<機関誌2010年1・2月号巻頭言>


「世界を奪い返す あと700日!!」



                    (財)日本ハンドボール協会専務理事 川上 憲太 


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 皆様、あけましておめでとうございます。このメッセージが皆様のもとに届く頃は、す
でに年明けから1ヶ月を過ぎ、男子・日本代表チームはレバノン(ベイルート)でアジア
選手権に挑戦している時であります。酒巻監督のもと昨年1年間、過酷なまでのトレーニ
ングを積み、ロンドンまでの中間点・アジア選手権に挑みます。本大会は、世界選手権予
選であり、まずはアジア代表になり、世界への切符をとることが義務づけられています。

 ロンドンオリンピック予選は、2012年のオリンピック本大会の6ヶ月以前までに各大陸
予選を終えていなければなりません。従って、予選大会まであと 約700日となってくるわ
けです。「まだ700日もある」ととらえるか、「もう700日しかない」ととらえるか、であ
ります。 この700日の間にはたくさんの事が想像できます。充分すぎるほどの綿密な計画
のもとにチーム作りを行うことは勿論ですが、思わぬアクシデントは必ずあります。また、
素晴らしい戦力の台頭や新しい状況の変化もこれからです。そこには非常に繊細な心配り
と大胆な決断が必要となります。「ロンドンまでの700日計画」をきちんと推進する意味
でもこのアジア選手権の内容・結果を重視したいと思っています。

 女子・日本代表は昨年12月の世界選手権・予選リーグでヨーロッパの強豪と戦い、予選
リーグ突破ができませんでした。課題は明確になりました。第一が体力・スタミナ、第二
が1対1・ノーマークです。西窪強化本部長は「いやというほど痛感しました」と帰国後
語ってくれました。あと700日であります。

 日本ハンドボール協会は、北京オリンピック世界最終予選を終了してから、「すべての
ベクトルを強化に向ける」の方針の基で事業計画を推進しています。これは、たとえば普
及本部における「小学生・中学生のチーム拡大・大会・充実」の活動ですが、これが一貫
指導システムを軸に11年目を迎えたNTS(ナショナルトレーニングシステム)の「見つけて・
育てる」の目標の土台となり、「鍛える」部分を担うJHAジュニア・アカデミーへとつな
がり、トップ強化への大きな成果に結びつきます。昨年、日本ユース代表がアジア大会で
好成績をあげたことなど次世代への期待が膨らむ所でもあります。マーケティング、広報・
財務・競技・総合企画・20万人会等の事業も必ず「ベクトルが強化に向けられているか」
を軸に活動しております。

 昨年、IHF(国際ハンドボール連盟)もAHF(アジアハンドボール連盟)、EAHF(東アジア
ハンドボール連盟)も新しい人事が発表され、日本もその一員として指名されました。4
年間はこの体制の基で運営されます。しかし、日本協会の国際ハンドボール界における地
位・発言力・リーダーシップ、いわゆる「国際力」はまだまだ足りません。原因は明らか
でありますので、「国際力アップ」に努力していく所存であります。2年前に起こった北
京オリンピック予選の「やり直し大会」の根本的な原因については、一朝一夕に解決でき
ないと思いますが、一つ一つの国際会議・国際大会を通じて各国と共に行動を起こし、こ
つこつと行動していくことだと考え、実行しているところであります。

 また、日本協会の大きな基盤となっている「社会人」の競技者の存在を顕在化し、活性
化をはかるために「社会人連盟の設立」が急務となっています。現在、既存の日本実業団
連盟、日本学生連盟等の他に、日本リーグもクラブチームの存在が大きくなり、大学の中
にも同好会・クラブチームがたくさんあり、全国都道府県には所属の会社や大学の枠をこ
えたクラブチームの存在は益々拡大傾向にあります。そして、きちんと把握できていない
ことも現状です。また、クラブチームへの参加を希望する人も多いと想像しています。と
りあえず、次年度は現状を踏まえた中で「社会人連盟」という大きな枠の中へ「包み込み」、
出来るだけ早い段階で全体組織を作り上げ、登録・大会等の「しくみの改正」を行い、日
本ハンドボール協会の基盤の充実に役立てたいと考えています。そして近い将来にはしく
みに則った日本選手権大会を開催したいと考えております。皆様のご理解ご協力をお願い
申し上げます。

 今年は、ハンドボールに限らず日本スポーツ界にとっては大変厳しい年になりそうです
が、「こういう時こそハンドボールが、スポーツが必要」だと思います。日本のハンドボ
ールを支えて下さった、たくさんの諸先輩の努力を思い起こしながら、皆様と共にチーム
ワーク良く頑張って参る所存であります。今年も宜しくお願い申し上げます。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2010年1・2月号より転載