<機関誌2008年4月号巻頭言>


「新たなスタートを迎えて」



              (財)日本ハンドボール協会会長  渡邊 佳英 

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 昨年度は、夏に北京オリンピック大会アジア予選が開催され、またしてもアンフェアな
状況で大会が行われたことに大変悔しい思いをしました。そこで引続きわれわれ日本ハン
ドボール協会は、アジアハンドボールの正常化について国際ハンドボール連盟に訴え、支
持を得ることが出来ました。そして国際ハンドボール連盟の要請により1月、北京オリン
ピック大会アジア予選再試合が男女とも東京・代々木で開催されました。マスメディアに
は連日のごとく取り上げられ、男子の試合にいたっては、代々木体育館が1万人のサポー
ターで埋め尽くされるほどでした。これらの状況は、日本ハンドボール界にとって、かつ
て経験したことがないものでした。結果については、またも韓国に敗れ、まだ世界最終予
選が残されているものの、日本ハンドボール協会の最大の目標である「オリンピック常時
出場、世界選手権常時出場、メダル獲得の実力をつけること」を達成するには至っていま
せん。

 この状況を「単なる話題」として終わらせないためにも、執行部は今まで以上に真剣に
取り組まなければなりません。本年度はオリンピックイヤーであり、当稿が発行される頃
には、女子の結果は出ている頃ではありますが、男女代表チームは、残されたオリンピッ
ク出場枠である世界最終予選に、日本ハンドボール協会の永年の夢の実現に向け、思う存
分戦ってもらいたい次第です。

 そこで本年度日本ハンドボール協会は、特に以下の内容について総力を挙げて活動して
いきます。
  1.マーケティング内容の充実を図り、財政基盤の確立。
  2.事業を滞りなく実施するために、役員の育成と、協会の事務局体制の拡充・強化。
  3.各大会の「運営マニュアル」を充実させ、ファンを第一主義とした大会運営。
  4.レフェリーの育成・指導による審判技術の向上。
  5.普及活動としては、「指導者育成事業」、「小学生・中学生大会の充実」、「ナシ
    ョナルトレーニングシステムとの連携」、「マスターズ・車椅子大会の充実」、
    「女性委員会の促進」。
  6.「がんばれ10万人会」を次のステップへ。
  7.「JHAジュニアアカデミー」を設立し、各カテゴリーから常にNTC(ナショナル・
    トレーニング・センター:1年365日常時使用・宿泊が可能な施設)に集結させ、
    ジュニア層からの強化を加速。さらに代表チームは4年、8年後を見据えたスタ
    ッフの人選と、目標に向かって活動。
  8.国際活動については、「アジアの正常化」への努力が実り、突破口が開かれた。
    さらに粘り強い地道な努力と本年度に行われるAHFの役員改選に向けての積極
    的な活動。
  9.マスコミ・HP・機関誌等、内外の広報活動の充実。
  10.日本リーグは国際競技力向上のベースであり、ハンドボールのトップゲームを数
    多くファンの前で披露し、「プロの興業集団」を目指す。
  11.環境委員会を中心に、環境問題にも積極的に取り組む。
  12.昨年立ち上げた総合企画室を中心に、全体の連携と協会の方針・目標の徹底のス
    ピード化を図る。又、毎年定期的に国際試合「ジャパンカップ」を企画開催し、
    強化の一環とする。

 本年度も皆様の幅広いご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。



  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2008年4月号より転載