<機関誌2010年3・4月号巻頭言>


「総力を結集して・・・ 「世界を奪い返す」」



                      (財)日本ハンドボール協会会長 渡邊 佳英 


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 昨年度、5月に開催しました第2回日韓代表国際交流戦では、女子代表チームが韓国に
勝利し、12月に中国で開催されました第19回女子世界選手権に挑んだものの16位に終わり、
満足する結果とはなりませんでした。男子においては、アジア王者奪還を目指し、2月に
開催されました第14回男子アジア選手権に挑みましたが、世界選手権の出場権は獲得した
ものの結果は3位と、こちらも満足する結果とはなりませんでした。そこで今年度、日本
ハンドボール協会は、強化活動に全てのベクトルを合わせ、最大の目標であるオリンピッ
ク常時出場、世界選手権常時出場、そしてメダル獲得の実力をつけるべく総力を結集し、
まずは、来年1月にスウェーデンにて開催されます第22回男子世界選手権上位入賞を目指
し取り組んでいきます。さらにハンドボール競技の注目度アップ、競技人口アップ等に向
け以下の内容について総力を挙げて活動していきます。

 強化については、代表チームに特化し、「世界を奪い返す」、「アジアNO.1に返り咲く」
ために全力で取り組みます。また NTS(ナショナルトレーニングシステム)をより活性化
させ、「JHA ジュニアアカデミー」の充実によるジュニアからの強化の加速と指導方針の
一本化を徹底します。さらに指導者スタッフの育成にも取り組みます。審判についても継
続的な育成、指導能力アップはもちろん、「ヤングレフェリーの育成」を最重点に取り組
みます。

 指導普及は、「普及活動事業」と「指導者育成事業」を2本柱と捉えて取り組みます。
また、「小学生・中学生大会の拡大」、「 NTSとの連携・周知徹底」、「マスターズ大会
の組織充実」、「車椅子大会の充実」等に取り組み、競技人口アップにつなげるとともに
「ビーチハンドボールの組織化、大会充実」に改めて取り組み、新しい展開に備えます。

 マーケティング・広報は共に連携し、より効果的な広報とバリューアップ活動によるハ
ンドボールの注目度アップ、バリューアップに取り組み、スポンサー獲得を目指します。

 競技は、「大会運営マニュアル」を基本に各大会に積極的指導を行い、各担当部門およ
び各都道府県協会とも連携したくさんの皆様に満足頂ける大会運営に取り組みます。

 日本リーグの充実は、強化に直結します。日本のトップゲームをたくさんのファンに披
露するために「プロの興業集団」を目指し、昨今の社会情勢の変化に対応するため引続き
「新デイビジョンの拡大・育成」に取り組みます。

 国際については、国際ハンドボール連盟およびアジアハンドボール連盟の新体制に対応
し、「アジア地域の発展」をベースに行動を展開します。引続き「アジアの正常化」に向
け東アジアハンドボール連盟との結束を更に強固にし、IHF、AHFに従来からの提案や新し
い提案を投げかけ、オリンピック出場に向けて道を開く活動を続けます。

 総務は、事業を滞りなく実行するために、役員の育成・充実と事務の整備に取り組み、
財務については、政治、経済、社会的価値観等の前代未聞の激変を踏まえ、収入源を想定
した全く違う観点での予算の執行を考え実行します。また、環境問題についてハンドボー
ルとして具体的に実行・活動し、積極的に取り組みます。

 総合企画については、事業計画の徹底と中期スケジュールを見据えた事業計画を検討し、
ジャパンカップ2010を企画開催します。また、組織活性化プロジェクトとして、社会人連
盟を設立し、今後のハンドボール協会の基盤の充実を計ります。

 がんばれ20万人会は、本来の目的を踏まえ、諸策を見直し20万人を目指します。

 以上、今年度も皆様の幅広いご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2010年3・4月号より転載