<機関誌2011年5月号巻頭言>


「復活!! 日本」



                (財)日本ハンドボール協会副会長      多田 博 


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 先ず始めに、今なお東日本大震災により被害を受け、大変な生活を強いられている方々
に心からお見舞い申し上げます。また、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し
上げます。ハンドボールの仲間の中にも被害に遭われた方々がおられ、その関係者も含め
お見舞い申し上げますとともに、早い復興をお祈りいたします。

 復活!! 日本 は、6月に予定されていた「ジャパンカップ」のキャッチフレーズ
です。それに因み、思う所を述べさせていただきます。

 日本はこれまで、国の存続を問われるような過酷な状況に何度もあってきました。

 小さな国土で資源もない日本ですが、世界の中で生き残って来られたのは、日本人の持
つ前向きに問題を解決する特質と徳育の高さが、日本を何度もあった苦難を乗り越えて、
常に新しいより良い状況に導いてきたのだと思います。

 今回の大震災でも、テレビで報道された東北地方の被害者の方々の態度は、我々日本人
でも感動いたしました。大きな被害を受けている方々が、自分よりもまだ被害のある方の
事を思い譲ろうとするその姿を世界中の人が見て、何故日本人はあの混乱の中であんなに
優しく振舞えるのかと驚き称賛をしています。東北の方々の態度は日本人の原点だと思い
ます。日本では昔より「和」を尊ぶ精神が醸成されています。東日本大震災は未曾有とい
われる規模のものでありましたが、それとて日本人の特質である前向きに解決する力とお
互いを思いやり「和」の精神で纏まりあう力で、日本はこれからの復興復活を確実に実行
すると確信しています。

 さあ これからです。 復活!! 日本

 日本ハンドボールは、「1988年ソウル大会」以来オリンピックに出場していません。

 今年10月に、「2012年ロンドン大会出場」をかけて、男子は韓国で、女子は中国でアジア地
区のオリンピック予選大会が開催されます。アジアから一カ国しか出場枠が無い以上、優
勝するしかオリンピック出場が果たせません。

 この4年間、前回北京オリンピック出場を逸して以来、日本ハンドボール協会はベクト
ルを強化に集中し、ロンドンオリンピック出場に方向を合わせてきました。日本代表チー
ムは、これまでこれに備えて猛練習をしてきております。昨年9月のアジア大会では、男
子は惜しくも準決勝で敗退し3位でした。女子は、準決勝で宿敵韓国に勝って決勝戦に臨
むも予定外の中国に敗れ準優勝でした。

 現在、男子・女子共に日本代表チームはオリンピック出場に手の届く所まで来ています。

 今年こそ、日本人固有の国難にあたって前向きに解決する力と「和」の精神で纏まり、
全力を出す特質を生かした日本独特の戦い方で、予選を勝ち抜きオリンピック出場を果た
し、震災の影響で少し暗くなっている日本を元気づけてほしいと思います。

 復活!! 日本



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2011年5月号より転載