<機関誌2002年2月号巻頭言>


「アテネオリンピック強化とPro21:構造改革について」




          (財)日本ハンドボール協会特認副会長
                アテネ特別教科委員会会長   岩井 正樹 
kantogen-0112


 アテネオリンピックに向けて、強化活動も1年が経過しました。100% アテネオ
リンピック出場を日標に具体的な実行計画を立案し、計画に沿って着実に強化を進
めてきました。その結果、目標達成の日途も見えてきまして、夢が大きくふくらん
でさたと考えて居ります。

 1年・1シーズンの中に、日本オリンピックチーム強化期間を4月〜8月の5ヵ
月間に設定をして、5ヶ月間で海外遠征2回を含めて5回の強化合宿で実力向上を
はかり、その間30試合の国際試合を消化してきました結果、日本のオリンピックチ
ームの実力は着実に伸びてきて、ライバルと対等あるいはそれ以上に戦えるところ
に到達したと考えて居ります。また、新設した日本に於ける2つの国際大会では沢
山の観客に会場に足を運んで頂き、レベルの高い試合を見て満足してもらうと共に、
この大会を運営した県協会も、収益を上げる運営が出来るようになったと思います。
一方、併行して進めてきましたスペイン・カタルーニヤ協会内に、日本ハンドボー
ル協会の欧州強化拠点を立ち上げ、大学生、社会人の若手6人を派遣して強化する
活動もスタートして居ります。この活動も4ヶ月を経過しましたが、既にスペイン
1部のプロリーグに所属して活躍できる選手が誕生するなど大きな成果をあげはじ
めたことも大変心強く感じて居ります。

 以上の様に、オリンピックに向けての強化システムは1年間で大方の見通しが立
ちはじめ、2002年では世界選手権アジア予選(2月・イラン)、アジア・サーキッ
ト大会(4月・日本近畿地方)、アジア大会(8月・韓国プサン)と3回にわたっ
て、宿敵韓国との試合が予定されており、この3試合に合れせて更なる強化を展開
することで、アテネオリンピック出場の見通しが立ってくるものと考えて居ります。

 さて、この様に強化システムが出来上り、オリンンピック出場の目途が立ちはじ
めたのですが、これを継続させていくことは今まで以上に難しいことと考えていま
す。そこで日本ハンドボール協会では、Pro21:構造改革プロジェクトをH14年4
月よリスタートさせて、日本ハンドボール協会を中心に地方県協会も含めて、磐石
な体制づくりに取り組んでいくことを検討中です。現在、基本構想が出来上り、各
連盟、地域・県協会の皆さんに構想案を説明して、積極的に意見聴取にとりかかっ
ているところです。各県協会の第一線で活躍されている方々の御意見を反映して実
行計画を立案していく予定でありますので、全国の皆さんから前向きで建設的な御
意見を出して下さることを期待して居ります。

 最後に、先回メジャースポーツを目指すと申しましたが、H14年度より毎週1回、
海外のレベルの高いハンドボールの試合、日本の主要大会の試合、全日本チームの
試合・活動などをテレビ放映する予定で居りますので、楽しみにしていて下さい。


    (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」1・2月号より転載