:4点、今野:2点、助安・相澤・斉藤・岡松・安倍・屋比久:1点

9月10日(月)

日本  25 (13-12, 12-18) 30  カタール
3勝1敗                  4勝
    戦評
 ここまで強い団結力で3連勝。全勝同士の大一番は登録選手16名中13名がロシアやチュニジア,アフリカ
などからの大型帰化選手を揃えたカタール。
 ミーティングで徹底した対策を練り試合に臨んだ日本は立ち上がりからDFで2m近い2人のBPとポストに
苦しむも,カットイン,サイド,クイックスタートからの田中,徳田,藤,斉藤らの得点で3点のリードを保ち続ける。
ポスト・カットインは最小限に食い止めるも10〜12m付近からの豪快なロングシュートを止められず,終盤
追いつかれ13−12で折り返す。
 ハーフタイムでゴールポスト幅からのロングシュートへの対応とOF戦術を確認し臨んだ後半。体格をフルに活
かし,力任せにプレーしてくるカタールにさらに点差を開けられ6点リードを許す。その後も今野のゲームメイクから
徳田,安倍,相澤らが加点するもなかなか点差を縮めるには至らず,5点差で敗れた。
 今まで体験したことのない大型選手との戦いに敗れたが,最後まで諦めず,気迫のこもったプレーを見せた選手
達は試合後ロッカールームで悔し泣き。熱い気持ちを持ち戦い続け,明日からの試合に向け気持ちを切り替えたい。
敗れはしたが,この時点で準決勝進出を決め,対戦相手は逆グループ1位のバーレーンに決定。明日のクエート戦
で勢いを取り戻し,いいムードで準決勝に臨み,2枠の世界ユース選手権出場を決められるよう最大限の努力
をしたい。

 
個人得点: 徳田:8点、田中:6点、藤・相澤:3点、斉藤・岡松:2点、安倍:1点

9月8日(土)

日本  34 (17- 7, 17- 5) 12  オマーン
3勝                    3敗
    戦評
 2連勝と勢いに乗る日本はオマーンに先制点を許すも,固いDFから玉川,藤らが速攻でよく走り
2−2の同点から一気に8連取。10−2とリードを奪う。その後も手堅くゲームを運び17−7と10点
リードで折り返す。相手の攻撃時間が長いため,攻撃回数が少なくなる,1点ずつしっかり守り確実に
得点することを確認し,後半に臨む。
 後半はスタートからメンバーを入れ替え,金内,助安がよく走り,安倍,今野,相澤らも着実に加点。
GK西出も後半残り15分間を1失点で抑えるなど力を発揮し34−12で勝利した。
 体格のある中東勢との連戦が続く中,主力を温存し休息日を迎えられたことが大きい。現地日本人の
方々も毎日駆けつけ大きな声援を下さっている。コンディションを整え,カタールとの全勝対決にチーム
一丸となって臨みたい。


 
個人得点: 藤:6点、玉川:5点、安倍:4点、楳木・徳田:3点、斉藤・岡松・金内・田中・相澤:2点、
        今野・助安・屋比久:1点

9月7日(金)

日本  38 (18- 9, 20- 6) 15  イラク
2勝                    1勝1敗
    戦評
 クゥエートに歴史的勝利をし勢いに乗るイラクとの第2戦。日本はミーティングおよび午前のトレーニングで
相手5−1DFに対するOF戦術を確認しゲームに臨む。
 立ち上がりから闘志溢れるDFとGK柿崎のセーブから速攻で相手に襲いかかり徳田,玉川らで6−1と好
スタートを切る。その後も9mエリアをしっかり守るDFで相手攻撃を最小限に食い止め,攻めては田中のカット
イン,岡松,斉藤のサイドシュート等で前半を18−9で折り返す。
 後半立ち上がりもDFの足がよく動き,攻撃も手を緩めず23−11から藤,中井,今野らの速攻で怒濤の9連取。
相手の戦意も喪失し,西出の好セーブ,金内のポストも決まり38−15で勝利した。
 タフなゲームが予想されたがDF・OF・速攻ともやるべきことをきっちりやり日本らしさを出せたゲームであった。
チームのムードもよく,現地日本人の方々の熱い応援と日本で応援して下さっている方々の思いを胸に次の
オマーン戦も魂を込めて戦いたい。

 
個人得点: 徳田:10点、田中・藤:5点、岡松:4点、玉川・今野:3点、斉藤・中井・相澤:2点、
        金内・安倍:1点

9月6日(木)

日本  32 (15-14, 17-12) 26  サウジアラビア
1勝                    1敗
    戦評
 トレーニングマッチ2試合で中東選手に対する戦い方を選手なりにつかみ,「こうすればやれる」と
いう強い気持ちを持って臨んだ第1戦。
 立ち上がりから日本は徳田のミドル,カットイン,玉川のポストで得点を重ね,守っては中央を守る
岡松,玉川のスイッチDFが見事に機能し5−2とリードを奪う。相手タイムアウト後も守って走る日本
らしい戦い方で中盤までに10−6と優位に試合を運ぶ。終盤,退場者が出る間に相手チームに連続
失点をくらい,15−14の1点リードで前半終了。
 ハーフタイムでハードに守りシンプルに攻めること,DFを寄せてできた広いスペースを強い1:1で攻
撃することを確認し後半に入る。
 後半立ち上がり日本は素晴らしいスタートダッシュに成功。玉川のポスト,徳田,藤のカットインで3連
取後も流れを相手に渡さず安倍,徳田,相澤らで得点を重ね残り5分6点リード。プレスDFを仕掛けら
れるも落ち着いてゲームを運び32−26で初戦をものにした。
 ルーズボールを相手に1度も渡さないボールへの執念と苦しい場面で7mスローを4本中3本阻止した
西出の活躍も光った。第2戦はクゥエートに勝利したイラクとのタフな試合が予想される。連戦が続く
が魂を込め,日本で応援して下さる方々の思いを胸に全力で臨みたい。
 
個人得点: 田中:9点、徳田:8点、玉川:5点、藤:4点、安倍:3点、斉藤・岡松・相澤:1点

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