<機関誌2011年1・2月号巻頭言>


「いよいよ決戦の年!!」



                (財)日本ハンドボール協会専務理事     川上 憲太 


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 皆様、明けましておめでとうございます。このメッセージが皆様に届く頃には、1月の
男子世界選手権の結果がすでに出ていることと思います。

 2008年から3年間に亘り全日本男子・酒巻監督が「世界で、アジアで勝つにはまず
フイジカル強化だ」として、かたくなに取り組んでいるのがフィジカルトレーニングです。
これは「高くて、重たくて、スピード」のある世界、アジアのハンドボールに勝ち抜く基
本的な部分です。これをベースにまずはきちんと守れなければ勝機はつかめないのです。
『しっかり守って、速攻』が全曰本男子の勝ちパターンです。60分間、全力で一瞬のスキ
も無く全員で守り抜いて相手の攻撃をブレイクし、速攻で点を取る、まさに「肉を切らせ
て骨を断つ」ような覚悟で挑まないといけません。アジアの各国の実力は紙一重だと思っ
ています。ほんのちょっとした緩みが勝敗を分けることになります。ロンドンオリンピッ
クの切符は、この気力・体力・集中力の集結で勝ち取るものだと思います。

「人が動く、ボールが動く」全曰本女子・黄監督が掲げたこの3年間の指針が結果に結び
ついてきています。アジア競技大会、アジア選手権での「アジアNO.1になる」為のチーム
の追い込み、采配には決戦の日ヘの手応えを感じさせるところです。

 ロンドンオリンピック予選は、今年の10月に女子は中国、男子は韓国で開催されます。
男女とも、もう1枚、2枚の台頭してくる選手を加えてあと8ケ月、徹底したトレーニン
グを積み重ねないといけません。男子においては、「ヨーロッパ、中東、韓国、中国」と、
どんどん国外での合宿を重ねること、女子においても「高さ・スピード」に対する対策を
更に充実させ、「カザフスタン、中国への対策」を含めて、究極の目標に向かって邁進し
て欲しいと思います。

 今年は「うさぎ年」ということで、各方面で飛躍を望む声が聞かれますが、現実には日
本の内外における環境は大変厳しいものがあり、スポーツ界への影響も否めません。その
様な中で日本協会の運営執行にあたり、更なる覚悟が必要と身の引き締まる思いでありま
す。一方で、私の気持ちは決戦の年を迎えて何故か「わくわくどきどき」と高鳴っており
ます。常日頃からご支援、ご理解、ご協力を賜っています全国の皆様と共に、是非とも宿
願の歓喜の祝杯をあげる年にしたいと思います。

 皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2011年1・2月号より転載