鋭いミドルシュートで3得点を挙げた佐々木春乃第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)ハンドボール競技の女子最終日となった9月27日(日)、女子日本代表「おりひめジャパン」は豊田合成記念体育館 エントリオ(愛知県稲沢市)で、同じく無敗の韓国と対戦しました。チケットは車いす席を除いて完売し、会場には試合前から「ニッポン」の声援が響きました。
前半を12-16で折り返した女子代表は、23-27で敗れ、5勝1敗で銀メダルを獲得しました。後半は2点差まで詰め寄る粘りを見せましたが、韓国GKの好セーブに阻まれ、逆転には至りませんでした。
試合後の表彰式では、選手たちに銀メダルが授与されました。

試合結果
| チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
| 日本 | 12 | 11 | 23 |
| 韓国 | 16 | 11 | 27 |
● 大会:第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)ハンドボール競技 女子ラウンド
● 日時:2026年9月27日(日)18:00
● 会場:豊田合成記念体育館 エントリオ(愛知県稲沢市)
● 日本の最終成績:5勝1敗(2位・銀メダル)
この試合のポイント
● チケット完売の会場の大声援を背に、後半は2点差まで追い上げる
● 好セーブを連発した韓国GKに阻まれ、決め切れない時間帯が続く
● グレイ クレア フランシスが7mスロー3本を含むチーム最多6得点
戦況レポート
前半 12-16
金城ありさが獲得した7mスローを相澤菜月が決めて先制した日本。会場の大声援に後押しされますが、好セーブを連発する韓国GKが立ちはだかり、中盤はリードを許す展開。GK亀谷さくらのセーブから相澤が速攻を決めて9-10と1点差に迫るものの、その後も相手GKの壁を破れず、攻撃のミスも重なって9-13と離され、12-16で後半へ。
7mスローを決めて先制点を挙げた相澤菜月後半 11-11
後半は7人攻撃も織り交ぜ、グレイ クレア フランシスが7mスロー3本を含む5得点で追い上げを図る日本。粘り強いディフェンスで会場を沸かせるものの、韓国GKの好セーブと堅い守りに阻まれて8分間無得点となり、18-23と5点差に。中山佳穂のスカイプレーで反撃に転じ、GK亀谷さくらのエンプティゴールで22-24と2点差まで詰め寄りましたが、そこから流れをつかみ切れず、23-27で試合終了。
全員でつないだボールを右サイドから決めた金城ありさ個人成績
得点| No. | 選手名 | 得点 | シュート数 |
| 3 | 初見 実椰子 | 1 | 1 |
| 5 | 金城 ありさ | 1 | 1 |
| 13 | 中山 佳穂 | 2 | 5 |
| 19 | 佐原 奈生子 | 2 | 5 |
| 21 | 和田 薫 | - | - |
| 23 | 相澤 菜月 | 2 | 4 |
| 27 | 藤田 明日香 | 1 | 3 |
| 30 | 亀谷 さくら | 1 | 1 |
| 32 | 佐々木 春乃 | 3 | 6 |
| 37 | 松浦 未南 | 2 | 2 |
| 39 | グレイ クレア フランシス | 6 | 9 |
| 51 | 吉留 有紀 | 2 | 6 |
| 65 | 中尾 藍 | - | - |
| 77 | 上嶋 亜樹 | - | - |
| 84 | 比嘉 楓 | - | - |
| 89 | 石川 空 | - | - |
ゴールキーパー| No. | 選手名 | セーブ数 | 被シュート | セーブ率 |
| 30 | 亀谷 さくら | 11 | 34 | 32% |
| 77 | 上嶋 亜樹 | - | - | - |
| 84 | 比嘉 楓 | 0 | 1 | 0% |
※記録は大会公式リザルトによります。「-」は記録なし。チームスタッツの詳細は上記の公式記録をご覧ください。監督・選手コメント
モーテン・ソウバク監督「もちろん、とても残念です。勝って、もう一度優勝できると思っていました。主な原因は、フリーのシュートを外しすぎたことと、このレベルにしてはテクニカルミスが多すぎたことです。それで難しい試合になりました。失点の27は受け入れられますが、オフェンスはもっと良くならなければいけません。
日本と韓国は2大ライバルです。アジア選手権やアジア競技大会の歴史を見れば、女子では韓国が長い間、アジアをリードしてきたことが分かります。私たちもその争いの一角でありたいですし、アジア競技大会でも勝ちたかった。今日は韓国の方が上でした。韓国の勝利に、おめでとうと言いたいです。
技術面をもっと引き上げなければいけません。韓国はフィジカルでも私たちより強いですが、それには慣れています。ヨーロッパのチームと戦うときも、相手の方がフィジカルは強い。だからこそ別の解決策を見つける必要があり、今日も実際に解決策は見つけられていました。そこに不満はありません。ただ、オフェンスの効率を今日より高めなければいけません。」
相澤 菜月キャプテン(BP/Thüringer HC・ドイツ)「私たちのシュートが悪かったのが、一番の敗因かなと思います。後半はディフェンスを修正できていましたし、すごくいい戦いだったと思います。短い期間でしたが、みんなで一緒に合宿をしてトレーニングすることの大事さを、この経験を通して一人一人が理解したと思うので、個人技術のところも含めて、次の合宿やアジア選手権、オリンピック予選に向けて積み重ねていけたらいいなと思います。
前半は私自身もミスが増えてしまいました。1対1に行くと、どうしてもディフェンスとの距離が近くなってしまいます。相手もディフェンスがうまいので、切り返しやパスで素早くゴールを狙うには、ちょっと近すぎたかなと。ミスは日本代表の課題の一つに挙げられていることなので、それを自らやってしまったのは悔しいですが、次はしないように改善できたらと思います。
たくさんのスタッフの方も、周りから応援しているよと言ってくださって、自分たちも身を引き締めて頑張らないといけないなと感じた大会だったので、とてもありがたいと思います。
本当に多くの方に来場していただきました。私たちの一つ前の試合で、小学生や幼稚園生がたくさん来てすごく応援してくれていたのもSNSで見ましたし、最後に感謝を伝えるために会場を一周したときには、「ハンドボールって面白いね」と声をかけてくださった方もいました。初めてハンドボールを見た方たちに何か届けられていたらいいなと思いますし、ハンドボールが日本の中でもっともっと大きくなっていったらいいなと感じました。韓国の声援もすごかったですが、それに負けないくらい日本の声援もたくさんあって、すごくうれしかったです。」
初見 実椰子選手(PV/三重バイオレットアイリス)「限られた時間を与えられている中で、短い時間でも自分のプレーや、やるべき仕事をしようと意識して臨んだ大会でした。チームのやるべきことに貢献できたかなと、自分の中では思います。
全員がそろって練習できていない割には、相手が勢いをつけたいときに、その火を消すようなディフェンスができたり、詰める部分もあったので、それはいい収穫だったと思います。チームとしてやることが明確だったので、各ポジションがやることを徹底して、大きなずれや崩れもなく戦えたかなと思います。
リーグ前の大事な期間にチームを抜けて参加しているので、チームにも迷惑をかけていると思いますが、チーム全体が快く送り出してくれました。もちろん金メダルを持って帰りたかったですが、この大会で経験したことを持ち帰って、還元していきたいです。」
金城 ありさ選手(RW/三陟市庁・韓国)「世界選手権では出場機会が少なく、そこで自分の課題に気づかされて練習してきました。今大会はスタメンを取られたくないし、結果を残したいという気持ちで臨みました。これまでは2番手での出場が多かったのですが、今回スタートで出られたことは自信になりました。これからもスタメンを維持できるように努力していきたいです。
アジア選手権で優勝して、今回負けたのはすごく悔しいです。ただ、これがオリンピック予選でなくて良かったとも思うので、自分もチーム全体も切り替えて、次のアジア選手権では圧倒的な差をつけて優勝し、オリンピック予選につなげたいです。
韓国代表には同じチームでプレーしている選手もいて、お互いに分かり合っているところもありますが、手の内を知られているからできない、ではなく、それをもっと超えられる選手になっていきたいです。」
藤田 明日香選手(RW/CS Gloria 2018 Bistrița-Năsăud・ルーマニア)「シュートミスが多かったのと、イージーミスや連携のミスが結構ありました。そこはチームとしての課題だと思います。
海外でプレーするみんなが集まれるのはいいことなんですけど、なかなかぐっと作り込めないところはあります。今回の大会は、試合の中で合わせていく形になりました。
このアジア大会を、次のアジア選手権につなげていけたらと思います。この負けも経験につながると思うので、今から修正して、アジア選手権に向けてやっていきたいです。」
亀谷 さくら選手(GK/CSM Slatina・ルーマニア)「試合の大半は、ディフェンスでよく守れていたと思います。みんな本当によく頑張って、長い時間、粘り強く守っていました。22-24から1点差に詰めるチャンスもありましたが、そこで決め切れず、22-25になったところで勝負が決まってしまいました。
今日はオフェンスの問題だったと思います。シュートはもっと正確でなければいけません。ヨーロッパのチームに勝ちたいなら、オフェンスで決めるべきチャンスを100%決め切ることが必要です。
今もモチベーションはあります。ハンドボールは楽しいですし、新しい国、新しいリーグに移ることは、自分に挑戦し続けるモチベーションになります。体よりもモチベーションの問題なので、モチベーションがある限り、「ノー」とは言いません。」
佐々木 春乃選手(BP/Frisch Auf Göppingen・ドイツ)「日本の応援の声がすごく聞こえてきて、力になりましたし、試合をしていて楽しかったです。
ドイツに行ってから、ロングシュートだけでなく、1対1や相手との距離が近いところで、早いタイミングでずらすプレーを磨いてきました。今日は攻撃を任された部分が大きく、ミスもありましたが、シュートまでは比較的いい攻撃ができたと思います。
キャプテンだけに任せるのではなく、チーム全体で意見を出し合うことが大事だと思います。前半の最初は話しながらできていましたが、後半の最後はキャプテン一人に考えさせてしまった部分がありました。相手が5人のときにどう攻撃を組み立てるかも、今日はうまくできませんでした。
今日一番出た課題は、フリーのシュートを決め切るところだと思うので、所属チームに戻って確率を上げていくことが、みんなの最優先だと思います。アジア選手権もオリンピック予選も準備期間が短いかもしれないので、代表に合流したら短い時間でも全員が100%を出せるチームにしたいです。
前回のパリ・オリンピック予選では、1点差で韓国に負けてしまいました。自力でオリンピックに出ることは、今後の日本にとってもすごく大事なことですし、日本ハンドボールの歴史をつくっていく第一歩になると思います。チームとしても個人としてもしっかり準備して、ライバルに勝ち切って決めたいです。
普段はヨーロッパでプレーしていて、日本のファンの皆さんの前でプレーする機会がなかなかないので、日本でプレーできて本当に楽しかったです。応援ありがとうございました。」
比嘉 楓選手(GK/香川銀行GiraSol kagawa)「試合に出られない悔しさもありましたが、それ以上に(亀谷)さくらさんから得られる学びや経験が多くありました。結果は銀メダルでしたが、自分としては一つ成長できた大会になったと思います。こうした大きな大会にトップの代表として参加して、やっぱりハンドボールは楽しいなと思いました。少しでも試合に出られるように、所属チームに戻って自分の課題にしっかり向き合い、次のアジア選手権に選ばれるように頑張りたいです。」
※モーテン・ソウバク監督と亀谷さくら選手のコメントは、英語での取材を日本語に訳したものです。
※コメントはインタビューでき次第、随時追加。今大会の6試合
| 日付 | 対戦 | スコア |
| 9月19日(土) | ベトナム | ○ 40-14 |
| 9月20日(日) | ウズベキスタン | ○ 43-12 |
| 9月22日(火・休) | ホンコン・チャイナ | ○ 39-16 |
| 9月23日(水・祝) | 中国 | ○ 33-27 |
| 9月25日(金) | カザフスタン | ○ 39-24 |
| 9月27日(日) | 韓国 | ● 23-27 |
開幕から5連勝で最終戦を迎え、2連覇には届きませんでしたが、銀メダルを獲得しました。
来年に予定されているロサンゼルス・オリンピックのアジア予選に向けて、次につながる課題が見えた一戦となりました。年内に開催予定の女子アジア選手権でも、韓国と対戦する可能性があります。会場や配信を通じた大きなご声援、ありがとうございました。
今大会の記録
● 初見 実椰子選手が、この試合で国際試合通算50試合出場を達成しました。
フォトギャラリー

試合映像
この試合のアーカイブ映像は、動画配信サービス
「U-NEXT」でご覧いただけます。
男子代表は9月28日に準決勝
男子日本代表「彗星JAPAN」は、9月28日(月)15:00から、同会場(エントリオ)でバーレーンとの準決勝に臨みます。この試合は、動画配信サービス「U-NEXT」でライブ配信されます。会場の応援が、選手の力になります。ぜひ会場で声援を届けてください。
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