<機関誌2006年11月号巻頭言>


公認指導者養成について



         (財)日本ハンドボール協会参事・指導委員会委員長  笹倉 清則 

kantogen-0611


 昭和52年度に初めて、前指導委員長の大西氏(現専務理事)が高校、大学、実業団等の指
導者を集め、代々木の青少年センターで、文部省公認上級コーチ養成会が開催された。当
時は、当然初めての公認コーチ養成請習会のため、講習会の講師という方もおらず、この
時間は受講生の中のどなたかが講師を担当され、次は他の受講生の中のどなたかというよ
うな形で開催されました。

 この初めての講習会から約30年を経て、2年に一度のぺ一スで講習会を開催し、現在全
国でハンドボール競技における公認指導者の数は、1,035名(平成18年2月現在)に達してお
ります。幸いにも私は、第1回目からすべての講習会に関わることが出来、これまでの講
習会の経緯や発展を間近で観ることが出来、合わせて自分白身多くのことを学ぶことが出
来ました。

 この間に公認指導者資格も、平成17年に文部省の公認から日本体育協会公認と形を変え、
それに合わせて17年度より新しいカリキュラムによりスタートしております。日本体育協
会では現在国体の代表監督の有資格制度を推進しております。ハンドボール協会では、平
成8年度の指導委員会の会議で「2007年の国体において各代表監督は公的資格保有者であ
ること」を決定し、これまで計画的に中央でのコーチ(旧C級コーチ)・上級コーチ(旧
B級コーチ)の養成講習会、そして毎年各県でのスポーツ指導員の養成講習会を開催して
きました。そして本年は最後の年となり、全国で14県のスポーツ指導員の養成講習会が予
定されております。これによって来年度からの国体において監督すべてが有資格者である
という規定を完全実施できるようになりました。これまで受講された多くの方々、そして
運営にあたられた数多くの方々のご理解とご協力に改めて感謝しております。また、中央
そしてブロック、各県の指導委員の方々のご協力にも深く感謝しております。

 どちらかと言えばこれまでは、この2007年の国体の完全実施に向け、有資格者を増やす
ことに追われていたという事も事実ですが、昨今いろいろなスポーツにおいて、また教育
の場において指導者の質を間われる事件やそれに関する報道がテレビ・マスコミに取り上
げられております。

 従って、今後の講習会では指導者の資質の向上を目指す講習会並びに研修会を開催し、
常に指導者に対して新しい刺激を与え、勉強する姿勢を持つ指導者の育成が我々に求めら
れていると思っております。

 また、日本のハンドボールの競技力向上を考えた場合に、将来的な展望、そして世界レ
ベルに照準を合わせた一貫指導と言うことを考えれば、U-12、U-16、U-18、ジュニア、シ
ニア各レベルにおける統一した考えの基での計画的な指導を発展させていける指導システ
ムも必要と考えられ、合わせてそれを担当できる指導者の育成をも必要とされていると思
っております。

 これまでを、一つのステップとして、これからを上記2つの今後求められる指導者を念
頭に置き微力ではありますが、指導者養成を進めようと思っております。ますますの皆様
のご協力とご理解をよろしくお願いいたします。


  (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2006年11月号より転載