<機関誌2000年8月号巻頭言>


「文化としてのハンドボール」を楽しもう



        (社)全国高等専門学校体育協会
        ハンドボール競技専門部委員長  古屋 正俊
kantogen-0008


 「全員参加でハンドボール文化の構築」が、21世紀に向けての日本ハンドボ
ール協会の基本理念です。その具体的な活動として、日本協会は、普及と強化
のための「ナショナルトレーニングシステムの構築」と、その財源確保のため
の「がんばれハンドボール10万人会の推進と定着」を基本方針として掲げてい
ます。生涯スポーツとして、より長いスパンで、いつでもどこでも誰でもが気
軽にハンドボールを楽しむためには、「文化としてのハンドボール」の認識は
大切だと思います。

 「文化としてのハンドボール」の楽しさは、試合や練習といった「コートの
中」で同時体験する楽しさだけでなく、大会前のワクワクするような予期的な
楽しさや、大会を振り返る想起的楽しさなど、試合や練習に直接関係のない
「コートの外」空間にかかわる「楽しさ」を、どのように膨らませるかがポイ
ントになりそうです。人気スポーツは、その種目をとりまく楽しみ方の裾野が
広く、その話題性は、日常の生活文化の中にしっかりと根付いています。マイ
ナースポーツはその楽しさが「コートの中」(選手、役員、マニアといった関
係者)だけに限定されているようです。

 「がんばれハンドボール10万人会」の推進は、潜在的なハンドボールファン
を開拓し、そのネットワークを通して、ハンドの楽しさが広く伝播されていく
ことが期待されます。「ハンドボール文化の構築」に大変意味がある活動と思
います。高専ハンド専門部としても、微力ではありますが、今後ともOBや保
護者、関係者に積極的にアナウンスしていきたいと考えております。

 高等専門学校(国立54,公立5,私立3校)には、高専スポーツ大会を統括
する(社)全国高等専門学校体育協会(14種目で組織)があり、高専ハンドはそ
の一つです。小さな組織ではありますが、これまで日本協会と都道府県協会の
ご指導,ご協力を得ながら、毎年夏に全国大会を開催し、今年度は第27回大会
が北海道・釧路で開催されます。

 高専生にとって、全国の高専ハンドボーラーが集うこの大会は、日本協会主
催の唯一の公式大会として、ハンドボールの魅力を再認識し、互いの交流の輪
を広げる貴重な機会となっています。専門部としても、「文化としてのハンド
ボール」の視点から、高専ハンドボールの普及発展に鋭意努力していくたいと
思います。一層のご指導,ご協力をお願いいたします。


    (財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」8月号より転載