12/24(木) , 12/25(金) , 12/26(土) , 12/27(日)
【決 勝】 オムロン 20 ( 8-10, 12- 9) 19 北國銀行
大会5連覇を目指すオムロン,と93年以来優勝から遠ざかり,久しぶりの王者奪還をもくろむ北國銀行との対戦。開始1分,オムロンがポスト坂元にパスを通し,確実に先取点を上げれば,その直後,北國も負けじと仲宗根のランニングシュートで応酬。その後北國は,オムロンの高くて固いディフェンスに対し,ランニングシュートやサイドシュートで粘り強く攻撃を続けるが,10分過ぎ,オムロンの速攻に北國の上町が思わず反則し,2分間の退場となる。しかし,オムロンはこの好機を十分に活かせず,北國を突き放すことができない。逆に北國は,18分過ぎに野路のミドルシュート,19分過ぎには速攻に出た中村に綺麗なパスが通り,2点を連取。たまらずオムロンはタイムアウトを取るが,その直後,ルーズボールを取りに行ったポスト坂元が負傷退場し,リズムがどうしても掴めない。27分20秒にオムロンの高田のループシュートがようやく決まったが,結局オムロンは2点差をつけられ,8−10で前半を終えた。
後半開始1分,オムロンが高田のサイドシュートで1点をあげるが,北國もセンター仲宗根のランニングシュートで取り返す。その後,点の取り合いが続くが,両ゴールキーパーのナイスセーブもあり,点差は開かず15分を経過して13−15の2点差で依然北國がリード。16分30秒,オムロンがスカイプレーで1点差に迫り,北國横嶋の2分間退場を誘った。その1分後,セットプレーが見事に決まり,オムロンはやっと同点に追いついた。24分30秒過ぎに,北國のエース上町の素早いフェイントからのシュートが決まり,北國が1点リード。オムロンタイムアウト後の25分20秒,オムロンのセットプレーに北國の中村が思わずファール。オムロンが7mスローを確実に決め,同点。最後は長身のエース東濱が残り1分でシュートを決め,これが決勝点となり,オムロンが大会5連覇を達成した。
MVPには,好セーブを随所に見せたオムロンの藤間かおり(GK)が選ばれた。
【準決勝】 オムロン 40 (21- 8, 19- 9) 17 広島メイプルレッズ
準決勝第1試合は,大会5連覇を狙うオムロンに,5年振りの優勝を目指す広島メイプルレッズが挑んだ。メイプルは3−2−1ディフェンスを敷き,オムロンのポイントゲッター洪や藤井へのマークを試みたが,厚い攻撃を防ぎきることはできず,前半だけで21点の失点を許してしまった。一方,オムロンは高くて固いディフェンスでメイプルの攻めを寄せ付けず,李の序盤のロングシュートなど8失点に抑えた。
後半に入っても,オムロンがリードする展開は変わらず,メイプルがオムロンのディフェンスを打ち崩すことができなかった。点差は徐々に広がり,終わってみれば40−17でオムロンの圧勝であった。
【準決勝】 北國銀行 27 (12-12, 15-14) 26 ソニーセミコンダクタ九州
立ち上がり北國はエース4番・上町のロングシュートや5番・宮前のサイドシュートなどで11分過ぎには6−3とリード。ソニーはタイムアウトを取るものの,25分過ぎまでその差は縮まらない。残り5分で北國もタイムアウトを取るが,逆にその後ソニーが11番・黒木の速攻や4番・高橋のサイドシュートなどで27分には同点に追いつき,そのまま12−12で前半を終える。
後半もお互い譲らず一進一退の攻防が20分近く続くが,ソニーは4番・高橋のサイドシュート,3番・長野のミドルシュートで2点差をつける。たまらず北國はタイムアウトを取り,その後13番・仲宗根ステップシュート,ロングシュートの2連取で残り2分には再び同点。試合を決めたのは,北國のエース上町。残り30秒,見事な技ありステップシュートを決め,27−26で北國が接戦を制した。
オムロン 30 (16- 6, 14- 5) 11 大阪体育大学
オムロン9番・坂元のポストシュートで先取。大阪体育大学も14番・河田のミドルシュートで応戦。その後,オムロンのディフェンスを崩すことができず,15分まで無得点。一方オムロンは,17番・東濱のカットイン,7番・藤井のロングシュート,ミドルシュートなど次々と加点。前半15分で10−1とオムロン大量リード。その後,大阪体育大学も13番・高山のミドルシュート,6番・富田のサイドシュートなどで追いすがり,前半は16−6のオムロンリードで終了。
後半に入ってもオムロンは手を緩めず,7番・藤井のカットイン,8番・石立の速攻などで6連取。力の差を見せつけて危なげなく30−11でオムロンが大勝した。
広島メイプルレッズ 28 (13-11, 15-13) 24 三重バイオレットアイリス
現在の日本リーグにおいて同じ勝数で並ぶ両チームの戦いは,広島メイプルレッズ(以下メイプル)のスローオフから始まった。開始早々から両チームとも激しいディフェンスの応酬で,10分過ぎには両チーム3枚ずつのイエロー5枚が乱れ飛んだ。メイプルは李のミドル,李から土屋へのポストプレーなどで加点しリードを保つ。三重バイオレットアイリス(以下三重)はミスが多く常に2,3点を追う展開で苦しむが,横川のサイドシュートや速攻などで粘り,13ー11のメイプルリードで前半を終える。後半5分過ぎには巻き返しをはかる三重が横川のシュートで逆転した後,星野の2得点などで3点リードをつける。これに対しメイプルは大前や五月女の場内を沸かすプレーなどの連続得点で加点し,三重は伊藤のミドルや7mスローで食い下がる。しかし25分からメイプルが4連取して27分には5点差をつけ勝負を決めた。結局28−24で広島が日本リーグのライバルを下した。
ソニーセミコンダクタ九州 42 (22-12, 20- 9) 21 大阪教育大学
開始からソニーの速い攻撃展開に押され,2番郭のミドルシュートや4番高橋の自在なサイドシュートなどでソニーがリードを奪う。リードされた大教大も8番翁長の6得点や,5番乾の見事なロングシュートなどで追い上げるが,ソニー11番黒木の4連続得点などでソニーの10点リードで前半終了。
後半に入っても,ソニーのスピードある攻撃に圧倒される大教大は,攻めてもチェックの素早いディフェンスとGK1番・中島の好セーブに点差をさらに広げられる。両チーム体格はよく似ているものの,体力,スピード,組織力で上回るソニーが後半も力の差を見せつけ,42−21で快勝した。
北國銀行 23 (10-10, 13- 6) 16 香川銀行T・H
初のベスト4を懸ける地元の香川銀行T・Hと,日本リーグの実力者・北國銀行の対戦は,3分過ぎに香川の坂部の得点から始まった。ディフェンスがうまく機能し,香川12番GK山下の好セーブにも助けられ,香川が前半15分で5−2と3点リード。その後,北國はエース上町の力のあるシュートなどで徐々に点差を縮め,残り50秒で北國が同点に追いつき,10−10で前半終了。
後半の滑り出し,香川は前半にもキレのある動きで得点をあげたサイド坂部のシュートなどで2連続得点をあげ,15分まで一度も北國にリードを許さなかった。しかし,15分過ぎ北國のディフェンスを崩せなくなった香川が得点を上げられない時間が10分以上続き,流れは北國に傾いた。残り5分で北國3点リード。地元の利を生かして何とか追いつきたい香川だったが,地力に勝る北國は終盤に差を広げ,23ー16で準決勝にコマを進めた。
大阪体育大学 26 (12-10, 14- 5) 15 HC.TSUKUBA
インカレ3位の大阪体育大学とジャパンオープン2位のHC.TSUKUBAとの大会初戦は大体大のスローオフ で始まった。
序盤は両チームともセットプレーからの一進一退の攻防を見せるがも、TSUKUBA・GK竹鼻のノーマークセーブや、戸崎の3連取などでリードする。一方、大体大は河田のミドルシュートや田辺の確実な得点により追い上げを見せ、HC.TSUKUBAは20分過ぎにたまらずタイムアウトをとる。しかし 大体大は22分に同点においつき、以後はTSUKUBAの得点を許さず、2点リードで前半を折り返した。
後半の10分以降は、疲れの隠せないTSUKUBAに対し、スピードの衰えない大体大の一方的な展開となった。大体大は3度の退場を出しながらも、高山の素早いカットインからの得点、前後半を通じて安定感を見せた河田の活躍、速攻における富田の確実な得点などにより、後半17分までで8点のリードをつけ試合を決めた。終了まで同様の流れで大体大が26−15で勝利した。
三重バイオレットアイリス 26 (14-14, 12- 7) 21 東京女子体育大学
インカレを制した東京女子体育大学と、日本リーグの三重バイオレットアイリスの対戦。開始13分に速攻で三重の横川が先制点をあげたところより試合が動き出した。三重の固い守りをなかなか崩せない東女は前半の半ばで速攻を仕掛け、相手の手以上を誘った。その間、7mスローを確実に決め、18分に10対10の同点に追いついた。その後、攻め手が欠けかけた三重に対し、流れをつかみかけた東女だったが、同点で前半を終えるのが精一杯だった。
後半の立ち上がりで流れをつかみたい東女だったが、逆に15分を経過して3点差をつけられ、なかなか追撃態勢に入れない。23分前後に三重が3連続ノーマークシュートをはずし、東女に流れが行きかけたが、実業団の意地を見せた三重が、後半5点差をつけ、26−21で大学王者を退けた。
大阪教育大学 22 ( 8-11, 14- 9) 20 HC名古屋
1回戦第3試合は、日本リーグHC名古屋とインカレ2位の大阪教育大学との一戦。 HC名古屋のスローオフで始まる。開始後7分過ぎまで1点ずつ取り合う形で試合が進み、3−3からHC名古屋がパスカットによる速攻など5連続得点を挙げて7−3と大教大を引き離しにかかる。大教大エース・乾は自ら得た7mスローで先制し、要所でキレのある動きを見せながらも前半のフィールドゴール0点と波に乗れない。前半をHC名古屋の3点リードの11−8で折り返す。
後半に入り大教大の猛攻が始まるが、HC名古屋は佐藤のロングシュートなどで応戦し、一進一退の攻防が続く。14分過ぎ、大教大の乾と若泉のポストプレーによる得点を皮切りに、速攻による3得点を含む5連取で大教大が逆転し、3点リードする。HC名古屋も日本リーグの意地を見せ、エース菅谷のステップシュートで1点差に詰め寄る。徐々にHC名古屋が大教大ディフェンスを攻めあぐねる場面がみられ、28分過ぎからの、大教大1名退場による3点差を追うパワープレーにおいても1得点に留まった。22−20で大教大が逆転による勝利をおさめた。
香川銀行T・H 33 (14- 7, 19-13) 20 ユース日本代表
立ち上がり、ユース4番・大谷がパスカットからの速攻で先制するも、5分過ぎからは香川銀行のペースで進行する。ユースは15分にタイムアウトをとり、メンバーの入れ替えをし、足を使った攻撃やコンビプレーをしかけるものの、香川銀行GK12番山下の好セーブなどでなかなかペースをつかめない。守って走る香川銀行が、サイド13番 坂部の6得点などで前半14−7と折り返す。
後半スタートも香川銀行は3番・塩田の7mスローを含めたロングなど5得点などで差を広げようとするものの、ユースも11番・中村の速攻やサイドシュートなどで一進一退の攻防となる。12分過ぎから20分まで得点が止まっていた香川銀行はタイムアウト後、また本来の動きをとりもどし、残り10分は守りの頑張りと、バランスのよい攻撃で再び点差を広げて終了。
ユース日本代表チームは、個々の能力の高さと将来性を感じさせるチームであったが、選抜チームの弱点も出たゲームとなってしまった。