<機関誌2001年10月号巻頭言>


「第26回日本リーグ開幕に向けて」




        日本ハンドボールリーグ委員会委員長   川上 憲太
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 日本ハンドポールリーグは昨年より運営組織を日本ハンドポールリーグ機構とし、
今年度より市原則之氏を会長に迎え、4分の1世紀25年間を戦った20世紀を終え、新
たに21世紀第26回大会が始まろうとしております。しかしながら長引く経済不況に加
え社会構造の変化、企業理念の変化に伴い、日本リーグもまさに正念場をむかえてお
ります。第25回大会を最後に名門三陽商会、デンソーが不参加を決定し、まさに日本
における企業スポーツの現況を目の当たりにさせられました。一方で女子の雄イズミ
が親会社、地域の企業、サポーターに支えられ広島メイプルレッズとして存続参加、
男子2部では東京の灯を消すなとばかりにクラブチームHC東京が立ち上がり参加、
また三景がインテックス21と名称を改めて参加、ひそかに一部リーク復帰をねらって
います。今後、このような企業・地域・行政が一体となったクラブチーム化の傾向は
さらに加速すると思われます。日本リーグ機構もいち早くこの流れを組み入れ、2チ
ームの参加は満場一致で決定されました。各チームの今後の努力に対して全力で応援
するつもりです。皆様もご協力をお願いします。

 このような状勢の中から、今年度は日本リーグの維持・継続を柱にさらなる経費節
減を計り、新しいリーグのあり方を探り、発展への基礎づくりの年にしたいと考えて
います。これは決して消極的ではなく、来たる27回・28回大会以降のあり方について、
リーグの基本理念である「子どもたちに夢のある環境づくり」「国際レベルでの競技
力向上」をもとに「魅力あるエキサイティングゲーム」が生まれるよう準備をしてお
くということであります。25回大会の観客動員数は、観客動員委員会なども設置し、
対策をとり全体にはアップしましたが、女子の方は少しかげりが見えています。リー
グ委員、チーム、企業、地域、行政、マスコミと一体となった行動が大切だと思って
います。マンネリ・固定観念にとらわれず、足を動かした努力が必要と思います。チ
ーム自身の地元・地域の小・中学生・高校生等々への日頃の働きかけ、ファン作りも
大切なことです。

 本年8月1日より新しい国際ルールが世界では実施されています。日本リーグは日
本のハンドポールの頂点強化と指導普及の最先端にあると考えます。多少現場はとま
どい、支障があると思いますが、それを乗り越えて今26回大会から実施することとし
ました。早く新ルールに慣れてまじかにせまっている国際試合に役立てていただきた
いと思います。

 本大会もテレビ中継はプレーオフを含めて多く放映されます。NHK中継はまた実
現しませんが、スポーツニュースの中で必ず取り上げていただくことになっています。

 日本リーグのホームページもさらに充実され益々その重要性が高くなってきました。
今大会はおそらく昨年の倍の利用になると期待しています。

 昨年からチームユニホーム等に協賛スポンサーを付けるよう推進してきましたが、
あまり利用されていません。チームとして協賛スポンサー獲得は今後の運営のポイン
トになっていく部分でもあります。リーグ全体の協賛スポンサーを含めて全員の努力
が必要だと思います。

 第26回大会は男子一部8チーム、二部6チーム、女子9チームの計23チームです。
各チームともチーム力アップにむけて新人・外国人補強等を着実に行っております。
それぞれに非常に高度な激戦・接戦が展開されることは必至であります。各新聞社の
スポーツ記者も大変注目しております。どうぞファイナルのプレーオフまで限りない
ご声援ご注目をよろしくお願いいたします。


    (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」10月号より転載