<平成14年度 第54回全日本総合ハンドボール選手権大会戦評>

12月12日(木) 第3日目

男子3回戦 第1試合  枇杷島スポーツセンター

ホンダ 37 (20-10, 17-14) 24 HC東京     マッチバイザー:楓、レフェリー:仲里・中地

 優勝候補の一角ホンダに学生王者日体大を下したHC東京が挑む。開始早々ホンダの速攻が火を噴き一気に4点のアドバンテージを奪う。5茅場、24クリチェンコらが得点を重ねるホンダに対し、HC東京も20飯島、23小野らが数少ないチャンスを確実に得点に結びつけるしたたかさを見せた。しかし、ホンダDFの壁は堅牢にして10点差で前半を終える。
 後半に入り、4佐々木、6鶴見らにより得点を重ねるホンダに対し、HC東京も3−2−1DFの運動量をさらに増し、一歩たりとも退く構えを見せない。10分過ぎの茅場の退場あたりから、ホンダの攻守にスキが生じ始めると、すかさず17五島、22飯野らが得点をする。しかし、鈴鹿の峰は険峻にして、東京の挑戦を阻んだ。

ホンダ: 6鶴見=9点、4佐々木=7点、10広政=4点、11谷口=3点、14野嶋=3点、24クリチェンコ=3点、3羽賀=2点、5茅場=2点、7斎藤=2点、2池辺=1点、13鈴木=1点
HC東京: 23小野=5点、15須藤=4点、17五島=4点、8西村=3点、14木村=2点、22飯野=2点、24佐々木=2点、20飯島=1点、21佐藤=1点



男子3回戦 第2試合  枇杷島スポーツセンター

大同特殊鋼 24 (10- 7, 14-10) 17 ホンダ熊本     マッチバイザー:渡辺、レフェリー:永春・安田

 ゲーム開始後、両チームとも動きに固さが見られ、開始1分に大同特殊鋼18朴がロングシュートを決めるが、その後両チームGKの好守もあり、10分を経過しホンダ熊本が速攻で1点を返すにとどまり、ロースコアな展開となった。しかし、大同特殊鋼はGK16高木の再三にわたるファインセーブと2松林のサイドシュート、8藤井のポストなどで、18分6−1とリードを広げた。ホンダ熊本はチームタイムアウト後、大同特殊鋼朴に対しマンツーマンディフェンスを仕掛けて、攻撃のリズムを断とうとするが、大同特殊鋼の出足の良いディフェンスを崩すことが出来ず、10−7と3点差で前半を終了する。
 後半開始より、ホンダ熊本に退場者が出た間に大同特殊鋼はスカイプレー、ポストで連取し点差を再び5点とした。その後GK高木を軸とした堅いディフェンスでリードを守ったが、中盤意地を見せるホンダ熊本が18ジザ、19クジノフで得点し、残り10分で3点差と肉薄する。しかし、最後は両外国人を中心に攻めざるを得ないホンダ熊本に対し、好守にリズム良く展開を繰り広げた大同特殊鋼が終盤の4連続得点でホンダ熊本を突き放し24−17で勝利を収めた。

大同特殊鋼: 18朴=9点、8藤井=4点、2松林=3点、11大田=3点、4富本=2点、6中谷=2点、5峯村=1点
ホンダ熊本: 19クジノフ=6点、4田中=3点、15宮城=2点、18ジザ=2点、5米満=1点、9間島=1点、11佐伯=1点、12松岡=1点、




男子3回戦 第3試合  枇杷島スポーツセンター

大崎電気 30 (13- 5, 17- 7) 12 トヨタ車体     マッチバイザー:緒方、レフェリー:仲田・植村

 大崎電気の3連取で試合が始まった。トヨタ車体もチームを波に乗せるべく11北出が速攻で一人気を吐くが、大崎電気の堅い守りの前に連取が出来ない。トヨタ車体は前半ラスト5分で大崎電気の8岩本にマンツーマンディフェンスを試みるが効果はなく、前半は13−5の大崎電気リードで折り返した。
 後半はトヨタ車体が5人からスタートしたことに乗って、大崎電気が4連取で一気に突き放した。前半終盤間際から続くラフプレーによって両チームとも退場者が続出する展開でも、大崎電気は着実に得点を重ねていった。後半中盤に大崎電気がメンバーチェンジしてゲームが一時落ち着いたが、劣勢になることはなく、ディフェンスから速攻や、ダブルポストへの展開によって一度もトヨタ車体ペースにさせることはなかった。結局堅い守りでトヨタ車体に一度も連取を許さなかった大崎電気が30−12で勝利を収めた。

大崎電気: 9森本=5点、15東=5点、17近藤=5点、2豊田=3点、19太田=3点、5中川=2点、8岩本=2点、18辻=2点、3加藤=1点、6佐藤=1点、7小林=1点
トヨタ車体: 4宮地=3点、11北出=3点、15加藤=3点、5角谷=1点、10竹下=1点、14長谷川=1点





男子3回戦 第4試合  枇杷島スポーツセンター

湧永製薬 37 (19- 9, 18-15) 24 アラコ九州     マッチバイザー:村松、レフェリー:浅野・神谷

 長身のチョレイを怪我で欠くアラコ九州が圧倒的な高さを誇る湧永製薬と対峙する。両者ともGKの活躍が目立つ序盤であったが、アラコ九州が素早いリスタートで相手を休ませない急戦を開始、疾風怒濤の攻撃が湧永を襲う。しかし、湧永製薬の陣幕を切り裂く九州の銘刀も次第に刃こぼれをきたし、点差が広がり始める。すると湧永製薬の6ジクルドソン、10ブラマニスをベンチに下げ急戦で応戦。5アントルを切込隊長とするアラコ九州に対し、小兵の14森山がアラコDFを翻弄し、7中山、15杉山らベテランが撃砕く。戦況は一転消耗戦の様相を呈する。結果、湧永製薬が大差で勝利を収めた。

湧永製薬: 4東=7点、7中山=6点、11加川=5点、17吉家=5点、5浜本=4点、13小沢=4点、19山口=3点、9小藪=1点、14森山=1点、15杉山=1点
アラコ九州: 5アントル=7点、4村上=5点、10田中=5点、9鶴田=4点、11阪=2点、3高山=1点




女子2回戦 第1試合  中村スポーツセンター

広島メイプルレッズ 25 (16- 6, 9- 9) 15 東京女子体育大学     マッチバイザー:岩本、レフェリー:浅野・神谷

 前半東女体大のスローオフで試合開始。序盤の立ち上がり東女体大の固さが目立ち、攻撃ではパスミスなどが多く、広島メイプルレッズは13杉本の速攻などで得点を重ねた。また、東女体大は守りでもリズムが作れず、広島メイプルレッズの10呉を起点に巧みなパス回しから14石山のポストプレーなどにより前半12分までで9−1と大きくリードした。一方、東女体大はGK1小松の好セーブもあり、前半15分過ぎから攻撃のリズムが出始め、9岡崎、10菅野のロングシュートなどで得点を重ねていった。しかし、立ち上がりのミスが大きく影響し、広島メイプルレッズのペースで前半を終えた。
 後半開始直後に広島メイプルレッズの不正入場により、東女体大はチャンスを得るが攻めきれず、リズムに乗りきれなかった。その後、広島メイプルレッズの速攻、東女体大のセットプレーによる得点などで一進一退の展開が続いたが、お互いにミスが多く、広島メイプルレッズが逃げ切った。

広島メイプルレッズ: 14石山=6点、8岩本=5点、11吉兼=3点、13杉本=3点、3木村=2点、4青戸=2点、10呉=2点、2前山=1点、9坪井=1点
東京女子体育大学: 10菅野=5点、9岡崎=4点、13吉田=3点、6橋沼=2点、5土屋=1点




女子2回戦 第2試合  中村スポーツセンター

北國銀行 24 ( 9-12, 15- 6) 18 MIE Violet' IRIS     マッチバイザー:西村、レフェリー:小山・佐路

 前半立ち上がりからスピーディな攻防を繰り広げる両チームであるが、シュートミスが目立ち主導権を握れない状態が続く。残り10分北國銀行に退場者が連続し、それを機に2点差としてMIEが突き放しに掛かった。北國銀行も素早い展開から相手ゴールを狙い粘り強さを見せた。結局試合巧者ぶりを発揮したMIEが前半を12−9の3点差で折り返した。
 後半MIEの勢いがすっかり影を潜め、北國銀行の完全なペースとなる。開始5分で同点に追いつくと北國銀行の勢いは止まらず、19分まで連続11得点とMIEの追い上げムードを完全に消してしまった。MIEもやっとの思いで19分に後半初得点。その後も何とか追いすがるが、時既に遅し。MIEにとっては悪夢の”19分間”だったが、北國銀行にとっては次戦に向け弾みのつく”19分間”であった。

北國銀行: 2村上(麻)=6点、5小松=4点、7浜田=4点、9岡田=3点、6中村=2点、8小野澤=2点、3近藤=1点、10村上(亜)=1点、14渡邊=1点
MIE Violet' IRIS: 9伏見=5点、2太田=4点、4浦田=3点、10池田=3点、7須藤=2点、13浪崎=1点




女子2回戦 第3試合  中村スポーツセンター

シャトレーゼ 25 (15- 8, 10-10) 18 HC名古屋     マッチバイザー:角、レフェリー:阿部羅・浜野

 HC名古屋のスローオフで試合開始。両者とも2点ずつを取り合った後、シャトレーゼがロング、速攻と3連取し主導権を握る。HC名古屋もその後、必死に食い下がるが、シャトレーゼの高いディフェンスに苦戦した。シャトレーゼは4菅原の巧みなステップシュート、13山崎のサイドシュートなどで着実に加点。前半を15−8で折り返す。
 後半に入り、一進一退の点の取り合いとなった。HC名古屋は何とか追いすがろうとするが、ディフェンスで守りきることが出来ず、なかなか得点差を縮められなかった。連続得点できないHC名古屋に対し、シャトレーゼは要所での堅い守りで試合の主導権を渡さなかった。最終的には地力に勝るシャトレーゼが前半の貯金を生かし25−18で逃げ切った。

シャトレーゼ: 4菅原=8点、2原田=5点、7稲吉=5点、13山崎=3点、9穂積=2点、17吉田=2点、11藤浦=1点、14早船=1点
HC名古屋: 7菅谷(奈)=4点、8羽出重=4点、4菅谷(枝)=3点、6加治木=2点、11加納=2点、5加藤=1点、9堀尾=1点、10水野=1点




女子2回戦 第4試合  中村スポーツセンター

オムロン 29 (15-11, 14-15) 26 筑波大学      マッチバイザー:山田、レフェリー:浜田・小笠原

 前半立ち上がりから激しい攻守を繰り広げる両チーム。オムロンは速攻、7M、サイドシュートで得点を重ねるが、ミスも目立ち波に乗れない状態が続く。しかし前半10分筑波大学2人の退場を機にオムロンが主導権を握るかと思われたが、筑波大学もGKの好セーブ、速攻で得点を重ねて1点差に。その後お互いに譲らず前半15−11でオムロンリードで終了。
 後半オムロンはミス連発など得点の糸口がつかめない中、筑波大学がコツコツと得点を重ね16分に1点差に追いつく。その後10分間はお互いに点の取り合いが続いたが、残り3分オムロンの速攻で試合が決まった。最後まで目の離せない好ゲームであった。

オムロン: 7冨田=12点、8佐久川=8点、15金城=5点、9坂本=2点、21劉=2点
筑波大学: 5森本=7点、13千葉=7点、2高橋=5点、7岡田=3点、4谷口=2点、6太田=2点

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